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「桜満開」

  • 2003年03月31日(月) 11時26分
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03.04.01

 4月3日、浦和「桜花賞」。断然の?1とみられたパレガルニエが、結局調整遅れで回避となり、一転状況は混沌としてきた。同馬はデビューから4戦全勝、「鎌倉記念」「東京2歳優駿牝馬」を圧倒的な強さで制し、牝馬同士はもちろん、牡馬クラシック路線でも大きな期待がかかっていた。現在、千葉の放牧先からまだ帰厩せず、そちらで乗り込み中と聞く。故障箇所はなく、慎重を期しているとの情報だが、ともかくクラシックは生涯1度しかチャンスがない。多分に願望は加わるとしても、昨年の快進撃、レースぶりにはやはりロジータ級の凄みがあった。何とかいい形でカムバックを…と望みたい。

 浦和桜花賞出走予定馬(サラ3歳牝馬、定量、1600m)

◎マルダイメグ   (54・一ノ瀬)
○モエギノマズル  (54・酒井)
▲フジノタカネ   (54・的場文)
△マイキャンディー (54・山田信)
△パークリーマアコ (54・石崎俊)
注ムギワラボウシ  (54・今野)

 パレガルニエ不在となると、例年の浦和桜花賞レベル。中ではマルダイメグのパワーと勝負強さが群を抜く。900mのデビュー戦こそ落としたものの、以後文句なしの3連勝。前走「ローレル賞」も好位から横綱相撲で、着差こそクビながらゴールぎわまだまだ伸びる勢いがあった。フジキセキ×ホリスキーの血統背景。470キロ、バランスのいい好馬体、柔らかで弾力のある走法も目立つ。ここをあっさりクリアすれば統一G「関東オークス」がなおさら楽しみ。初コースは競馬センスと実戦向きの気性がカバーする。

 そのローレル賞2着、マルダイメグと勝負付けが済んだ感もあるモエギノマズルだが、道営からすでに[5-2-1-6]のキャリアを持ち、さすがにレースぶりが逞しい。一杯の手応えにみえてそこから伸びる根性が売り。元来浦和桜花賞は、小回り1600mながらむしろズブいくらいのタイプが意外な良積を収めている。フジノタカネは道営3勝、札幌2歳ステークス5着、兵庫JC3着の全国区。1月に大井・赤間厩舎へ転入、的場文騎手が連日自ら稽古をつけ、事実3月7日の調教試験も豪快に動いた。平和賞5着、優駿牝馬3着ムギワラボウシは寮馬パレガルニエに帯同して放牧休養。スピード、瞬発力は浦和向きだが、ぶっつけとなると半信半疑か。大井桃花賞を勝ったパークリーマアコは一本調子の先行型。データ的にいうとカモに近いパターンで、それなら同レース2着、マイキャンディーの末脚と上昇度に魅力がある。

       ☆       ☆       ☆

 3月26日、船橋「ダイオライト記念」。馬場状態も含めると順当すぎるくらい順当な結果に終わった。先週筆者は当欄で「力関係のはっきりした少頭数。この場合、馬単(枠単)、3連単の存在がありがたい」などと書いた。しかし、いざ3連単460円で決まってみると、本音は辛いものがないでもない。仮に上位3頭均等でボックスなら、当たって大きく足が出る。なるほど道中そんな感じでレースが進み、あと1ハロンではほぼ確定の様相だったが、それは文字通り結果論というしかない。ともあれ当欄予想としては、天気予報を無視したことが致命的な失敗だった。

 ダイオライト記念(サラ4歳以上、別定、統一G2、2400m不良)

○(1)カネツフルーヴ   (55・松永幹)2分29秒6
◎(2)リージェントブラフ (55・吉田豊) 1
▲(3)ネームヴァリュー  (54・佐藤隆) 2.1/2
△(4)ベルモントアクター (55・石崎隆) 7
△(5)ゴールドマイニング (55・今野)  3

 単180円 枠単270円 3連複270円 3連単460円

 カネツフルーヴは、川崎記念のような“意を決した”逃げではなく、きわめて“自然流”の先行だった。絶好の1番枠から終始すんなり。5F通過61秒5は高速馬場を考えると速くない。代わりに終い49.8-37.2秒と、終いもう一度加速した。向正面から3~4コーナー、鞍上はいったん息を入れさせ、追い出しを二呼吸ほども我慢した。直線あと1ハロン、早めに追い上げたリージェントブラフが、並ぼうかという地点で逆に1馬身、2馬身と突き放される。「今日はリラックスして走っていた。会心ですね」と松永幹騎手。フルーヴ=ブラフの対戦は、これでフルーヴ5勝2敗。能力はほぼ互角ともみえるが、決定打の違い、馬場状態のめぐり合わせ…どうやらブラフには相性が悪い。2分29秒6は16年ぶりのレコード。頻度の少ない長距離だけに額面通りとも受け取れないが、フルーヴは現実に統一G・3勝をあげ、母ロジータを改めてクローズアップした。この母子、およそ容姿とか雰囲気が似ていないことが面白い。パドックなど終始カリカリ、走る闘魂だった母に較べ息子はのっそりのっそり、一見何とも覇気がない。それでいて統一G・3勝は、やはり血のなせるワザだろうか。6月「帝王賞」連覇が目標。大賞典で完敗したゴールドアリュールに再び挑む。

 ネームヴァリューは道中2番手で流れに乗り、力通りの競馬をした。連戦の疲れなど微塵もみせない、張り詰めた馬体と気合。男馬2強と3馬身あまりの差なら十分合格点がつけられる。ベルモントアクターは、年明けに一頓挫(捻挫)あった影響か、パドック、返し馬とも好調時の元気がなかった。無欲の競馬で4着。ただ終始折り合いはスムーズで、長距離にも一応のメドが立った。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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