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セントウルS、京成杯AH追い切り診断

  • 2012年09月06日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・セントウルS(GII)
・カレンチャン
 高松宮記念以来の久しぶりでも「これまでの放牧帰りで一番の状態」と安田隆行調教師が話すように、馬の状態に関しては陣営も自信たっぷり。同じ休養明けのオーシャンS(4着)時は「香港遠征の疲れも抜けていなかった」ということで、状態はまったく違うのだろう。2週続けて、ロードカナロアとの坂路での併せ馬をこなし、その動きは上々。2週前には単走で坂路4F50.1秒と自己ベストをマークしており、それも馬なりでの動き。追わなければ動けないという態勢ではなく、追わなくても自ら前を捕まえようとする闘争心が見られるだけに、この馬自身の仕上がりはまったく問題なさそう。あとはセントウルS自体が休養明けの好走が少ないレースという点だけだろう。

・エーシンヴァーゴウ
 昨年の覇者で、前走からのローテーションも同じ。ただその着順が違うように、今年は昨年ほどの勢いがないというのが正直なところ。そのあたりは中間の調教内容にも表れている。前走北九州記念時の最終追い切りはCW。昨年3着時はラスト1F12秒で素晴らしい伸びだったが、今年は1F13秒近く掛かって8着。この違いが着順に表れたのではないだろうか。そして問題の今回だが、最終追い切り自体は昨年と同じ。時計の出方もほぼ同じなので、ここだけを比較すれば、昨年1着時と同様と見ていい。ただ昨年は最終追い切り前にCWで4F49秒台の速い時計を出していたが、今年はそれがない。重箱の隅をつつくような細かい指摘かも知れないが、ちょっとした調教内容の違いが着順に大きな影響を与えることもあるだけに、個人的には昨年と違った状態と見ている。

◆日曜中山11R・京成杯AH(GIII)
・エーシンリターンズ
 24キロ増の中京記念の惨敗から一変した前走の関屋記念。8キロ絞れた体重もあるだろうが、同じ1600mでも走破時計が5秒近く違った馬場状態も大きな好走要因だったように思われる。調教内容はここ2戦に比べるとソフト。調教本数は多かった近2走よりは控えめ。最終追い切りの時計も前走時に比べて6Fで3秒近く遅くなっている。ただ機敏な動きは目立っており、前走とほぼ変わりないように映る。心配するなら、中間に強い調教がない点。関東圏の輸送があるため、大幅に馬体重が増えることはないだろうが、仮にそうなった場合は2走前の惨敗がちらついても不思議ない。

・コスモセンサー
 昨年末のファイナルSで1着以降、安定した成績を残し、安田記念では15番人気という低評価を覆して3着。ここでのハンデが57.5キロというのも仕方ないところだろう。昨年は同レースに中1週で出走して8着。今年は休み明けでの出走となるが、少し馬体が寂しくなって帰ってきたということで、体を戻しながらの調整。あまり強い調教は課されておらず、最終追い切りも坂路4F52.4~1F12.7秒。時計自体はマイラーズC3着時とほぼ変わらないものの、ゴール前の動きが今ひとつ。中山実績、重賞実績は当然評価したいところだが、肝心の状態が食指を動かすほどではない。

・スピリタス
 3走前都大路S時から中間の短期放牧はノーザンFしがらきに出しており、それからの着順が2着、2着、3着。非常に安定した成績を残しており、この放牧パターンが良績の要因だと考えてよいだろう(※中1週の関屋記念は短期放牧なし)。今回も中間はノーザンFしがらきへ放牧。ただ帰厩した日が過去に比べて遅い。かといって極端の調教本数が減ったわけでもなく、最終追い切りの内容自体も悪くないので、大きな減点というわけではないが、同じしがらき帰りでも、今回は少しだけ帰厩が遅かったということを頭に入れておく必要がありそう。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・京成杯AH
・ネオサクセス
 2週連続、余裕の手応えで36秒台をマーク。内めを通ったとはいえ、折り合いがついて、きびきびした伸び脚を見せた。気性の勝った馬で、休み明けの前走時から仕上がっていたが、叩いた効果で気合い面が良化している。前走は平坦なコースのスローで、持ち味が生きなかったが、最後方から32秒台の脚を使っており、展開が向かなかった印象。坂のあるコースで早めに動きたい馬が多い今回は、ゴール前でアッと言わす可能性十分。

・ファイアーフロート
 前走の朱鷺S。5か月ぶりのレースで直前の追い切りが4F55.3-上がり40.5。仕上がり早のタイプとはいえ、調教が良が少なく、直前控え目で明らかに太め。直線失速も仕方なし。1度叩かれた今回の追い切りは、格下ジャストザシーズンを5Fから1秒ほど追走し、ゴール前で追い出すと瞬時に反応してアッという間に1秒突き放し66.6-上がり38.3秒を計示。体質が弱く順調に使い込むことができず今回は全力投球。2年前にこのレースを好時計勝ち。開幕週の馬場で一発期待。

◆日曜中山9R・鋸山特別
・ホノカアボーイ
 ウッドコースでの稽古がまったく動かないタイプで、1週前追いでは併せたオープン馬フェノーメノに1.3秒も千切られてしまったが、5日の最終追い切りがポリトラックコースでのものだけに、動きもガラリ一変。障害馬スパイクウッドを2馬身追走から、ゴール前軽く仕掛けると反応鋭く逆に1馬身先着。4F53.5-3F38.8-1F13.1秒と時計は平凡でも、機敏さは今夏で一番のものだった。夏場は1か月に1度使いの絶好のローテーション。馬体をふっくらと見せ、さらに状態面が上がっていることは確か。元来がこのクラスで好勝負を続けていただけに、多少骨っぽいメンバーでも力負けはしないはず。得意の中山ダート1800で連勝の期待。

◆土曜中山10R・木更津特別(1000万下)
・フェスティヴタロー
 ひと息入っていた前走は、もう1本ほしい調整過程。ひと叩きの効果は大きく、調教の動きが変わってきた。今週はウッドチップで80.5-65.0-38.2秒、直線目一杯に追われたが、単走でも最後まで脚どり乱れずにゴールイン。体の張りが戻り、気合いのりも一変。すべての面でいい頃の雰囲気を取り戻してきた。先行策で良績を残しているが、押さえてもしっかりと末脚を使える馬。自在性高く、開幕週の馬場は大歓迎。休養前に戦ってきたメンバーから、1000万クラスでも素質は互角以上。人気的にも妙味が大きく、狙い目。

◆土曜中山12R・3歳上500万下
・ゲンパチメジャー
 水曜の時点では、このレースと日曜の中山12Rとどちらを使うか決めていなかった。これはメンバーを見て、勝てる方を使いたいから。もう500万脱出は時間の問題なのだが「強い関西馬」の参戦もある中山。慎重に相手関係を探ってからの出馬投票となった。とにかく、このクラスでは能力上位としてよく、超久々となる右回りもまったく関係なし。再度スタートを決めて、スピード能力の違いで押し切りたいところだ。直前の稽古は併せ馬で53.7-38.6秒をマーク(強めに)。体調もすこぶる安定している。

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