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ハイリスクハイリターンのネオユニヴァース(須田鷹雄)

  • 2012年09月28日(金) 18時00分
 皆さんPOGで2歳馬を指名する際には、種牡馬を気にすることだろう。

 現在のディープインパクトのように、とりあえず取っとけ的なブランドになっている種牡馬もあれば、ハイリスクハイリターンで悩まされる種牡馬もいる。今年の2歳世代に続いて1歳世代も頭数が多いネオユニヴァースなどは、その典型だろう。

 ネオが一か八か的な側面を持った種牡馬というのはある程度POGプレイヤーに共通したイメージだと思うが、ならば、POGにおける一か八かとは何だろうか? それはすなわち、馬ごとに期間内獲得賞金のバラつきが大きいというだろう。ならば、種牡馬ごとにその「バラつき」を測定してみてはどうだろうか?

 今回は、繁殖牝馬のレベルを一定範囲内に収めるため社台ファームとノーザンファームの生産馬のみを対象とし、現3〜12歳世代のPOG期間(既に終了して成績が確定済み)について調べた。種牡馬ごとに期間内出走馬の獲得賞金(中央のみ)を調べ、その標準偏差を計算してみたのである。標準偏差について説明すると長くなるので各自ググっていただきたいが、要するに数字が大きいほどバラつきは大きく、小さいとバラつきが小さいということになる。

 ドラフトで対象になりそうな(来年以降の産駒がいない種牡馬も入っているが)種牡馬について、出た答えがこちら。

           出走頭数    標準偏差   賞金11位以下限定標準偏差
アグネスタキオン    269頭    2346.4       1032.2
キングカメハメハ    124頭    2949.4        638.7
クロフネ 175頭    1688.7 602.0
ジャングルポケット 112頭    2447.0        622.2
シンボリクリスエス 183頭    1387.7        579.4
スペシャルウィーク 169頭    3152.9        682.7
ダンスインザダーク 190頭     997.2 519.9
ディープインパクト 125頭    3306.1       1345.5
ネオユニヴァース 101頭    4008.0        566.0
フジキセキ 209頭    1518.6        602.4

このやり方だと、頭数が少なく極端な活躍馬が出ている種牡馬ほど全体の標準偏差は大きくなりやすい。反対にあまり稼ぐ産駒がいなければ結果としてバラつきが小さくなるので標準偏差は小さくなる。ディープインパクトは前者、ダンスインザダークは後者の典型だ。

 ネオユニヴァースは、やはりバラつきが大きい。さらにそれを裏付けるのが、賞金ベスト10馬を除外した場合の標準偏差だ。全体のトップだったものが、こちらではブービーに転じている。

 この対象期間にネオユニヴァースは3頭のG1馬を出しているが、一方でランキング10位のアイアムネオは期間内賞金3000万円にも満たない(2980万円)。一方でディープインパクト産駒の10位はトーセンレーヴで5930万円。出走頭数が2割ほど違うので12位で比較してもリベルタスの5800万円だ。

 やはり、ネオユニヴァースには大当たりの夢がある一方、スベったときのリスクは大きいということになる。指名の際には中途半端な血統ではなく、場外ホームランのみを、三振も覚悟で狙うべきということになる。

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