●エアサラディン(牡 栗東・角居勝彦 父Discreet Cat、母Chez La Femme)
全兄エアハリファは[3-2-1-0]という好成績で、いずれダートの重賞戦線で活躍するであろう3歳のホープ。父Discreet Catは現役時代、シガーマイルH(米G1・ダ8f)を1分32秒46という好時計で楽勝したスピード馬。本馬はPrivate Account 3×4という力強いクロスを持ち、2代母の父にはスタミナあふれるRibot系のSauce Boatが入る。スピードだけでなくスタミナと底力にも恵まれた配合には大物感がある。兄同様の活躍を期待したい。
●ハッピーモーメント(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母アドマイヤハッピー)
半兄にウォータクティクス(父ウォーエンブレム/09年アンタレスS-GIII)、キタサンアミーゴ(父フジキセキ/11年小倉記念-GIII・2着、11年ダイヤモンドS-GIII・3着)がいる。母アドマイヤハッピーは名門ダイナカール牝系の流れを汲み、年度代表馬エアグルーヴと4分の3同血という良血。近親にはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴなど、多数の活躍馬がひしめいている。本馬の父はディープインパクトなのでマーメイドS(GIII)を勝ったグルヴェイグと配合構成がそっくり。本格化するのは古馬になってからかもしれないが、器は大きいので重賞級の活躍を期待できる。
●エイシンガリレイ(牡 栗東・沖芳夫 父Galileo、母Adoration)
母AdorationはブリーダーズCディスタフ(米G1)、サンタマルガリータ招待H(米G1)など6つの重賞を制した名牝。これに欧州ナンバーワン種牡馬のGalileoを交配して誕生したのが本馬。2011年のキーンランドセプテンバーセールにおいて20万ドルで落札された。この血統で20万ドルはお買い得だろう。母の父Honor GradesはDanzig産駒で2代母の父がBuckpasserなので、配合構成がデインヒルによく似ている。「Galileo×デインヒル」はFrankelをはじめ多くの名馬を生み出しているニックスだが、「Galileo×Honor Grades」もそれと同様にNorthern DancerとBuckpasserクロスを併せ持つ構成なので成功するのではないか。日本向きの軽さは感じられないが、そうした血統でも平気で走ってしまうのが栄進軍団の恐ろしさ。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
●エバーブロッサム(牝 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母サクラサク2)
ヴィクトリアマイル(GI)と阪神牝馬S(GII)を勝ったエイジアンウインズ(父フジキセキ)、フローラS(GII)3着のキュートエンブレム(父ウォーエンブレム)、ベンジャミンS(OP)を勝ったパッシングマーク(父エルコンドルパサー)の半妹にあたる。父がどんな種牡馬でも好結果を残しているので、ディープインパクトを父に持つ本馬は期待大。母方にあるDanzigは父と相性がいい。芝向きの中距離タイプ。
●ゴールデンファレノ(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父フジキセキ、母ナイストレビアン)
全兄ゴールデンダリアは新潟大賞典(GIII)の勝ち馬で、セントライト記念(GII)と大阪杯(GII)でも2着となった活躍馬。半兄スカイディグニティ(父ブライアンズタイム)はセントライト記念(GII)2着馬。母ナイストレビアンは優秀な繁殖牝馬なのでまだまだ良駒を出す可能性がある。Ribot系のAllegedが入るので底力とスタミナが補強されており、全兄と同じく芝2000m前後で持ち味を発揮しそうだ。
●ベルミュール(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父キングカメハメハ、母ショウナンタレント)
母ショウナンタレントはフラワーC(GIII)の勝ち馬。母の兄弟にあたるショウナンアルバは共同通信杯(GIII)を勝ち、ショウナンパルフェは青葉賞(GII)で2着となった。活躍馬がどんどん出ている注目のファミリーなので本馬も走ってきそうだ。「キングカメハメハ×アグネスタキオン」なので芝中距離向き。仕上がりも早いだろう。