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母ビリーヴ、兄ファリダットの良血マル外ヴレロワ

  • 2012年08月15日(水) 12時00分
●ウォーシップマーチ(牡 栗東・笹田和秀 父アグネスタキオン、母ヘヴンリーソング)
 母ヘヴンリーソングはフランスで2戦未勝利だが、繁殖牝馬としては優秀で、Spirito del Vento(父Indian Lodge/ダニエルウィルデンシュタイン賞-仏G2[2回]など重賞4勝)、ズンダモチ(父Smadoun/準OP)、ステアトゥヘヴン(父ダンスインザダーク/1000万条件)などを送り出している。本馬はそれらの半弟。「アグネスタキオン×Machiavellian」はノットアローン(08年若葉S-OP)、ノーザンリバー(11年アーリントンC-GIII)、トーセンモナーク(OP)、ルミナスポイント(OP)など活躍馬多数。芝中距離で楽しめそうな好配合馬だ。

●ヴレロワ(牡 栗東・中竹和也 父A.P.Indy、母Believe)
 半兄ファリダットは、安田記念(GI)3着、阪神C(GII)2着など重賞上位の常連。ダート適性も高く、プロキオンS(GIII)3着という成績がある。母ビリーヴはいうまでもなく短距離界の女王で、スプリンターズS(GI)、高松宮記念(GI)など4つの重賞を制した。引退後はアメリカに渡って繁殖生活を送っている。この一族のスピードは、2代母グレートクリスティーヌが持つ強烈な父母相似配合が源泉となっており、ビリーヴにはどんな種牡馬を交配しても、距離をこなす子は生まれづらいだろう。父A.P.IndyはSeattle Slewの最良の後継種牡馬。米リーディングサイアーに輝いただけでなく、近年のアメリカはこの馬を起点とする系統の発展ぶりが目覚ましい。芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラーだろう。

●エメラルドリバー(牝 美浦・和田正一郎 父ホワイトマズル、母エメラルドアイル)
 母エメラルドアイルはハーツクライの全姉にあたる良血で、現役時代は準OPまで出世し、計30戦して23回馬券に絡むという抜群の安定感を誇った。繁殖牝馬としても堅実で、まだ大物は出ていないものの、これまでに送り出した4頭はすべて勝ち上がっている。本馬は「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」というニックス配合。アサクサキングス、シャドウゲイト、シルポート、シンゲンなどの大物が出ている組み合わせなので、これまでの殻を破るハイクラスな競走馬に育ってもおかしくない。芝向きの中距離タイプ。

●サンライズネガノ(牡 栗東・安田隆行 父クロフネ、母ネガノ)
 セントウルS(GII)など重賞3勝のダッシャーゴーゴー(父サクラバクシンオー)を筆頭に、出走した5頭の兄姉はすべて勝ち上がっている。クロフネ産駒は「Mr.Prospector×Buckpasser」の組み合わせで成る血(Miswaki、Seeking the Gold、Woodman)と相性がいい。ブラボーデイジー、ゴールデンハインド、ヤマカツハクリュウ、パールシャドウなど多くの活躍馬が出ており、連対率も1走あたりの獲得賞金額も優秀だ。本馬は母の父がMiswakiなのでこのパターン。Ribot系のKey to the Mintが入るので底力も十分。芝・ダート兼用で距離適性は幅広い。

●タガノエンブレム(牡 栗東・松田博資 父ウォーエンブレム、母キャッチザゴールド)
 母キャッチザゴールドは4勝馬。その全兄にステイゴールド(01年香港ヴァーズ-G1、01年ドバイシーマクラシック-G2など重賞4勝)、全妹にレクレドール(04年ローズS-GII、05年クイーンS-GIII)がいる。繁殖牝馬としてのポテンシャルに期待が持てる存在だ。これまでに送り出した3頭はもうひとつの成績だが、配合さえ合えば一発が期待できるだろう。「ウォーエンブレム×サンデーサイレンス」の組み合わせからはキングスエンブレム、エアパスカルなどの活躍馬が出ている。ハマることを期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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