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キーンランドCを解く

  • 2012年08月24日(金) 20時00分
 先週の当欄では北九州記念を取り上げて種牡馬サクラバクシンオーについて触れた。クラスが上がるにつれて信頼度は低くなる傾向が強いのが同馬の産駒。しかし小倉の1200mコースでは上級戦でも割り引く必要はほとんどないという内容だ。実際に産駒の8番人気スギノエンデバーが鮮やかな追い込み勝ちを決めた。発馬して下り坂。直線は平たんというあの舞台がこの血統の最大の売りであるスピードを後半に生かすことにつながるのだろう。

 対象的なのがキーンランドCが施行される札幌の1200mコースだ。2角奥に発馬地点がありコーナーを2つ回ってゴール板へ。直線は平たんという設定である。出走回数は圧倒的に他の種牡馬を上回っているサクラバクシンオー。ところが勝率はかなり低い。2着や3着は多いのだから逃げ・先行馬は押し切れていないということ。差し・追い込み型も真っ先にゴール板を駆け抜けることが少ない。

 同じ小回りコース。洋芝が使用されていることも同様の函館の1200mコースと比較しても勝率は相当に落ちる。札幌競馬場はほぼ円状で高低差がない。函館競馬場は起伏が激しい。あまりにシンプルな形態がゆえに速力に秀でたサクラバクシンオーの産駒は気持ち良く走り過ぎてしまうのか。そして洋芝で力を要することで最後になってワンパンチ欠けるのかもしれない。あくまで個人的な解釈であり明確な理由は分からない。ただ札幌の1200mコースでの勝率が低いことだけは頭に入れておきたい。

 出走回数は少ないが勝率の高いディープインパクト産駒。ホワイトマズルの産駒は洋芝に合った頑健な面を持ち、クロフネ産駒は力と速さが絶妙に溶け合っている。この種牡馬3頭の頑張りが目を引くのが当コースの特徴でもある。

 今年で7回目を迎える。過去6年はすべて函館スプリントSの勝ち馬が参戦している。2勝、2着1回で3着は3回。馬券対象から外れたことがない。さらにここ2年は1着馬が順当に勝利を収めている。4勝を挙げており夏の短距離重賞らしく牝馬がこの舞台でも強い。出走数は29頭で牡馬・セン馬の66頭の半数以下。確率的にも牝馬優勢である。年齢では4歳が優位。14頭が参戦して4頭が3着以内。ここ2年は4歳がV。ちなみにいずれも牝馬だ。

 ダッシャーゴーゴー、ダイメイザクラ、レオンビスティーのサクラバクシンオー産駒は当コースでは頭からは狙いづらい。ディープインパクト産駒のシュプリームギフト。クロフネ産駒のスプリングサンダー、ホワイトマズル産駒のテイエムオオタカ。この3頭は単勝で狙える要素を持つ。シュプリームは4歳牝馬。5歳牝馬のスプリング、牡馬のテイエムよりデータからは分がいい。

 ドリームバレンチノは函館スプリントSの勝ち馬で臨戦過程は最もいい。V候補を絞るとシュプリームギフトとドリームバレンチノ。強調材料の多いシュプリームギフトがより有利だと考えている。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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