まずは関屋記念の行われる新潟の1600mについて触れたい。発馬地点は向こう正面の半ば。コーナーを2つ回って直線に入る形態だ。外回りコース。さらに最初のコーナーに入るまで約550mもある。これだけ長い直線から始まるため前半の流れが速くなることはほとんどない。4角までゆったりと進むレースが多いのがポイントだ。
一転して4角の坂下からペースが速くなる。直線がほぼ平たんといっていいためスピードの持続力が要求される。上がり3F33秒台の勝負になりやすいことで瞬発力に劣るようでは厳しい。切れ味はあっても一瞬の反応の良さが持ち味の馬には向いていない舞台といっていい。瞬発力に加えてしっかりと加速ができる。脚質的にはそういうタイプが合っている。
頭に入れておきたい点がひとつ。夏の新潟は連続開催。当レースは最初の開催の最終週か昨年のように2開催目の開幕週に施行されている。今年も昨年と同じ状況で行われる。つまり新潟競馬が始まって5週目ということだ。流れが落ち着きやすいこともあって条件級では先行勢が有利な外回りコース。ところがオープン、それも古馬の重賞となると差し・追い込み型にも好機が巡ってくる。
関屋記念に限れば馬場状態も影響していると考えることができる。過去10年で2桁の馬番の馬同士で1、2着が決まったことが半数の5回。ここ2年も16-9、9-12という組み合わせである。先行・好位組と差し・追い込み組という脚質で上位2席を占めている。追い込み同士の決着の場合は2桁の馬番同士により注目。内枠より外枠有利の舞台というのが当レースの特徴だ。
種牡馬ではキングカメハメハ、タニノギムレット、アグネスタキオン、ネオユニヴァースの産駒がこのコースでは良績を残している。
ネオサクセスを推す。瞬発力と持続力を兼備しており15番枠を引き当てたこともプラス材料。前走のマイラーズCは京都の開幕週に加えて前残りのペース。外枠で4角では外に膨らむような場面もあった。しっかりと追い込んでおり力負けではない。休養の効果でツメの状態も良好。能力を全開することが可能な下地がある。
レインボーペガサスはレース間隔をあけた方がいいタイプ。メンバー構成から最適なポジショニングで流れに乗れそうな点もいい。エアラフォンはここ2戦、リズムに乗りきれない走りだった。じっくりと脚をためることができる当コースで巻き返す。折り合いこそ欠いたが発馬に進境が見られた前走のスマイルジャック。実績のある舞台と距離で一変が望める。エーシンリターンズは24kg増の前走で伸びを欠いた。行きたがる面も見せていたようにメンタルな部分も影響したのだろう。中間は軽快な動きを披露。シェイプアップした今回は違う。ゴールスキーは馬場の悪化した内めを通りながら前走でしぶとく食い下がっている。安定度が高く堅実さに注目したい。