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関屋記念、阿蘇S、フェニックス賞追い切り診断

  • 2012年08月09日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・関屋記念(GIII)
・ドナウブルー
 中9週というローテーションは京都牝馬Sを勝った時と同じだが、今回の調教本数は当時とほぼ同じ。しかし1週前追い切りで4F51.7秒と速い時計をマークしており、当時よりも調教内容は負荷を掛けられている印象がある。

 最終追い切りは単走。坂路4F54.0〜1F12.4秒でほぼ馬なりの手応え。いつもなら追い出されて左手前に替えるところをそのまま駆け上がってきたということは、よほど余力が残っていたのだろう。Vマイル2着時と比較すると遅い時計ではあるが、ラスト1Fが12.5秒を切っている点は評価しなければいけない。レース前日に輸送する一泊競馬ではあるが、中山牝馬S時のようなことはないだろう。

・エアラフォン
 休養明け米子Sは押し出される形で逃げて4着、前走中京記念は出遅れて6着。なかなかリズムよくレースができていない印象はあるが、状態に関しては決して悪くない。

 この中間も坂路でじっくりと調教本数を積んでの最終追い切り。併せた相手ゴールスキーとの激しい競り合いで同入という内容だったが、正直、ゴール前では相手の手応えの方が優勢だった感もある。ただ坂路2F24.3〜1F12.2秒という400mの時計は十分に評価できるだけに、近走着順だけで評価を下げるわけにはいかない。

・レインボーペガサス
 2011年関屋記念の優勝馬が連覇を目指しての出走。前走マイルCS後は休養して、間隔が空いているものの、昨年も久しぶりのレースだっただけに、最終追い切りの動きさえ、しっかりしていれば問題ないと考えていた。

 ちなみに昨年1着時の最終追い切りは坂路4F50.9〜1F13.1秒。実はこの時計、きさらぎ賞1着時とほぼ同じ数字。4F51秒を切るようなスピード調教はこの馬にとって重賞好走の判断基準になるというわけ。しかし今回は坂路4F52.7秒は昨年と比較してかなり遅い時計。脚色に余裕もなく、決して昨年時と同じ仕上がりだと判断しない方がよい。

・スピリタス
 前走NST賞は中間にノーザンFしがらきでリフレッシュした効果も大きかったのか、先行して粘るという、これまでにはない競馬スタイルで好走。最終追い切り時の動きも目立っていただけに、納得の結果だったと言える。

 今回は中1週で再度新潟への輸送。よって最終追い切りは前走時と比較して、4F時計が2秒遅くなった4F53.9秒。ラスト2Fの時計は前回とほぼ同じとはいえ、この全体時計が遅くなった点だけが気になる。しかし、1番人気で負けた2010年関屋記念時とは違う時計の出し方なので、当時の雪辱を果たす可能性も秘めている。

◆日曜小倉11R・阿蘇S(OP)
・グレープブランデー
 JDダービー1着後に骨折が判明、約10か月を経て、ブリリアントSで復帰するも15着。期待された叩き2走目のジュライSでも本来の走りを見せることができず、6着と惨敗の内容になっている。

 叩き3走目、次こそはと期待するファンも多いだろうが、正直そこまで良化したという印象はない。最終追い切りは坂路4F55.3〜1F11.9秒。終いの伸びは前走時同様、しっかりしているが、全体の時計が速くなってこないあたり、まだ気持ちが本物でないのではないだろうか。このメンバーなら図抜けた実績の持ち主だが、まだ静観した方がいいかも知れない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・関屋記念(GIII)
・マイネイサベル
 ヴィクトリアマイル以来の競馬になるが、7月末から意欲的な調教を消化。直前はウッドチっプで86秒6-70秒4-40秒5、長めから外々を回ってきたが、最後まで軽い身のこなしで、余力十分にゴールイン。脚さぱきが鋭く、気合のりも満点。久々感は全くなく、不安のない状態を整えている。GIの前走は直線包まれ、残り100までまともに追えない不禾。それでコンマ5秒差の6着と、地力は相当高い馬。新潟コースは新馬・新潟2歳Sを連勝して、昨年は新潟で行われた福島記念を3着のベストコース。条件・状態ともに整い、勝ち負けの競馬になる。

・スマイルジャック
 6月の宝塚記念後はここ目標に入念な乗り込み。7月中旬から調教時計が出て、計6本速い追い切りを消化。それだけに動きに素軽さが戻り、気合い表に出す本来の走る姿勢も見えてきている。8日の最終追い切りは3頭併せで、道中追走の形から、直線は内に入り、ラスト1Fを持ったきりの手ごたえで軽く先着。6F81秒9〜3F39秒1〜1F13秒0の時計は多少物足りなさが残ったが、それでも追えば時計が詰められる脚どりだけに、この内容で十分。新潟はデビュー勝ち、3年前のこの一戦を制しているゲンの良いコース。長らく低迷が続いているが、距離もベストだけに、前半折り合いをつけて、残り400mからの瞬発力を生かす流れを味方に復活劇期待。

