【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念(GIII)
・エクスペディション
前走小倉記念は得意の舞台、得意の季節ということもあって初重賞制覇。勝ち時計もレコードに迫るもので、中身の濃い優勝だったと言える。ただ今回は斤量が2キロ増。そして初めての左回りという条件が付いてくる。左回りに関しては、26日の左回りのCWで時計を出しているので特に心配はなさそう。斤量に関しても57キロ自体は問題なく、軽量馬との兼ね合いということになるだろう。肝心の体調に関しては、やっぱり夏場が良さそう。単走での追い切りだったが、坂路4F51.3〜1F13.2秒と前走時とほぼ同じような数字。調教内容から前走より状態が下降しているようには見えない。
・ナリタクリスタル
休養明け、58キロと厳しい条件が揃っていた前走小倉記念だが、前崩れの展開もあって、後方から出走メンバー最速の上がりを使って3着。新潟記念3連覇へ向けて、上々の前哨戦となった。2010年、2011年ともに最終追い切りをCWで行っているが、今年もCWでの単走追い。2010年には6F時計が速かったが、2011年は遅く、時計に関してはさほど気にする必要はなさそう。ちなみに今年は6F84.5秒なので、過去2年のちょうど中間といった感じ。時計よりも仕掛けられてからの反応の良さが目立っており、動きを見る限りは順当に良化していると判断したい。
・ステラロッサ
前走天の川Sは休養明けで+14キロという馬体重。これだけ見れば、太目が残って惜敗と思いがちだが、前走体重506キロは7走前1着時と同じ数字であり、一概に太かったとは言えないだろう。なによりメンバー最速の上がりを使っても差し切れなかっただけなので、展開面での敗因が大きかったように思う。今回は中1週ということで、極力手控えられた調教。坂路でミルドリームと併せたが、追われることなく馬なり。4F54.8〜2F25.1〜1F12.7秒で見た目の動きは決して悪くなかったが、メイS2着時に4F52.5〜2F24.2〜1F11.9秒という追い切りだったことを思えば、いくら間隔が詰まっているからといっても少々物足りない印象が残る。
◆日曜新潟11R・小倉2歳S(GIII)
・マイネルエテルネル
デビュー戦は単勝1.4倍の支持を受けての快勝。勝ち時計は特筆するほどのものではないが、逃げて押し切っての数字だけに、これからまだまだ伸びしろがあるのは間違いない。フェニックス賞参戦も予定されていたが、自重してここ1本に調整。8月中旬に時計を出していないこともあり、その影響で1週前追い切りの動きが重く見えたが、最終追い切りはさすがの動き。先行していたマイネルアルティマを追走して、最後は突き放す脚力を見せた。坂路4F51.9〜1F12.4秒で全体時計は自己ベストを更新するもの。個人的にはもっと距離が延びてこそ良さが出るタイプだと見ているが、ここもスピードで押し切る可能性は十分にありそう。
・マイネヴァイザー
勝ち上がるまでに4戦を要してしまったが、新馬戦で負けた相手は札幌2歳Sでも注目を集めるトーセンパワフル。そしてその2着時に3着だったのが、ラウンドワールドだから、この馬自身のポテンシャルの高さは証明済み。なにより前走時の勝ち時計が速く、単なる未勝利勝ちと侮ることはできない。もちろん中2週の強行軍というローテーションは心配なところ。そこは西園正都厩舎らしく、本数を少なくして、最終追い切りはしっかりやるという内容だった。坂路で単走、4F53.2〜1F12.5秒と時計も上々。同厩マイネルエテルネルの最大のライバルになるのが、この馬ではないだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念(GIII)
・トランスワープ
初挑戦で重賞制覇。その後は短期放牧を挟んで、8月の半ぱに帰厩。順調に乗り込み、万全の態勢を整えている。今週はウッドチップで65.0〜36.4秒、馬場の真ん中目を回ったとはいえ、馬なりのままでこの時計をマーク。体全体を使ったパワフルな走りは迫力満点、追えばいくらでも伸びて行きそうな勢いのある走りを見せていた。新潟コースは初めてになるが、東京コースでは逃げから上がり33.6秒でまとめたこともあるように、どこからでも競馬ができるタイプで心配なし。晩成型が本格化した今、連勝を狙う。
・タッチミーノット
21日の1週前追いが南Dコースで5F66.8〜3F38.7〜1F11.8秒を目一杯追ってマーク。29日の最終追い切りは再びDコースに入って6Fからペースを挙げ、直線1Fからは一気に初めて6F81.8〜5F65.8〜3F37.1〜1Fは何と11.3秒の好タイム。今年に入り4戦目となるが、最終追いでこれだけの動きを見せたのは初めてで、絞り切れなかった馬体もこれでキッチリ仕上がってくるはず。昨年新潟2000m戦は2戦とも詰めを欠いて6、4着に終わっているが、上がり勝負の瞬発力比べは大歓迎だけに、外回りのコースは味方になるはず。道中上手く中団で流れに乗ればチャンスだ。
