【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・神戸新聞杯(GII)
・ゴールドシップ
この夏は北海道の吉澤ステーブルでじっくりと英気を養い、函館競馬場へ入厩。その後は札幌競馬場と移動しており「少しでも涼しい場所で調整したかった」と須貝尚介調教師。緩んでいたネジを少しずつ締めながら、栗東へ入厩し、その後も順調に調整が続けられている。最終追い切りは坂路でジャスタウェイとの併せ馬。最後まで大きな差がつくことはなく、ゴールでもほぼ同入。時計は4F53.3〜3F38.5〜2F25.5〜1F13.4秒。強いて表現すれば、ゴールドシップの手応えが一杯という感じだったが、15日のCWではしっかりした伸びを見せており、坂路では動かないタイプとも言える。ただ個人的には馬体がまだ重い印象があり、そのあたりも多分に影響しているように見られるだけに、皐月賞を勝った時のようなイメージが沸かない。
・ベールドインパクト
前走日本ダービーでは着順こそ9着だったものの、メンバー中3位タイの推定上がりを使って追い込んでいる。この中間は8月22日に山元トレセンから栗東へ帰厩。坂路での調教を中心に、標準程度の本数を乗り込んでいる。最終追い切りは四位洋文騎手が跨ってのCWでの併せ馬。半マイル標識を過ぎたあたりから一気にペースが速くなって、ゴールまで速いラップが続いた。4F51.1〜1F12.7秒は優秀な数字だが、ダービー時のCW追いの動きが文句ない走りだっただけに、それと比較してしまうとやはり休み明けという印象は拭えない。
・メイショウカドマツ
前走ラジオNIKKEI賞でもハナを切って、レースの主導権を握ったように、神戸新聞杯でも展開の鍵を握るのはこの馬。中11週と間隔が空いているので、どのような逃げが打てる状態なのかというのが気になるところ。調教本数こそ標準的だが、坂路でそれなりの時計を出しており、9月12日はバンザイと併せて4馬身近く先着。この時点で仕上がりの良さは目立っていた。そして今週のCWでの最終追い切り。3頭併せの先頭だったが、直線に向いてプレイズアトレイル、バンザイが迫ってくるところを、騎乗していた藤岡佑介騎手の手綱が強く動くことなく先着。前半がゆったり進んだため、全体は6F85.4秒と遅かったが、ラスト1Fは11.9秒。後続を引き離すような逃げを打つことができれば、かなり面白い存在になりそうだ。
◆日曜中山11R・オールカマー(GII)
・ダコール
前走釜山Sを快勝後は大山ヒルズで休養。秋の始動はオールカマーからと早々にローテーションが組まれており、GIレースへ向けて飛躍できる内容を期待している陣営。中5週という微妙な調整期間だったが、中間の調教を見るかぎり、順調に進んでいる様子。最終追い切りはDPで単走。6F標識から馬場に入ったため、実質の時計は5Fだが、5F63.2〜4F49.2〜3F35.9〜1F12.0秒。見た目の動きは悪くなく、時計もこの数字なら文句のないところだが、過去の好走調教と比較すると、DP追いで1着になったドンカスターSはラスト1Fが11秒前半。その他の1着時が最終追い切り坂路だったことを考えると、上位争いは間違いないだろうが、やや気になる調教パターンではある。
・ユニバーサルバンク
今春に大阪ハンブルクCを制し、天皇賞・春では6着。このメンバーでは実績上位に評価されるべき馬ではあるが、休養明けの成績が2戦して、ともに二桁着順。しかもその競馬場が中山となれば、今回も割り引いて考えるべきかも知れない。調教内容を過去2戦の休養明けと比較してみると、実は大差はなく、この過去2戦、そして今回ともに中間の追い切り時計がかなり遅い。今週のCWでの最終追い切りにはN.ピンナ騎手が跨って、併せたダイシンハンターより手応え優勢でフィニッシュしているが、最終追い切りの内容が良かったのは日経賞と同じ。あまり実績を過信するのはいかがなものだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・オールカマー(GII)
・ルルーシュ
今春に復帰後は、3、1、2、1、2、1着。一気に素質が開花し、特に前走札幌日経OPでは好位から抜け出す安定したレースぶりでレコード勝ちと、本格化の兆し。その後、中6週レース間隔があいたが、美浦に戻ってから8月22日以降計9本の追い切りを消化し、9月20日の最終追いも3頭併せで追走から楽々抜け出して中・外に対し4馬身先着。5F69.7〜3F39.3〜1F12.6秒の時計は平凡でも、終始素軽い走りから、太め感はなくキッチリ仕上がった印象。中山戦は初コースとなるが、元来が好位追走から一瞬の脚を生かすタイプ。コーナーを4度回る2200mも心配なく、初のGII戦でメンバーが揃ったものの、ここも無事突破の可能性は十分にある。
◆日曜中山10R・市原特別(1000万下)
・ガリレオバローズ
前走時はプラス14キロの馬体も、太め感はまったくなく、ほとんどが成長分と思える迫力ある馬体。上々の仕上げということもあったが、アッサリ勝ち上がったのは、ダート適性の高さか。抜け出すのが速かったぶん終い詰め寄られたが、4角で勝負を決めるという着差以上に強い勝ちっぷり。素質の良さを活かせず伸び悩んだ感がある。ここでも能力は十分通用。
◆日曜中山12R・3歳上500万下
・ゲーリックストーム
夏は札幌に遠征したが、わずか2戦で切り上げて、中山の2週目を目標に立て直した。もちろん乗り込みは実に熱心。直前は実戦を意識して、北馬場のダートで単走で追い切り、68.9〜54.1〜40.3秒を馬なりでマーク。時計以上にスピード感がある動きを披露して、不満のない仕上がりと言っていい。中山ダート1200mで勝ち上がった馬で、この時は2着以下に7馬身差をつける圧勝劇(1分11秒1)。その時と同じ田辺騎手を鞍上に迎えて、ここは一変しそうなムードが漂っている。
◆土曜中山10R・九十九里特別(1000万下)
・フェデラルホール
未勝利から2連勝、その後は真夏を避けてリフレッシュ。8月末に調教を再開して、6本の時計をマーク。今週はウッドチップで82.9〜67.8〜39.4秒、ドレミファドンを1.2秒追走して、直線は追い比べから1馬身競り落としてゴールイン。馬体に重苦しさはなく、追ってからの反応、伸び脚ともに鋭さ満点。黒光した馬体には迫力が加わり、夏を越しての成長も見せている。2連勝の内容は着差以上の圧勝劇。どこからでも競馬ができるタイプで、今の高速馬場にも対応できる。もっと上が狙える素質馬、まだまだ足踏みはしない。
◆土曜中山9R・行川特別(500万下)
・サクセスパシュート
今年は休養明け後の春3戦すべて2着。詰めのワンパンチ不足も1000万でも地力上位を示した。今回も前回の休み明けと同じリフレッシュ放牧で4か月ぶりになるが、急ピッチで調教を積まれ、先週までに5本の時計を計示。そして、直前の追い切りでは6Fから追われ終い敏感に反応して格下バトルキトリを4馬身突き放した。時計も大外を回って84.3〜38.7秒と好タイムを叩き出し万全のデキをアピール。鉄砲は[2-1-1-0]と得意。初戦からエンジン全開。