06年を境に1200m戦に変更。ハンデ戦での激戦が続いている。まずはその北九州記念が施行されるコースの特徴から触れてみたい。
2角の奥に発馬地点があり回るコーナーは2つ。スタートして以降は下り坂が続く。そして直線は平たんだ。逃げ・先行タイプにとってはスピードに乗りやすいことに加えて速さを持続しやすい設定である。
競馬場に関係なくこの距離ではサクラバクシンオーの産駒が優秀だがクラスが上がっていくにつれて信頼度は低くなっていく。重賞ともなると厳しい流れが多く強力な差し馬が浮上。直線に坂のある舞台ではその傾向が顕著になるからだ。
当コースは傾向が異なる。前記したコース形態が追い風になるのだろう。上級クラスでも信頼度は高い。08年はサンダルフォンが勝ち、3着にカノヤザクラ。09年にはスカイノダンが2着に入り、サンダルフォンが3着に踏ん張った。重賞においても当コースのサクラバクシンオーの産駒は評価を落とす必要はないと考えていいと思う。種牡馬で着目すべき存在がもう1頭。キングカメハメハだ。万能型で母系の良さを引き出す。当コースでの実績も優秀で産駒には注意しておきたい。
過去6年に絞って傾向を探ってみる。まず牝馬の活躍が目を引く。4勝して2着が4回。3着も3回を数える。強調すべき点は連対をしていない年がないということだ。特にここ2年は牝馬同士の1、2着で決まっており昨年は3着まで独占した。牝馬の出走頭数は44頭。牡馬・セン馬は54頭。短距離戦ということもあって牝馬の参戦自体も多い。
意外なのが3歳馬の不振だ。ハンデに恵まれることもあって実績馬の出走も多い。それでも13頭が挑んで勝利はゼロ。09年のレディルージュは50kgで2番人気の支持を受けて2着。この馬を除いて馬券の対象となったケースはない。
軽量馬を狙うのなら古馬の牡馬がいい。連対馬4頭のうち06年のゴールデンキャストが58kgで2着。この馬以外では07年の勝ち馬キョウワロアリングが52kg。08年の2着馬マルカフェ二ックスが54kg、09年の勝ち馬サンダルフォンが54kgである。格上挑戦ならハンデは軽い。狙い目になってくる。
ボストンエンペラーを中心視する。昇級戦の前走で6着。先行勢を見据えて直線に向いたが勝ち馬に締められてスペースがなかった。ゴール板を通過するときに勢いがあり別定戦で57kgを背負っていたことを考慮すれば非観する内容ではない。夏に調子を上げるタイプ。当コースでも2戦1勝3着1回と上々の中身を重ねている。勝ったときの時計は1分7秒5。前半の3Fが32秒6、後半3Fが34秒9という激流を3番手で追走してを接戦を制している。1000万下としてはかなり厳しい流れだ。昨年の3歳時で53kgを背負ってのもの。4歳の現在は地力が増しておりハンデ戦で53kg。今回の条件はいい。当コースに実績を持つキングカメハメハの産駒。母のイサミサクラも短距離路線で活躍を重ねている。狙えるだけの材料はそろっている。
エーシンヒットマンは昇級して2戦目。伸びかけて坂で止まった前走を考慮しても今回の舞台設定は合う。ツルマルレオンは55kg。馬場状態の悪い前走で58kgを負担して2着。状態も上向いており怖い存在だ。サクラバクシンオー産駒のスギノエンデバー。右手前のままで綺麗に差し切った前走を振り返ってみても上昇の余地がある。56kgを背負うが地力のあるエーシンヴァーゴウ。過去6年で56キロのハンデを課された牝馬は1勝3着1回。牡馬とは対照的に重いハンデに強い。メリハリの利いた立ち回りが可能なジュエルオブナイル。当コースで9戦して7連対。相性の良さにも注目したい。