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セントウルSをつかみ取る

  • 2012年09月07日(金) 18時00分
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 まずは舞台設定に触れてみたい。

 セントウルSは阪神の1200mコースで施行される。発馬地点は向こう正面の半ば。200m走ったあとは下り坂が続く。そして直線の残り200mから一気に上り坂に。高低差は2m近い。上り切ったあとゴール板までの100m弱は平坦だ。ホームストレッチの長さは約350m。外回りより120m近く短い。比較的角度のあるコーナーに短い直線が用意され最後の坂も厳しい。スピード一辺倒で押し切るのは難しくクラスが上がるほどその傾向は顕著になる。

 9月の阪神開催は芝の張り替えが完了したあととあって年間を通じて最も良好な芝の状態が保たれている。速い時計が出やすいのは当然として芝の密度が高い。それだけパワーも要求される舞台である。

 ほかの競馬場と同様に当コースもサクラバクシンオー産駒の良績が目を引く。直線に急坂が設けられているわりにはクラスが上がっても極端に勝率が下がることはない。とはいえオープン、重賞ともなると下級条件のように速力で勝ち切るのは困難だ。速力と表現させてもらったのは先行タイプでも差しタイプでも根本は同じと位置づけてのこと。前半と後半でスピードを生かす部分が違うだけで速さという点では同馬の産駒は優れている。

 とりわけ後半型の取捨には敏感になる必要があるだろう。夏のローカルコースで切れ味勝負を演じてきた馬が典型だ。4角から直線にかけて一瞬の切り替えを要求されるコース形態。さらに坂が待ち受けているのだ。北九州記念で好走したサクラバクシンオーの産駒に絞れば過信はできない。これは頭に入れておいて損はないと思う。

 エーシンヴァーゴウの連覇に期待している。昨年以上に出走馬の層が厚い。厳しい戦いになるだろう。強調する点としては馬力型のスプリンターであるということ。速いタイムの争いにも対応できるがやや一本調子の面がある。

 ここ2戦の内容からもそれは顕著だ。休み明けのアイビスSDで3着に奮闘。対照的に小回りコースの北九州記念では8着に沈んだ。前走については先行勢には分の悪い馬場状態も影響している。ましてハンデ戦で56キロを背負ってのものだ。別定戦に戻ってスピードとパワーの両方を生かすことが可能な舞台に変わる。先行型がほとんどいないメンバー構成を踏まえてみても好走できる条件が整っている。

 総合力ならマジンプロスパーだろう。ただしこちらはスプリンターズSでさらに素晴らしい力量を発揮すると見ている。追い込み型でも内枠で闘志を掻き立てるタイプなのがサンカルロ。この距離に変わってサドンストームの決め手が増すように思う。一発ならこの馬ではないか。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分~17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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