11頭立てで行われる。過去10年に目を移せば12頭立てが3回。それが最も少ない頭数での戦いである。今年のローズSは例年にない状況といっていい。
阪神の芝1800mが舞台。回るコーナーは2つ。470mを超える直線は右回りの競馬場では最も長い。急坂も待ち受けており牝馬には厳しい外回り戦だ。06年の暮れに阪神がリニューアルオープンして以降、07年から当コースがローズSのステージということになる。
重馬場で行われた08年は上がり3F36秒2。09年は良馬場ながら上がり3F35秒2を要する消耗戦でレコード決着だった。この2年を除けば残りの3年は33秒台が1回、34台前半が2回。牝馬限定戦ということもあって瞬発力勝負になりやすい。
おもしろいのは前半のペースである。このコースとしては比較的ラップに緩みがないのだ。それでも良馬場なら上がりの数字は速い。つまり中間に流れが落ち着いている。
GIの前哨戦は通常はペースが遅い。まして当コースのような形態ならなおさらそれが顕著なはずだがローズSは違う。個人的に思うのはまず3歳牝馬の始動戦という点だ。春の実績馬は休養明けがほとんど。気持ちが高ぶりやすい牝馬同士ということで前半に行き急ぐ馬が多いのではないか。道中で落ち着きが増して後半まで我慢。決め手勝負になりやすいという図式が考えられる。
現行の施行条件になってからの過去5年でオークスからの直行組はいずれの年も連対。4年連続して勝ち馬が出ており09年と11年は1、2着を占めた。07年の勝ち馬ダイワスカーレットは桜花賞以来。熱発で樫の舞台を直前で回避した事態を考慮すればオークス組の強さがさらに引き立つ。
注目すべきはオークスでの着順だ。07年の2着ベッラレイアは2着。08年の1着マイネレーツェルは9着。09年の1着ブロードストリートは4着、2着のレッドディザイアは2着。10年の1着アニメイトバイオは4着。11年の1着ホエールキャプチャは3着、2着マイネイサベルは6着。連対馬7頭のうちオークス馬はゼロで2着馬が2頭。いずれも勝ってはいない。春の二冠を制した10年のアパパネは4着に沈んでいる。
9着からの勝利があり善戦馬のVもある。頭で狙うのであればオークスで掲示板を外した馬でも可能性を秘めているということだ。
トーセンベニザクラでどうか。馬群で脚をためて差し脚を生かすタイプ。この4番枠が吉と出るはず。勝負根性があり最後までロスのない立ち回りができるのもプラス材料になる。
ジェンティルドンナは使われてボルテージを高めていく印象が強い。安定度ならヴィルシーナだろう。気持ちが入り過ぎる感のあるハナズゴールは前哨戦で映えるように思う。あとはラスヴェンチュラス。気性的に少ない頭数が間違いなく合う。