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ディープインパクト+ドイツ血統のスペクトロライト

  • 2012年09月12日(水) 12時00分
●アンジュエ(牝 栗東・橋口弘次郎 父アグネスタキオン、母キュンティア)
 半姉オディール(父クロフネ)はファンタジーS(GIII)の勝ち馬で、母キュンティアは阪神3歳牝馬S(GI)2着。2代母One Lifeは、80年代の世界最強マイラーであるMiesque(Kingmamboの母でもある)の半妹にあたる良血。フランス系のスタミナ血脈が豊富で、Ribot系のGraustarkも入る。父アグネスタキオンはアメリカ血統で固めたスピードタイプの繁殖牝馬よりも、こうしたタイプのほうが走る産駒を出す傾向が見られる。全兄コーダリーは小柄な馬体が影響したのか現在1勝にとどまっているが、決して悪い配合ではないので、牝馬に替わった本馬には大いに期待したい。芝向きのマイラー。

●スペクトロライト(牝 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母バランセラ)
 母バランセラは重賞勝ちこそないものの、クイーンエリザベス二世チャレンジC(米G1・芝9f)2着、ガーデンシティブリーダーズCH(米G1・芝9f)2着などアメリカの芝路線で好成績を残した。母の父Acatenangoは現役時代、7つのG1を含めて重賞を14勝し、3年連続で西ドイツの年度代表馬に輝いた歴史的名馬。引退後は独リーディングサイアーの座を5回獲得し、ジャパンC(GI)を勝ったLandoをはじめ多くの名馬を生み出した。ディープインパクトとドイツ血統は相性がよく、ジョワドヴィーヴルやワールドエースなどの活躍馬が出ている。「ディープインパクト×Acatenango」は、デビューした4頭中3頭が勝ち上がり、そのうちの1頭がワールドエース(12年きさらぎ賞-GIII、12年皐月賞-GI・2着)。芝向きの中距離タイプとして期待できる。

●エルマンボ(牡 美浦・堀宣行 父ウォーエンブレム、母ティエッチマンボ)
 半兄アドマイヤメジャー(父アグネスタキオン)は朝日チャレンジC(GIII)3着、セントライト記念(GII)4着という成績がある。もう1頭の半兄アドマイヤレイ(父ダイワメジャー)もレパードS(GIII)に出走(14着)するなど悪くない成績だ。本馬はMr.Prospector 3×3を持つので仕上がりが早く、手堅いスピードを備えているだろう。父ウォーエンブレムと相性のいいForliを持つ点は好感が持てる。母がパワーを帯びたタイプなのでダート向きに出るかもしれない。

●サトノレガシー(牝 美浦・木村哲也 父ディープインパクト、母バイザキャット)
 「ディープインパクト×Storm Cat」は相性がよく、JRAで走った11頭のうち7頭が勝ち上がり、うち5頭が2勝以上を挙げている。Sir Gaylord≒Secretariat 6×4が生じるからかもしれない。あるいは、ディープインパクトの柔らかさにStorm Catのパワーがほどよく合うという部分もあるだろう。兄弟はさほど走っていないが、無難に走りそうな配合構成なので期待できそうだ。芝向きのマイラー。

●テイエムナデシコ(牝 栗東・山内研二 父ゼンノロブロイ、母アワーミスレッグス)
 半姉サクセスビューティ(父サンデーサイレンス)はフィリーズレビュー(GII)の勝ち馬。その息子にサクセスブロッケン(09年フェブラリーS-GI、09年東京大賞典-GI)がいるので、本馬とサクセスブロッケンは叔母と甥の関係となる。また、同じく半姉のサクセスウイッチ(父ブライアンズタイム)の子にマカニビスティー(10年名古屋グランプリ-Jpn2、10年東京ダービー)がおり、同馬はゼンノロブロイ産駒なので、本馬とは4分の3同血の関係にある。「ゼンノロブロイ×Deputy Minister」という血統からダート向きなのは間違いないだろう。1600〜1800あたりで良さそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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