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函館2歳S、ジュライS、新潟日報賞追い切り診断

  • 2012年07月12日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中京11R・ジュライS(OP)
・ローマンレジェンド
 ダートに転戦してから2着以下がなく、3連勝中というメンバーの中でも勢いは随一。戦歴から不安点を探すとすれば、初めての左回りだと思われるが、そんな小さなことがまったく気にならないくらいの最終追い切りのパフォーマンスだった。中4週と間隔は空いているが、調教本数は標準。これまでの連勝時も決して本数が多かったわけではないため、その点は心配無用。そして最終追い切りはCWでトーホウストロングを追走する併せ馬。6F地点では1秒以上後方だったので、追いつくか心配だったが、4コーナーに入るとスムーズに加速して、内から並びかける勢い。直線仕掛けられると、しっかり伸びて、相手が一杯になるところを余力残しで先着。最後は2馬身ほど前に出て、6F82.0-5F65.8-4F51.3-3F37.5-1F12.0秒をマーク。この動きなら連勝の勢いは止まりそうにない。

・インバルコ
 今回は中9週の休養明けだが、昨年同時期に祇園S(11走前)を使った時が中10週。そこで2着のレースができているだけに、当時の調教内容と今回の内容を比較してみたい。昨年は中間、最終追い切りともに坂路だけの仕上げ。そして最終追い切りは坂路で単走の4F53.0-1F12.6秒だった。対して今回は坂路とCWを併用。最終追い切りには併せ馬を行い、先行していたヴィットリオドーロに追いつくことができなかった。体重の軽い酒井学騎手が跨っていても、終い伸び切れなかったシーンは休養明けで少し体が重い影響だと判断した方がよいだろう。

◆日曜新潟11R・新潟日報賞(1600万下)
・エーシンミズーリ
 3走前の休養明けを叩いた、2走前の降級戦は無難に勝利。その勢いで1000万下も連勝し、完全に波に乗っている。これまで勝ち切れなかった頃は坂路とCWを併用し、最終追い切りにCWを使うことが多かったが、ここ2走は坂路オンリー。これが好結果に繋がっているように思う。今回も中1週と間隔が詰まっているので坂路での最終追い切りのみ。単走だったが、ラスト1Fが最速になるラップを踏めており、近2走と全く変わりない状態。これなら足踏みすることなく、オープン入りを果たせそうだ。

◆土曜中京11R・桶狭間S(1600万下)
・エアウルフ
 坂路で最終追い切りを行ったのは前走と同じだが、中間の調教も含めて坂路オンリーでの仕上げというのはデビュー以来、今回が初めて。まずその点が気になる。実際、坂路で最終追い切りされた前走も人気より着順を上げていない。また12走前1着、9走前1着はともにトラック馬場で追い切られており、決して坂路追い切りがこの馬に適しているというわけではない。最終追い切りの動き自体は前走時と比較して随分と良化している印象があるものの、それだけで高い評価をするのはいかがなものだろう。

◆土曜新潟11R・柳都S(1600万下)
・グラッツィア
 新潟ダート1800mは2戦2勝。前走函館での接戦をモノにした勝利から輸送のリスクを負ってでもこの舞台を選択した理由は納得できる。栗東へ戻ってからも順調に調教を消化しており、輸送に関する不安はなさそう。ただCWの最終追い切りで大きく先行していたにも関わらず、最後はトライアンフマーチに先着された内容が気になるところ。前走時函館Wではあるが、追走して持ったままで同入するという動きの良さを見せていただけに、冷静に判断したいところ。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜函館11R・函館2歳S(GIII)
・ローガンサファイア
 素晴らしい勝ちっぷりを見せたデビュー戦。まだいくらか馬体に余裕がありながら(中1週で臨む2歳Sを意識して目一杯に仕上げなかった)、着差以上に強い内容。好位でピタリと折り合い、追うと弾けるように伸びたのだから、抜群のレースセンスといえる。水曜の追い切りでも、切れ味満点の走りを見せて万全に近い状態。岩田騎手が手綱をとるアットウィル以下、強敵が揃っているが、素質ナンバーワンは間違いなくこの馬とみる。

◆日曜新潟11R・新潟日報賞(1600万下)
・ドリームピーチ
 6月10日のジューンS以来で中4週レース間隔があいたが、強い追い切りは5日と、直前の11日だけと2本きり。だが、元来ビシビシ追うタイプではなく、ジックリ乗って息を整えながら仕上げてくるだけに心配なし。11日の追い切りは南Dコースに入って単走追い、テンにゆったりとしたペースからラスト1F軽く仕掛ける内容で5F69.6-3F39.3-1F12.4秒のタイムでゴール前反応良く駆け抜けた。少しレース間隔をあけただけに、馬体面はフックラとした仕上がり状態で、使い込んだ春先の疲れもすっかり取れている。春の成績から1600戦、直線の長いコースも何ら不安なし。昨秋に実績を残したコースに戻って瞬発力を生かす。

