【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・スプリンターズS(GI)
・カレンチャン
デビュー以来、初めて馬体重が500キロを超えた前走。22キロ増という数字を聞くと、どうしても太い印象があるが、見た目にも、そこまで気にするような体重ではなかったように思う。ただ早目のレースをして最後は4着だったことを考えると、絞れてくれば、と考えるのは当然。ただ数字的には10キロ以上減ることはなさそうだが、それを心配することはないだろう。なぜなら最終追い切りでもこの馬らしい素軽い動きができていたから。併せたグレープブランデーが一杯に追うところを馬なり先着。これは休養明けのオーシャンSを叩いて、高松宮記念の最終追い切りでマークした内容とほぼ同じ。やはりひと叩きの効果は確実にある。
・ロードカナロア
函館スプリントS後、栗東へ移動し、在厩で調整を続けたセントウルS。ずっと栗東にいたので、見た目に良化したという印象は薄かったのだが、最終追い切りの内容を見ると、しっかり中身は良化しているのではないだろうか。最終追い切りはダッシャーゴーゴーを追走する坂路での併せ馬。楽に並びかけると、最後は一杯に追う相手に馬なりで先着。4F51.7〜3F37.8〜2F24.2〜1F12.2秒は文句ない数字。このラップは京阪杯1着時の数字とほぼ同じだけに、この馬らしい動きができたと解釈したほうがよいだろう。
・エピセアローム
前々走の北九州記念でスプリンターとしての資質の高さを見せ、前走は見事に結果を出したレース内容。それを支えたのは最終追い切りでも見て分かる、体調の良さではないだろうか。ポイントは坂路での時計。4F52秒台でありながら、ラスト2Fが25秒以下、ラスト1Fが12.5秒以下というのがここ2戦の共通点。それだけに、その数字には注目していたが、4F52.2〜2F25.0〜1F12.5秒なら特に問題はなさそう。好調をキープしているというよりは、緩やかに上昇している、そんな印象を受ける最終追い切りの動きだった。
◆日曜中山11R・ポートアイランドS(OP)
・ダローネガ
期待された春シーズン。体調が整わなかったこともあり、アーリントンCで1番人気に支持されるも6着に敗れ、毎日杯でもこの馬らしさを見せることができなかった。ここで佐々木晶三調教師は英断して、リフレッシュ休養へ。その効果があって、前走小倉日経OPでは久しぶりの勝利を手にした。ひと叩きしたことでの良化は馬体を見ていて一目瞭然。張りが出て、この馬本来の活気が出てきた。最終追い切りは単走ということもあり、4F54.1秒と目立った時計ではないが、ラスト1Fが最速になるラップを踏めており、前走以上に末脚に磨きがかかりそう。ここでの内容次第では、この秋、非常に面白い存在になりそうだ。
◆土曜阪神11R・シリウスS(GIII)
・グレープブランデー
まだ本調子には遠いと思われた前走阿蘇Sだったが、さすがは昨年のジャパンダートDの勝ち馬、能力の違いを見せつける強い勝ち方で復活の狼煙を上げた。ただ今回はハンデ戦ということで58キロ。前走オープン特別を勝利しただけで、1キロ増は酷なハンデのように思えるが、中間の調教の内容からそれも克服してくれるかも知れないという良化が見られる。最終追い切りはカレンチャンとの併せ馬。持ったままの相手に対して、一杯に追って半馬身遅れにとどめるのがやっとだったが、時計は4F53.9〜1F12.3秒と決して遅くない。ようやく本来の動きを見せ始めた今回が、本当の意味で暮れのGIへ向けた試金石になりそうだ。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜阪神11R・シリウスS(GIII)
・マイネルアワグラス
ここは5月以来の実戦となるが、夏場は函館競馬場に入厩して熱心な乗り込み。美浦に戻ってからも順調にメニューを消化しており、500キロを超える大型馬にしては重め感なく仕上がっている。直前の追い切りは、北のダートでゲート練習を兼ねたが、ゆっくりと出して直線だけビシッと気合をつけ、84.6〜67.4〜52.9〜38.9秒。まったく息も乱れることなく、態勢は十分に整っている。実績どおりのダートの中〜長距離向きのスタミナ型で、阪神の2000mは悪くない条件。積極策が売り物の和田騎手を鞍上に配し
て、見せ場以上の期待がもてる。
◆土曜中山11R・秋風S(1600万下)
・コスモソーンパーク
稽古駆けするほうではなく、ウッドチップを単走で追われた今週は69.1〜40.1秒。 時計的には平凡な数字だが、強調したいのは体つき。丸みのあるパンパンに張った体は迫力満点、気合のりの良さも目立ち、ここにきての充実ぶりを見せつけている。開幕週で超のつく高速馬場だった前走、馬群を割って突き抜けてこれたのは、末脚に圧倒的な爆発力があっての芸当。状態絶好、昇級戦への不安よりも期待のほうが大きく、配当的な魅力もある今回は、1着づけで狙っていきたい。
◆土曜阪神9R・ヤマボウシ賞(500万下)
・アースゼウス
前走後も入念に乗り込み、素軽満点の走り。張りのある好馬体が目立ち、さらに調子を上げている感がある。初戦が多少追い不足だったせいか、2戦目でガラリ一変。この時期の2歳馬としては非常に優秀な時計で、ブッチ切りの楽勝を演じた。変にイレ込むようなところもなく、輸送の影響は少ないタイプ。阪神コースでも力は出し切れると思うし、ダート短距離では王道を進める能力の持ち主。
◆日曜中山9R・芙蓉S(OP)
・サンブルエミューズ
デビュー戦は、馬体こそ仕上がっていたが稽古量が少ないうえ、直前の追い切りで直線遊んで集中力を欠いていた。実戦でも道中若さを出し、能力を出し切れず4着。その後ひと息入れて臨んだ前走は、まだコーナーで外へ逃げるような幼い面を見せてはいたが、直線は2着以下を突き放し、ものの違いを見せつけて圧勝。今回の追い切りは、古馬500万のピグマリオンを5Fから2馬身追走して70.1〜上がり39.8秒。時計は速いとはいえないが、ゴール前の反応は素晴らしくアッという間に2馬身先着。前2走とは集中力が違う。連勝有望。
◆日曜中山12R・内房S(1600万下)
・ハンマープライス
ひと息入って2か月半ぶりの前走はプラス10キロの馬体増が示すとおり、夏場にしてはかなり余裕残しで、そのうえ出遅れグセも響いて10着大敗。もともと夏場が良くないタイプだけに、ここを叩いて次走が…の感が強かった。それだけに、中間は前走時以上にジックリと仕上げており、今回5F74.4〜3F41.4秒と抑えた調教内容でも、息の入りが良く、馬体もハリが出てきたことは確か。逃げ馬が揃ってハイペースは必至。久々に直一気のチャンスで、速い時計決着も、1分10秒台なら実績があるだけに心配なし。あとはスタートさえ互角に出れば馬チャンス。