◆日曜新潟10R・瀬波温泉特別(1000万下)
・アントウェルペン
 前走は降級戦の猪苗代特別だったが、明らかに急仕上げで+16キロと太め残り。先手は取れたものの直線失速。14着大敗も参考外のレース。この中間は入念にジックリと乗り込まれ、直線の追い切りは終いの反応を確かめるようにゴール前でビシッと追われ、4F54秒3〜上がり39秒9。今度は上体も起きず重心の低いフォームで久々を叩かれた効果をアピールした。57キロのトップハンデでも押し切り有望。

◆日曜新潟9R・出雲崎特別(500万下)
・ランパスインベガス
 2か月ほど間隔があいたが、中間は入念な乗り込み。格上のラスヴェンチュラスをアオるなど、動きの良さが目立っている。多少余裕のあった馬体も、今週のひと追いで絞れそう。力は出せる状態と思える。前走はゴール前で致命的な不利があっての3着。まともなら勝ち負けしていたはずで、能力は十分適用。平坦で直線が長い新潟の外回りは、ベストと思える条件。間違いなく好勝負できる。

・インプレザリオ
 前走の尖閣湾特別。テンションが少し高かったが、後方で折り合いをつける。直線で早目に動いてまとめて差し切ったが、強引と思えるレースで最後で外から伸びた勝ち馬に競り負けた。しかし500万では明らかに力上位を示した内容。今回は中1週のため6Fからゆったり行き出し86秒6〜上がり40秒8。チーク効果もあってか落ち着き払い、絶好の気配を醸し出した。仕掛けどころさえ間違えなければ負けることは考えられない。

◆土曜新潟10R・信濃川特別(1000万下)
・ラヴェルソナタ
 函館戦の後も、中一週で調教を再開。坂路とウッドチップで4本の時計をマーク、今週はウッドチップで、ダンスファンタジアと併せて54秒5-39秒6。500キロを楽に越える大型馬だが、体を持て余すことはなく、力強い走りを披露。気配落ちは全くなく、好気配をアピールしている。前走は1〜4番手が1〜4着、残り800から急激なペースアップに乗り遅れたのが敗因。東京と新潟コースで全3勝を挙げているように、じっくり動ける新潟外回りコースでこその馬。状態面に不安はなく、巻き返してくる。

・ブレーブビスティー
 伊藤大厩舎の調教は特徴的で、北Cコースで軽めのキャンターをおよそ7ハロン前後、じっくりと乗ってから坂路へ。馬の肺を大きくし、そして持久力を養う目的で、ほぼ全馬に同じようなメニューを課している。この馬は休み明けになるが、6月27日に初めて時計を出して、そうした乗り込みを消化。久々を感じない馬体に仕上がっている。テンに行けない脚質で流れに左右されがちだが、ツボにはまった時の切れ味はひとクラス上のもの(一千万は2、3着の実績)。大きく狙うなら、久々の今回だろう。

◆土曜新潟9R・瓢湖特別(500万下)
・セイクリッドロード
 2週続けてセイクリッドナイトとの兄弟併せになったが、ビッシリ追われて力強い伸び脚。馬体の張り、気合のりも良好で、本調子をキープしている。前走はマイペースの逃げ馬を捕らえ切れなかったが、格上げ初戦で0.1秒差なら上々の内容と思える。新潟で大活躍しているセイクリッドバレーが兄ということで、新潟コースの適性も高そうだし、上のクラスでも通用する能力の持ち主。

・ローリングストーン
 格上がり初戦の前走はひと息入った後で余裕残しの体。ましてや先行有利の厳しい流れの中で、後方から末脚を伸ばして4着の結果はこのクラスでも十分に通用の証。その後は距離が合う一戦を目標に入念な乗り込み。中3週のレース間隔ながら、中間は計4本の追い切りを消化し、1週前の1日は素軽さ十分の内容。そして8日の最終追いきりでは格上との併せ馬で、1F軽く仕掛けると反応良く2馬身程先着。5F71秒5〜3F40秒6〜1F12秒9と時計は今イチでも、G前のシャープな走りから太めが絞れていることは確かだ。ここも再び流れがスローとなりそうだが、コースロスなく巧く立ち回れれば決定力でゴボウ抜きは可能

◆土曜新潟12R・3歳上500万下
・ゲンパチメジャー
 ここは中1週のローテーションになるが、好内容2着(ダート1200、1分10秒9=3着以下には5馬身差)の前走は4か月の放牧明け。もちろん上積みはたっぷりとあるはずで、稽古の動きも申し分ないものだった。同格のミススパイダーを終始1〜2馬身追いかけて、外に併せて同入。終い重点だったため、全体の時計は目立たないが、持ったままでラスト1ハロンは12秒3の鋭さ。抜群のスピード感があった。距離短縮で結果を出した馬で、再度同条件なら勝機濃厚。ここはスピード能力の違いを見せつける。

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