・エチゴイチエ
 稽古駆けタイプとはいえスピード感があって上々の動き。それほど、かかる面も出さず、好調子をキープしている。まだ気性面のモロさが残るだけに、強力な先行馬が不在の今回は、再び先手を取って折り合いをつけられそう。まともに走れば、オープンでも通用する器だし、その名の通り、新潟コースは向いていそう。この夏は大きな進境が見られそうな馬だ。

◆日曜新潟9R・萬代橋特別(500万下)
・エーブフウジン
 前走は、めずらしく2番手から4角先頭と積極的なレース運びをしたが、直線伸びを欠いて馬群に沈んだ。ノドが鳴っていたということで体調が本物ではなかった。今回は中1週のレースになるが、終いビシッと追って4F12.4-上がり37.7秒と攻め強化。前走時が4F53.6秒と控え目だっただけに、今度は十分に鍛えての出走。3走前に完勝した新潟コースで巻き返し。

・マイネルヴェリタス
 1番人気に応えられなかった前走だが、3コーナーで前の馬がさばけず、結局残り400m近くまで動けず、そこから大外に持ち出しての3着。1000m通過61.4秒で逃げ馬が楽勝している流れからも、良くきていると言っていい内容だった。力上位は間違いなし、後は状態だけだが、今週はウッドチップで71.3-40.5秒。終い重点に軽く仕掛けると、ラスト1ハロンを12.6秒。使い詰めでも疲れや反動はまったくなく、反応・伸び脚ともに鋭さ満点の動きを見せてきた。ここにきての成長が目立つ3歳馬、前走のうっぷんをキッチリ晴らす。

◆土曜新潟11R・柳都S(1600万下)
・サイモントルナーレ
 この中間は木・日・水曜日と時計を出し、直前はダートコースで67.0-38.6秒。軽く流してきた感じで、楽々とこの時計をマーク。450キロ前後と牡馬にしては小柄な馬だが、パンパンに張った体は数字以上に大きく見せ、絶好調をアピールしている。ここ2戦ハイペースの競馬が続いているが、前々走は先行して3着、前走は追い込んで4着と、違う競馬でも大崩れしなかったように、地力の高さを見せつけている。6歳馬だが、ここにきての充実ぶりは本物。狙い撃つ。

◆土曜新潟10R・五頭連峰特別(1000万下)
・トウカイソニック
 5日の1週前調教では格下を4.8秒と大きく追走したため、ラスト1Fは脚いろ劣ってやっとの併入となったが、このひと息で一気に息持ちがよくなり、11日の最終追い切りはラスト1Fを好反応。5F69.1-3F39.7秒の時計は平凡でも、相手に併せた内容だけに納得。前走後、中6週レース間隔があいたが、この2本の追い切りで馬体はスッキリ。動きもシャープさが十分に出ており万全のデキは確か。全3勝がいずれも新潟コースで、距離も外回り戦なら1600〜1800は守備範囲。3歳馬に勢いがあるものの、55キロは恵量。決定力比べの展開だけに一気にその差し脚に期待。

・オリエンタルジェイ
 黒光りして見栄えのする好馬体も多少余裕残し。そのぶん、終いビッシリ追われたが、このひと追いで、キッリチ絞れてきそうだ。休み明けの前々走が、いつでも、このクラスは勝てるという内容だったし、直線で不利があった前走は、度外視できるもの。カリバーンやタッチミーノットと差のない競馬をしている馬で、ここでは明らかに能力上位。先行できる脚もあり、開幕週の前残りにも対応できる。

◆土曜新潟9R・閃光特別(500万下)
・ユキノアイオロス
 降級戦の前走は後方から差は詰めたものの、物足りない内容だったが、強い調教は直前の4F12.7秒の1本だけで中身に問題があったように感じる。しかし今回は入念に乗り込まれ、1週前の調教では終い一杯に追われて4F52.4-上がり37.6秒を計示。さすがに直前は輸送を考慮して4F53.6-上がり39.7秒とセーブしたが、調教過程は前走と大きく違う。現級勝ちのある直線競馬。万全の態勢で臨む。

◆日曜函館10R・渡島特別(1000万下)
・オーシャンフリート
 前走の津月海峡特別。クビ差だけ差されて2着に終わったが(3着にはなんと9馬身差)、それでもダート1700m1分44秒1は文句なしの好タイム。しかも自身でレースを引っ張って叩きだしたものだけに、その価値は相当に高い。ずっと1400mにこだわって使ってきた馬だが、小回り函館なら距離はまったく問題なし。やはり準オープンからの降級ということなら、力がまったく違うと考えるべきだろう。たっぷりと間隔をあけて乗り込み、ここは勝ちにこだわった一戦。この馬を外した馬券は考えにくい。

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