◆レディスプレリュード
(10月4日 大井 サラ3歳以上 別定 交流重賞 1800m)
レディスプレリュードは昨年新設された牝馬交流重賞(明年JpnII格付け予定)。前身は平成16~22年、同時期、同条件で行なわれたTCKディスタフ(プルザトリガー、ジーナフォンテンなど優勝)だが、統一Gとなると、やはりレースレベルが大きく違う。昨年その第1回は、ミラクルレジェンド、ラヴェリータの名勝負。千八=1分49秒6、いきなり驚異的なレコードが出た。
ダート戦線における名牝について…思い出すまま少し書く。牡馬と比べ頂点の層が薄いことは体力差(パワー)からやむをえず、しかしそのぶんヒロインの資格が明快でわかりやすい。JRA=地方交流開始を起点にすれば、まずホクトベガ、それからファストフレンド。続いたプリエミネンス、レマーズガールあたりは少し落ちるが、その後ラヴェリータ、ミラクルレジェンドが登場し、全体レベルも見直された。
名牝の基準とは何か。“牝馬同士”にとどまらないことがまず条件。フェブラリーSを勝ったホクトベガは言うに及ばず、ファストフレンドも帝王賞などGI2勝。ラヴェリータ、ミラクルレジェンドも、再三牡馬相手のGI挑戦、あわやのシーンをみせている。
さて今回レディスプレリュード。記者個人的には、ここでクラーベセクレタに◎を打てること自体が心底嬉しい。彼女は大震災の昨年、さまざまステップに迷いながら、結局牡馬相手の南関東二冠達成。以後いったんラヴェリータ、ミラクルレジェンドの壁に当たったものの、そこから逞しく巻き返した。
しばしば思う。統一Gレースの意義、期待感とはいったい何か。結果はもちろん仕方ない。ただレース前は「JRA対地方」、そういう図式があってこそ、夢とムードが盛り上がり、いきおい馬券も売れると思う。早いかもしれないが、クラーベの後には、次世代の名牝候補・アスカリーブルが控えている。地方勢ウェーブを、ここでもう一つ進展させたい。
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◎クラーベセクレタ 56戸崎
○ミラクルレジェンド 56岩田
▲ロッソトウショウ 56吉田晃
△ショウリダバンザイ 55御神本
△プレシャスジェムズ 55横山典
△エーシンクールディ 55岡部誠
△サクラサクラサクラ 55森
トウカイレジーナ 55酒井
ダートムーア 55川田
プリンセスぺスカ 55幸
クラーベセクレタVSミラクルレジェンド。両者の体調が9分通り、加えて大きなアクシデントがないと想定すれば一騎打ちが濃厚だ。圧倒的な切れ味(昨年上がり36秒2)を誇るレジェンドに対し、戸崎クラーベがどう乗るか。ただしクラーベは、昨年このレース5着後、続くクイーン賞(GIII)を含め、重賞6戦4勝、連対10割、心身とも飛躍的な成長をとげている。
どっしり幅と厚みが出たレースぶり、勝負どころを逃がさない競馬センス。3コーナーあたりから早めに動き、そこでライバルを引き離す作戦がベストだろう。もう一つ。レジェンドには減点が少しある。勝負態勢だった帝王賞5着、その翌週川崎スパーキングレディーCによもやの連闘で臨んだこと。ローテ自体、“馬優先主義”ではやはりあるまい。以後3か月の充電でどう立て直したか。
以下は3着候補、あわよくばの連対候補。妙味といえばロッソトウショウだろう。JRA4勝、転じた金沢7勝、前走マイペースのエーシンクールティ(昨年?着)を差し切り、全国区通用を証明した。息の長い末脚、混戦向きの勝負根性。マーベラスサンデー×ヌレイエフの血統にも成長力を感じる。
同じく末脚に定評があるショウリダバンザイは昨年4着。遡って3歳時、浦和桜花賞勝ちの実績も光っている。かつてロジータ記念快勝の御神本Jと再コンビ。馬自身、夏場よくない傾向があり、それだけにここは全力投球だ。
エーシンクールディ、プレシャスジェムズは、主役のクラーベ、ミラクルレジェンドが早めの仕掛けをイメージすると末脚不安。それなら自在に立ち回れるサクラサクラサクラ(大井2勝)、プリンセスペスカ(JRA5勝)も互角の評価か。ダートムーア、トウカイレジーナは血統面など魅力はあっても、さすがに格下。ひとまず胸を借りる戦いになる。