●キズナ(牡 栗東・佐々木晶三 父ディープインパクト、母キャットクイル)
桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)などを制した名牝ファレノプシスの半弟。この牝系からはGIを3勝したビワハヤヒデ、四冠馬ナリタブライアンなども出ている。父がブライアンズタイムからディープインパクトに替わり、現代的なクラシック血統に仕上がった。「ディープインパクト×Storm Cat」の組み合わせからは、ジョングルール、ミッキーオーラ、イントゥザストーム、サクセスシルエットなどが出ており悪くない。母の出産年齢が20歳だった点だけが気になるが、ポテンシャルの高い配合なので楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプだろう。
●サトノプレシャス(牡 栗東・安田隆行 父アグネスタキオン、母ハニーローズ)
母ハニーローズはアルゼンチン産馬で、現役時代にフェリクスデアルサガウンスエ大賞(亜G1・芝1000m)を勝ったスプリンターだった。2代母Honey HoneyはPrincely Gift 4×3という、まるで日本馬のようなクロスを持っている。母の父Lodeは本邦輸入種牡馬スマコバクリークの全弟で、アルゼンチンで種牡馬として大成功し、スプリンターから中距離馬まで幅広いタイプの活躍馬を送っている。母は繁殖牝馬としても優れ、初子のサトノジョリー(父Bernardini)は関東オークス(Jpn2)で2着しており、今後の牝馬ダート戦線における活躍が期待されている。アグネスタキオンに父が替わった本馬は芝でも走れるタイプだろう。Halo≒Sir Ivor 3×4は好ましい。芝・ダート兼用のマイラーで仕上がりは早い。
●ノボリディアーナ(牝 栗東・松永昌博 父フレンチデピュティ、母スターリーロマンス)
母スターリーロマンスはフジキセキ(94年朝日杯3歳S-GI)、アグネススペシャル(02年オールカマー-GII・2着)の全妹にあたる良血。繁殖牝馬としてもまずまずで、ダノンミル(父ジャングルポケット/若葉S-OP)、ファイブスター(父クロフネ/3勝)、クリスティロマンス(父シンボリクリスエス/3勝)を送り出している。「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」は、レジネッタ、サイレントプライド、アンブロワーズ、ライラプスなど多くの活躍馬が誕生しているニックス。芝向きのマイラーとして手堅く走るだろう。
●ブロンドヒロイン(牝 美浦・武市康男 父グラスワンダー、母ランニングヒロイン)
全兄スクリーンヒーローはジャパンC(GI)とアルゼンチン共和国杯(GII)を勝ち、天皇賞・秋(GI)でも2着に食い込んだ。アーネストリー、サクラメガワンダー、セイウンワンダーなどと並ぶグラスワンダー産駒のトップホース。母ランニングヒロインは未勝利馬だが、プライムステージ(94年フェアリーS-GIII)の全妹、ステージチャンプ(94年日経賞-GII、ステイヤーズS-GII)の半妹にあたる良血で、2代母ダイナアクトレスは2年連続でJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出された名牝。血統背景は文句なしなので兄同様の活躍を期待したい。
●リラコサージュ(牝 栗東・藤原英昭 父ブライアンズタイム、母サッカーマム)
全姉レディルージュは北九州記念(GIII)2着、京阪杯(GIII)2着などのほか、カペラS(GIII)で4着となるなど、芝・ダートを問わず重賞戦線で善戦を繰り返した。「ブライアンズタイム×Kingmambo」というパワー型の血統。全姉は芝向きのスピードを備えていたので芝でもそれなりの実績を残した。本馬にそうした特長が備わっていれば芝で、なければダート専用馬となりそうだ。