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香港馬の二択

  • 2012年09月25日(火) 12時00分
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 今年のスプリンターズSには外国馬が3頭やってきた。シンガポールから1頭、香港から2頭。

 シンガポールというとロケットマンを思い出す方が多いだろうが、今回のキャプテンオブヴィアスは格の面ではまだだいぶ及ばない。シンガポールも短距離はだいぶ強くなっていて、現在はスーパーイージーという12連勝中の馬が出てきたので同馬あたりは将来面白いが、今回は見送りでよいと私は考えている。

 皆さんも悩むのは香港2騎の扱いだろう。この2頭はともに地元での実績もあり、海外遠征経験もある。どちらも買おうと思えば買えるレベルだ。

 個人的には、リトルブリッジのほうに傾きつつある。同馬はまだG3勝ちひとつの頃からグッズが作られたりとなぜか評判先行な馬だったのだが、ここへきて一気に本格化。地元でのレーティングでもラッキーナインを逆転した。もともと香港スプリントで1番人気(4着)になっていた(2番人気がラッキーナイン=1着)わけで、少なくともラッキーナインとは同格と考えていいだろう。

 一方で、ラッキーナインがどれだけ推せる存在かということも問題になってくる。もちろん昨年見せ場を作ったことで日本適性が保証されているのは安心なのだが、私がひっかかっているのはひとつの傾向だ。

 過去、2回以上来日してうち1回は馬券に絡んだ香港馬は10頭いる。そのうち8頭は1回目に馬券に絡んで、2回目はダメだったのだ。例外はブリッシュラック(4→1→14着)とサイレントウィットネス(3→1→4着)なのだが、この両馬も3回目は馬券に絡んでいない。また、これは関係あるかどうか分からないが、この2頭はいずれもアンソニー・クルーズ厩舎の管理馬で他の8頭は他厩舎。ラッキーナインはご存じの通りファウンズ厩舎の所属馬で、自身が既に2回目の来日で負けている(安田記念)うえ、同厩舎のグリーンバーディも馬券になったのは初来日時のセントウルSだけだった。

 この傾向の背景というか理由を語り出すと長くなるので割愛するが、結論として「香港馬は初来日時のフレッシュな時に買え」というのは恐らく正しいと思う。例外を認めるなら、サイレントウィットネス級の超一流馬で初来日時に好走しているケースぐらいだろうか。その意味でも、今回は「二択ならリトルブリッジ」と考える次第だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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