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クイーンS、NST賞、関越S追い切り診断

  • 2012年07月26日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜札幌11R・クイーンS(GIII)
・オールザットジャズ
 前走ヴィクトリアMは初めての東京競馬場ということもあってか、パドックで落ち着きのない仕草を見せて、いつも通りの力が発揮できなかった感じ。もちろんマイルの流れへの対応にも苦労したはずなので、今回の1800mは当然歓迎すべき材料だろう。牧場から函館競馬場へ直接入厩しており、その調教本数は決して多くない。それでも最終追い切りで機敏な動きを見せれば、十分な仕上がりだろうと思っていたが、想定したほど動けなかったというのが正直な印象。最後まで併せたエアハリファの手応えが優勢での同入。福島牝馬Sでの最終追い切りでは抜群の動きを見せていただけに、その点を比較すると今回の最終追い切りは決して評価できない。

・エリンコート
 1週前の追い切りを栗東で済ませているが、そのDPでの動きは尻尾を上げる仕草を見せ、相変わらず気難しそうな印象。調教される環境が変わって、どのような変化が見られるか、楽しみにしていた最終追い切りだった。函館ダートでの最終追い切りは3頭併せの最内。持ったまま最先着するかと思ったが、さほど伸びを見せたわけではなく、大外のエアジェルブロワには遅れてしまった。尻尾を上げる仕草は若干改善されているように見えたが、それでもオークスを勝った時のような感じではない。現状から、大きな変わり身を期待するのは酷ではないだろうか。

◆日曜新潟11R・NST賞(OP)
・スマートシルエット
 2番人気に支持されたマーメイドSが14着の惨敗だったが、調教から敗因は明確だった。というのも、過去5勝のうち、4勝は最終追い切りが坂路だったが、そのすべてがラスト1Fが最速になるラップを踏めていた。しかし前走は3F目が最速になるラップだった。それだけに今回の最終追い切りもラップの踏み方に注目していたが、スタートからゆったりと入り、先行したエーシンパナギアをじっくりと追走。ラスト2F地点ではその差はほぼなくなり、追う相手に対して馬なりの手応えで先着。坂路4F55.2-1F12.1秒でもちろん終い最速ラップを踏めた。中間の調教本数も全く問題なく、これで負けても状態面に問題があるというわけではないだろう。

◆日曜小倉11R・KBC杯(準OP)
・グッドマイスター
 前走で古馬との初対決を難なく制覇。2走前に負けた相手は、すでにダートG1を勝っており、本馬の能力の高さは明らか。それだけに、1600万下は通過点という表現をしてもおかしくない。ただこの中間、追い切りの動きは少々地味。もともと攻め駆けしないタイプではあるものの、グリーンウッドから帰厩しての坂路調教で速い時計がほとんどない。最終追い切りにいたっては4F56.8-1F12.8秒と極端に遅い。余力残しで条件戦を勝ってほしいという陣営の重いもあるのかも知れないが、調教内容だと考慮すれば、とても能力を発揮できる状態だとは言えない。

◆土曜新潟11R・関越S(OP)
・トウショウフリーク
 中1週にも関わらず、最終追い切りを坂路4F52.8秒と前走時の時計よりも1.3秒も詰めてきた。しかも追ってのものではなく、手応えは馬なり。額面だけの数字なら、前走より上積みがあると考えるのが普通だろう。しかし細かい点に注目すれば、単純にそうとは言えない。1600万下以降のダート戦で1着もしくは2着している時の坂路での最終追い切りは必ず、ラスト1F13秒を切っていた。JCDや平安Sでは13秒以上要していたのだ。過去の凡走時との共通点がある今回は、楽に逃げ切ることができると考えるのは早計だろう。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟9R・豊栄特別(1000万下)
・ホーカーテンペスト
 気性の激しいタイプで、終い重点の稽古を中心に追われていたため、体が絞りきれず、前走は立派すぎる体つきだった。それでもハイレベルなメンバー相手に4着なら、久々としては好発進。ゆっくり動ける新潟コースなら、自慢の末脚がフルに活かせる。問題の状態だが、今週はウッドチップの外ラチ沿いを回って、53.9-39.7秒。今回も終い重点に内容だが、最後まで落ち着いた走りで、鋭い脚さばきを披露。体も引き締まり、ひと叩きの効果を十分に見せている。イン狙いで、まともに追えなかったニュージーランドTがコンマ7秒差の6着、1000万クラスが壁になる馬ではなく、今回はキッチリと決める。

・マルターズグロウヴ
 文句なしの追い切りだった。6ハロンからハイペースで飛ばしながら、ラストもバテることなく80.9-66.2-51.5-38.1秒をマーク(強めに)。いかにも上がり馬らしい勢いがあって、心身ともに充実期を迎えている。勝ち味に遅く、500万脱出に手間取った馬だが、こういうタイプは昇級しても相手なりに動けるはず。しかも再度得意の新潟コースとなれば、軽く扱える理由はない。あとは乗り手の「さばき」ひとつ。下手に外を回さずに、馬群を割れるようなら、ここでも十分に通用可能と思える。

