『馬場の状態』の世界と日本
世界では『馬場の状態』が日本より細かく段階化されている
例に挙げると英国では7段階で、米国では8段階である。
(英)Hard>Firm>Good to firm>Good>Good to soft>Soft>Heavy
(米)Fast>Firm>Wet Fast>Good>Muddy>Yielding>Sloppy>Soft
この2例を見ると分かるが馬場状態は『硬』>『軟』で表現されている
ただし注意が必要なのは、基準は国(または競馬場)によって違うことである。
共通認識としてはやはり硬い馬場は故障のリスクが高まるということだ。
国によっては馬場の硬さを考慮し散水するということは珍しい事ではない。
よく日本の馬場は欧州より硬いとされるが、これには少なからず理由がある。
欧州の競馬場は広大な土地を活用した競馬場が多く、自然な状態を良しとする
風潮があり、馬場の管理は日本ほどに細かく行われていない。(特に英国?)
ざっくり言えば地面がボコボコであり、仮にこの状態で馬場が硬くなると
他の地区の比ではないくらい、故障を誘発するリスクが高まるのだ。
かの有名な凱旋門賞でパントレセレブルが1秒7もレコードを更新し優勝した時に
馬場が問題として挙がった。(ちなみにその後屈腱炎を発症し引退している)
米国の場合はダートが主流で芝は2の次なところがある。
しかも芝は手間がかかり、維持費も高いという事でおざなりとの話もあるぐらいだ。
米国の芝では骨折が日常茶飯事、とは世界を股にかけるジョッキーの言葉である。
日本は実にニュアンス的な表現である。
良馬場>稍重馬場>重馬場>不良馬場
この『良』は何をもって良としているのか?実は凄く曖昧だ。
調べる為にJRAのHP内にある『競馬用語辞典』を検索したが、なんと記述がない。
パート?で紹介したJRA競走馬総合研究所著『競走馬の科学』にも
『良好な状態』との記述しかなく具体性のある表現がないのである。
ただ一つ、この本を読んで分かったのはJRAとしては『馬場の硬さ』よりも
クッションとしての『芝の状態』や『馬場の平坦さ』を重視しているらしいとの事だ。
この2点に関しては間違いなく世界一を誇っていると言っても過言ではないだろう。
日本の『良馬場』にはJRAの『プライド』が見え隠れしている。それは果して・・・
続く
買いたい奴を買う、ただそれだけでいいじゃない。
あなたも、投稿してみませんか?
コラムを投稿する