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ダービーニュース社倒産の報に想う

  • 2013年04月17日(水) 01時05分
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出版不況が叫ばれる中、競馬マスコミ業界も例に漏れず苦しい情勢だと言うことを証明してしまうかのようなニュースが先日報じられた。

競馬新聞社界の老舗「ダービーニュース」倒産。

"本紙"の長谷川仁志氏、グリーンチャンネルの解説でおなじみの山本博之氏など豊富な人材を擁し、かつてはあの大川慶次郎氏も所属していたことで知られる有名新聞社だ。週末コンビニに足を運ぶと入口に陣取っている地味だが安心感のある緑色のロゴ、競馬ファンなら見たことがあるだろう。

実は私自身、特別な思い入れがある企業である。昨年の春に本社ビルへ足を運んだことがあるからだ。

転職活動中だった私。ハローワークで競馬関係の企業の求人を探していると、目に留まったのがダービーニュース社の求人だった。決して美味しい条件ではない。しかし、競馬マスコミの世界へ飛び込みたい一心で私は求人に応募したのであった。

結果は、見事一次面接で不採用。その時の落胆ったらなかった。自分のブログの文章をせっせとA4の上質紙に印刷し、面接官に向けてたどたどしくプレゼンしたのだが、「君の文章は柔らか過ぎず硬過ぎず読みやすい。でもウチでは自由に書かせないよ。競馬ブックへ行きなさい」と体よくかわされ、その後の漢字の書き取り試験(今の世の中こんなもので新聞記者としての資質が分かるものだろうか)では散々だった。

あえなく不採用。そして浪人の身で聞いた倒産のニュース。とても複雑な気持ちになったのは言うまでもない。

「週刊ファンファーレ」休刊、「クリゲ」「ぐりぐり◎」といった新しい試みがあえなく頓挫するなど、出版業界に黒い影が忍び寄っていた00年代初頭。その頃にはまだ、流星社やザ・マサダ社といった興味深い競馬本を出版していた骨のある企業があった。それらも今では倒産あるいは休眠に追い込まれ、今現在馬券本以外の競馬本を出している出版社と言えば東邦出版ぐらいだろうか。外野から眺めていても非常に厳しいことが分かるこの状況。そんな中、私は一つの提案をしたい。

「消えた競馬人」の後先についてのムック。それが無性に見たい。以前太田出版が漫画家について出していたようなものだ。丸山勝秀、安田康彦といった元騎手の他にも、競馬マスコミの有名人についても取材して欲しい。なんなら私を雇っていただければ取材してもいい。紙媒体最後の徒花として、これ以上の存在はないのではないか。

きっさん
きっさん
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なんJ(2chの「なんでも実況ジュピター」という掲示板)の固定ハンドルです。ライター志望の社会人。「金満」の流れを組む血統予想が持ちネタです。東北出身なので岩手競馬にちょっとだけ肩...

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