・キッズニゴウハン
 多少余裕残しの馬体に見えるが、ほとんどが成長分だし、今週の追い切りと輸送で絞れてきそうだ。動き自体は2週連続スピード感満点で、ひときわ目立ってる。休みがちで出世が遅れているが、まだまだ上を狙える雰囲気を持っている馬。過去3勝中、2勝が新潟の1600ということで、コース適性も抜群。久々の今回が、絶好の狙い目になる。

◆土曜新潟11R・関越S(OP)
・コンノート
 目下2連勝中の上がり馬。OP実戦は3歳時に芝で2度惨敗をしているが、ダートでの戦いは初めてだけに、まだ未知数の魅力は十分にある。前走後は中1週という厳しいローテーションとなるため25日の追い切りは多少控えた内容となったが、それでもラスト1Fだけキチッと追ってくると前走以上の切れ味で4F54.0-3F39.8-1F12.9秒のタイムをマーク。1Fに限れば前回時が13.2秒もかかったことを考えると、体調面での上積みは十分に期待できる。ハンデは恵量の55キロ、前2走で見せつけたように、平坦の小回り戦は大歓迎。展開も再々度恵まれそうなだけに、ここは一気にOPの壁を突破する可能性大。

・ホッカイカンティ
 函館戦が一走だけで切り上げて美浦に帰厩。20日には早々と時計を出し、22日も4Fから入念な乗り込み。そして、最終追い切りの25日はポリトラックに入り、古馬500万レグルスハートを5Fで1秒追走から、直線は持った切りの手応えで楽々と3馬身先着。馬場の大外を回って5F66.3-3F36.8秒の時計はやっと体調が上向いてきた証。休養明け後の昨冬から5戦凡走が続いたが、昨年時のデキさえ取り戻してくれば力的に十分に通用の器。ダート戦は初めての経験となるが、血統面では心配がなく、距離1800もベスト。夏場に強い実績があるだけにラスト2Fの瞬発力を活かせば久々の勝利も見えてくるはず。

◆土曜新潟10R・佐渡特別(1000万下)
・ハイクラウン
 500万下を勝ち上がって連闘で臨んだ前々走のプリンシパルS。一気に相手が強くなったこともあり力を試すためジックリ後方待機策。うまく我慢ができ、見せ場は作っての7着。前走のラジオNIKKEI賞は、器用さのないこの馬には不得手の小回りで、外に振られ力を出し切れず参考外。今回の追い切りは、同格モンテフジサンを5Fから追走して、66.5-上がり38.3秒を抜群の手応えで計示。前走時ゴールでモタついた稽古とは気迫がガラリ一変。1000万クラスなら能力上位。

・バウンシングライト
 前走が久々の一戦。道悪で好走ということで、反動が気になったが、今週はキチンと追われて力強い動き。気合い乗りの良く、叩いた効果で、むしろ状態面は良化を見せている。休み前の内容から、このクラスは勝ち上がれるレベルにあるし、速い時計の決着にも対応できる馬。今回のメンバー構成なら、スンナリ上位でレースを運べそうで、好勝負を期待できる。

◆土曜新潟9R・尖閣湾特別(500万下)
・セミニョン
 前4走が2、5、5、4着と善戦はしているものの追ってからのパワー不足で決め手を欠いたレース。今回はパワー不足の解消を図って力の要るウッドコースで追われ、5F68.6-上がり38.7秒を引っ張り切れない手応えでマーク。牝馬が中2週の競馬でこれだけハードに攻め強化できるのはデキのいい証拠。ようやく脚をタメる競馬が板につき、長い外回りの直線で好レースを期待。

・インプレザリオ
 前走後、少し間隔をいあけてリフレッシュ。7月に帰厩してからは、入念な乗り込みを消化している。今週はポリトラックで67.2-37.3秒、同格馬を4馬身追走したが、明いてが目一杯に追っているのを横目に、手綱を押さえたまま楽々と併入。状態がいまいちの時は重苦しい動きが残る馬で、仕上がりに不安のない動きを見せてきた。5か月、6か月の2度の休養で出世が遅れているが、500万クラスにいる素質馬ではない。末脚活かせる新潟なら、負けられない一戦になる。

◆土曜新潟12R・3歳上500万下
・ダイヤモンドアスク
 ここは久々の実戦となるが、北馬場と坂路併用で7月4日から時計を出し始めて、まったく重め感のない仕上げ。少し歩様の硬いところのある馬なのだが、休養効果でそうした面もすっかり解消。態勢は十分に整っている。過去には1000万1、2着の実績に加えて、格上挑戦となった準オープンでもコンマ6秒差まで迫った実力の持ち主。500万からの再出発なら、いきなり好勝負可能だろう。終い一手の脚質だけに、前半のペースが上がる新潟の1400mは悪くない条件。突き抜けて不思議ない。

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