●エーシンエポナ(牝 栗東・沖芳夫 父Curlin、母Wild Gams)
母Wild Gamsは現役時代にシカダS(米G3)などダート6ハロンの米G3を3勝したスピード馬で、G1でも2着と健闘している。父CurlinはドバイワールドC(首G1)、ブリーダーズCクラシック(米G1)など7つのG1を制し、米年度代表馬に選ばれ、米歴代最多賞金獲得記録を樹立した名馬。父母ともに現役時代に実績を残し、配合的にも悪いところは見当たらないので、まともならかなりの活躍が見込める。外国のセリで買った馬を走らせるのが上手い栄進軍団なので信頼できそうだ。マイル前後のダートが適距離だが、1200mでも1800mでも問題なくこなす。
●ライズトゥフェイム(牡 美浦・加藤征弘 父ゼンノロブロイ、母バラファミー)
父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といったところがあり、スタミナと底力に秀でたヨーロッパ血統と相性がいい。Sadler's Wellsとも実績を残している。この組み合わせからはこれまでにコスモネモシン(09年フェアリーS-GIII)、ラブフール(12年クイーンS-GIII・2着)などの良駒が出ている。本馬の母の父はSadler's Wells系のBaratheaで、母方の奥もSharley Heights、Petingo、シーホークと重厚なヨーロッパ血統で構成されている。期待が持てる配合だ。芝向きの中距離タイプ。
●ヒシラストガイ(牡 美浦・久保田貴士 父Corinthian、母Hishi Amazon)
母Hishi Amazonは女傑ヒシアマゾン(94年エリザベス女王杯-GI、93年阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)のこと。アメリカで繁殖生活を送っているため、表記がアルファベットとなっている。過去にヒシアマゾン産駒はヒシアンデス(父ヒシマサル/4戦0勝)、ヒシシルバーメイド(父Silver Deputy/9戦1勝)、ヒシラスター(父Fusaichi Pegasus/中央2戦0勝)、ヒシラストレディ(父Posse/5戦0勝)がデビューしているものの、目立った成績は挙げていない。本馬の父はCorinthian。A.P.Indy系のスピードタイプで、現役時代にメトロポリタンH(米G1)を勝った。パワー型の手堅いスピードを伝えるタイプで、本馬はNumber≒Nureyev 4×3なのでダート向きに出る可能性もある。
●マイネルピルグリム(牡 美浦・菊川正達 父シンボリクリスエス、母ロモーラ)
半姉コスモマーベラス(父コスモマーベラス)はターコイズS(OP)を2連覇したほか愛知杯(GIII)で2着という成績を残している。本馬の父はシンボリクリスエスなのでパワー型に出る可能性が高い。2代母の父Hatchet Manは、第2回ジャパンC優勝馬ハーフアイストの父で、その血統構成はいかにも父シンボリクリスエスに合いそうな雰囲気を漂わせている。パワーが感じられるので中距離向きのダートホースとして活躍しそう。
●ロードクロサイト(牝 栗東・矢作芳人 父Unbridled's Song、母Folklore)
母FolkloreはブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1)、メイトロンS(米G1)など3つの重賞を制し、05年の米2歳牝馬チャンピオンに輝いた。3代母Jeanoが「Fappiano×In Reality」というニックス配合で、本馬の2代父Unbridledがそれとほとんど似た血統構成なので、配合的にはおもしろい仕上がりとなっている。Incantation 4×5という牝馬クロスもユニーク。父Unbridled's Songはラヴェリータ(11年エンプレス盃-GIIなど重賞7勝)、アグネスソニック(02年NHKマイルC-GI・2着)など日本の馬場にも合うので楽しめそうだ。ダート向きのマイラー。