今回は、赤本がこだわって載せているわりにPOG人気にはならない海外トレーニングセール組の現状を整理してみよう。
まずは16頭と久々の大漁になったバレッツマーチセール組。これは現状不振というか勝ち上がりは1頭だけ。2戦目で勝ち上がってヤマボウシ賞3着のアースゼウス。和田正道師はアースサウンドと連続で当てたことになり、さらにダートの短距離馬、一回ゆるめず着地検疫明けからデビュー直行とパターンも同じ。もともとトレーニングセールには毎年参戦していた調教師だが、完全に得意パターンになってきたと言えるだろう。
他に出走した組では新馬で2、4、5着の馬が出ているが、全体的にいつもの年ほどの勢いを感じない。それ以上に気になるのが、今のタイミングになっても競走馬登録されていない馬が6頭いることだ。いまから籍をつけたとしてデビューは早くて正月前後。そうなるとトレーニングセール組のアドバンテージはない。
そんな中ある程度スケジュールに乗っているのが「シゲル」冠の馬たちで、3頭が入厩してデビュー待ち。この3頭が走るかどうかも重要だが、順調にデビューできるようならば輸入後の仕上げ方を日本側がつかんだということで来年以降の注目に値する。
3頭だったOBSマーチ組ではエーシンサミットが今週デビュー予定。エーシンレンジャーは9月30日に坂路52.5秒が出ていいムード。残り1頭は未登録だが、このセールはもともとバイヤーにとって費用対効果の高いセールでもあり、そこへ経験値の高いエーシン軍団が購買に向かったことで好結果に繋がりそうだ。
時期が遅くなったうえスクラッチ馬が出まくりで日本人購買馬も4頭と奮わなかったファシグティプトンフロリダセール。こちらはなんと4頭とも未登録。中にはちょっと遅れそうな馬もいるし、もともと値段も割高感があった。カタログ次第だろうが、来年はさらに日本人人気が下がるかもしれない。
3頭だったキーンランドエイプリル組は、1頭未登録・1頭入厩・1頭デビューだが、デビューしたのが新馬圧勝のコズミックショア。ノーザンファーム購買馬は近年の流れからバレッツ組を意識していたPOGプレイヤーが多いと思うが、当たりはこっちにいたか、という感じだ。しかも締め切りのタイミング的に赤本には載せようがなかった(リストだけは突っ込んだ)馬である。来年以降もキーンランドエイプリル組やタタソールズプリーズアップ組は丸っきりのノーマークになる可能性が高いので、ドラフト9〜10位要員としては重宝するのではないだろうか。
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