・モンストール
先行したレジアーネがビッシリ追ったのに対し、鞍上の柴田善騎手が軽く仕掛けた程度で1馬身先着。鋭く反応して絶好の伸び脚を見せた。今月は初めから熱心に乗り込み太め感はまったくないし、成長を感じる馬体。いい感じに仕上がってきた。2歳時の実績とはいえ、新潟コースは2戦2勝でともに好内容。相性がピッタリだし、GIにコマを進めた馬で、今まで戦ってきた相手が違う。
・コスモネモシン
北海道のビッグレッドファームから直接札幌競馬場に入厩した前走のクイーンS。あろうことか馬体を20キロも増やしてしまい、終わってみれば太め残りの惨敗。おまけに発走調教再審査まで食らってしまい、散々な結果となってしまった。その後は美浦トレセンに戻して、柴田大騎手を背にゲート試験をパス。叩いた効果でだいぶ腹回りは締まっており、間違いなく体調は上向いている。今回は牡馬が相手となるが、ハンデ戦なら十分に勝負になるはず。相変わらず調教では気難しさを見せるが、直前はビシッと追って65.8〜50.4〜39.6秒。位置どりにはこだわらずに、終始リラックスして走れれば巻き返し可能とみる。
◆日曜新潟10R・稲妻特別(1000万下)
・エバーローズ
普段の競馬ではスピードを持て余すほどで、1000直競馬は合いそうだったが、初挑戦の前走は期待以上の強さで、後続に6馬身差をつける圧勝劇。その反動は一切なく、今週も意欲的な調教を消化。ポリトラックの外めを回って63.3〜36.1秒、直線軽く仕掛けるとグイグイ脚を伸ばし、反応・伸び脚ともに抜群の鋭さを見せてきた。ここに来て少しずつでも体重を増やしているのが、成長の証。適正・体調ともにベストの状態、昇級初戦でも格下感はなく、この夏最後の1000直はこの馬で締めくくる。
◆日曜新潟12R・新発田城特別(500万下)
・エパティック
3か月半の休養で馬体も回復した前走だったが入れ込み気味。道中も少し折り合いを欠く場面。さらに、直線では前が壁になり追い出すタイミングが遅れた。最後の1Fで前があくと鋭く伸びたが脚を余した形で2着。今回の追いきりは折り合いに気を使いながら5F69.2〜上がり39.9秒。タイムは目立つものではないが、躍動感満点の走りで叩かれた効果を十分にアピール。平坦の新潟コースは[2-1-0-0]とベスト。差し切り濃厚。
◆日曜新潟9R・三国特別(500万下)
・サミットストーン
前走は3か月ぶりの休み明け。多少追い不足感があり、レースでもプラス8キロの馬体重。メンバーは1000万からの降級組が揃って平地のレースとしてはかなりハイレベルな戦いの中で、スローの流れを2番手につけ、上がり3F36.8秒の粘り腰で2着を確保。地力が違った印象だった。その後中2週のレース間隔となるが、1週前に5F69.5〜3F39.9秒と馬なり、そして29日の最終追いでは5F66.2〜3F36.7〜1F12.0秒の好タイムを格下との併せ馬でマーク。これで太めだった馬体も530キロ中盤まで減ってくるはず。今回も前走同様に骨っぽい相手が揃ったが、スピードとパワー兼備型有利の馬場を味方に再度先行力を活かせば勝機。
◆土曜新潟10R・弥彦特別(1000万下)
・マルターズグロウヴ
2走前の福島戦を楽勝して1000万に昇格したが、前走の新潟戦ではペースの違いとマイルの流れにとまどって、思いのほか動けずに惨敗。その後は早々と放牧に出されて、立て直しを図ってきた。8月中旬にトレセンに戻って、1週前には単走で長めからビシッと。いくらか重めに感じたが、最終追い切りではラスト弾けそうな脚いろ(53.8〜39.7秒=馬なり)。変わりそうな下地はある。しかも今回は、もっとも得意とする新潟の1800m戦。少しでも前が速くなる流れなら、ラストの伸びは確実。一気に届くシーンも考えられる。
・ランパスインベガス
メイスンファースト、モエレプレジデントを内から追走する形になったが、終い絶好の手応えで1馬身ほど先着。間隔があいた前走時より素軽さアップ。確実に良化している。その前走が上がりが速く先行馬有利の競馬をアッサリ差し切り。鋭い伸び脚で、上にいっても十分通用すると思える強さを見せた。直線が長く平坦の新潟外回りは、同馬にとってベスト条件。連勝の可能性は高い。
◆土曜新潟9R・浦佐特別(500万下)
・ミエノキセキ
7か月ぶりで臨んだ前走の500万下。調教量は十分だったが、最高時計がウッドで5F68.1秒馬なりと強く追ったかいもなく明らかに太め。それでも好位から楽に抜け出し能力の違いを見せた。今回も3か月半ぶりの休養明けになるが、入念に乗り込まれ、1週前の追い切りで5F66.1秒を抜群の手応えで計示。その時点で息は整ったため、直前はポリトラックで5F69.6とセーブ。570キロ台の大型馬でも気性の勝った馬で90点以上の仕上げ。再度500万ならスケールの違いの見せ場。