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オープン勝ち馬が新馬戦で勝つ確率(須田鷹雄)

  • 2012年09月14日(金) 18時00分
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 今週、netkeiba.comで調べものをしていたら、右側に表示される「競走馬総合ランキング」でカレンバッドボーイが4位になっているのを発見した。

 どんだけ世間はハードル上げるつもりだよ、とツッコミたくなるところだが、時期によっては他の未出走2歳馬がランキング上位に来ることも珍しくないそうだ。デビュー前の2歳馬がこのように認知度を得るということは10年前・20年前には無かったことで、改めてPOGブームというか、POGの定着ぶりを感じるところである。

 ただ騒がれるというのは副産物もあって、負けた場合の落胆され方も尋常ではない。特に新馬戦の結果というのは、その2歳馬を指名している人・指名されている人にとって大きなインパクトを与えるものだし、馬券で勝負してしまっている人もいることだろう。

 馬券的な目線で言うと、同じ評判馬・素質馬であっても厩舎によって仕上げ方は違う。初戦から完全に動けるようにしてくる厩舎もあれば、余裕残しで下してくるところもある。新馬戦を前に騒ぐにしても、馬券で勝負するにしても、その違いを把握しておかねばならない。

 問題はどのようにデータを採るかだ。各厩舎に所属する全馬を対象にすると、厩舎ごとに入厩している馬のクオリティが作用してしまう。そこで今回は、

・3~12歳の過去10世代
・3歳春競馬までにオープン特別か重賞を勝った馬(重賞勝ち馬だけだとサンプルが少ないので)

を対象に、厩舎ごとのデビュー戦成績を集計してみた(カク地馬は除く)。これだと、「後にオープンを勝つような素質馬」だけが対象になる。つまり、当たりの馬だけを集めて新馬ではどうだったか、という話になるわけだ。

 すべての厩舎を記すことはできないので、該当馬10頭以上の現役厩舎を勝率順に並べてみた。

 厩舎  着度数     勝率 連対率 複勝率
松田国英 8- 0- 1- 2/11 72.7% 72.7% 81.8%
池江泰寿 8- 3- 0- 1/12 66.7% 91.7% 91.7%
松田博資 9- 2- 3- 0/14 64.3% 78.6% 100.0%
角居勝彦 10- 3- 0- 3/16 62.5% 81.3% 81.3%
音無秀孝 6- 1- 1- 2/10 60.0% 70.0% 80.0%
領家政蔵 5- 3- 0- 2/10 50.0% 80.0% 80.0%
国枝栄 5- 2- 2- 1/10 50.0% 70.0% 90.0%
橋口弘次 10- 4- 4- 3/21 47.6% 66.7% 85.7%
藤原英昭 5- 2- 1- 3/11 45.5% 63.6% 72.7%
山内研二 5- 3- 0- 4/12 41.7% 66.7% 66.7%

 調べてみた結果、橋口厩舎の勝率は半分以下だったので軽くヘコみました……。ちなみにアドマイヤキンカクの友道厩舎は[3-1-0-0]で勝率75%。

 というわけで、本物の馬主も紙の馬主も、その周辺にいる人も、新馬戦は冷静に見ようということでひとつ。別に今週に限らず。

 ついでの話になって恐縮だが、カレンの馬ではカレングラスジョー(母ジェダイト)、カレンケカリーナ(母センスオブアート)も近々入厩の予定。カレンミラコーリ(母ビリーヴザミラクル)も10月には入厩できそうと調教師から聞いている。

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なお、赤本取材班によるnetkeiba.comのコラム「POGの達人コーナー」では、6/1(金)から隔週で、須田鷹雄さん、辻三蔵さん、村本浩平さん、吉田竜作さんによる赤本掲載馬の近況情報をレポート形式でお届けします。赤本をご購入された方は必見の情報です。お楽しみに!

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