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ダート血統が走るアイビスSD

  • 2012年07月20日(金) 12時00分
 血統を馬券に活用する場合、馬柱を見ただけでは「走るのかなぁ?」と不安になるぐらいの馬だけれども「血統は最高の馬」を選ぶ方が、結果的に期待値は上がるようです。

 たとえば、昨年のアイビスサマーダッシュ。すでに常識となりつつありますが、新潟直千は、ダートの方が勝ち馬を多く出している種牡馬の産駒が走りやすいコースです。

 昨年は5人気で2着のエーブダッチマンを本命にしました。父はダートの名血アフリート。そして、母母はノースフライト。父はダート血統。母方には芝の良血馬が潜んでいる配合馬が最も走りやすいのも当レースの傾向です。

 とはいえ、同馬は馬柱、前走のレース振りを見ても選べるでしょう(あまりにも当レースに合わない血統であれば評価は落としますが)

 3連系の馬券の期待値を大きく跳ね上げたのは、11人気で3着のアポロフェニックスを相手本線に選べたことにつきます。この馬を相手に選んだのは父がアフリートだからです。後から前走を見れば「前走の末脚が良かった」など、適当な理由も思いつきますが、思い切ってお金を張るには、血統的な裏づけがなければ難しい馬です(と、ボクが思うだけで、血統なんか信じられない人はとても張れないでしょうけれども。できれば、昔のように血統を重視しない人がもっと馬券を買ってくれる方が嬉しいのですが)

 そして今年。7月14日の閃光特別は、ホームページで公開した勝負レースにて、単勝14倍で勝利したフリートアローを本命にして3連単83070円を大本線で的中させました。

 同馬の前走は、ダート。10馬身以上離されブービー負け。馬柱を見ただけではとても勝負できる馬ではありません。が、同馬の父はその名の通りアフリート。昨年のアイビスサマーダッシュで2、3着した種牡馬の産駒です。

 …いや、正直に告白しましょう。終わってみれば、まるで血統さえわかれば自信を持って買えたかのように書いてますが、芝で勝ち鞍もなく、前走ブービー負けした馬に「全財産賭けれるか」と言われればそれは無理です。

 しかし、翌日15日も直千の新潟7レースで本命にして勝利したコマノガレオスも前走はダートで6馬身離されて敗れていたように「ダートで惨敗した馬が巻き返しやすい」という新潟直千の傾向を知っていれば、勝負レースには選べます。

 7月15日の函館記念も「血統って凄い」と感心したレースでした。このレースは競馬総合チャンネルで注目馬に上げた3頭が1〜3着を独占。3連単は152360円。もちろんホームページで公開している予想も大本線で的中することができました。

 このレースは勝ったトランスワープを本命にしました。推奨理由に書いたように、父のファルブラヴは洋芝でパフォーマンスを上げる血統だからです。もっとも、この馬も血統を見ずとも近走のレースとハンデを見ればこのコースで走ることは予想できます。

 血統の威力を感じたのは2着のイケトップガンです。同馬の父はマヤノトップガン。昨年の同レースで産駒が1、2着した種牡馬。血統的には、当然狙わなければいけないので買いましたが「本当に走るんだ」と改めて感心したものです。

 7月14日の函館5レースもホームページで公開した勝負レースで3連単153490円を的中させましたが、このレースも血統を知っていたからこそ大きく張れたレースです。(あまり今回書きすぎるとネタがなくなるので、詳細は、札幌でも行われる洋芝芝1200mの話の時にでも回しますが)

 こうして書くと、まるで、すべて血統で当たるかのように錯覚されるかもしれませんが、先週も公開した8レースのうち4レースはハズしています。そもそも、馬券を買い続けるためには、血統以前に過去のレース振りを見ることも重要であることは否定できません。

 だから、出走馬のレースリプレイは、当然確認します。前日、前週のレースも馬場の傾向を読むために全場じっくり観察します。そうして真剣に見れば見るほど「過去のレース振りではわからない」ことを教えてくれる「血統」の威力に改めて感動をおぼえるのです。

「血統」を極めるためにレースリプレイを真剣に見るのか。レースリプレイだけでは見えない世界を垣間見るために「血統」を見るのか。自分でも、よくわからなくなってきてしまいましたが「血統」はレースリプレイの観察作業にコクを与える魔法の調味料であることは、どうやら間違いではないようです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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