毎日王冠、京都大賞典、デイリー杯2歳S追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・毎日王冠(GII)
・エイシンフラッシュ
9月上旬から坂路で時計を出し始め、いつもの休養明けと同じように調教本数を積んでいるが、結果的に単走追い切り(大きく先行していたメイショウクロオビに追いつかなかった)になった1週前のCWでの動きが見た目にひと息。時計も6F87.0秒と遅かっただけに、仕上がり途上だという印象が残った。しかし今週の最終追い切りは絶品。メイショウクロオビと一緒にCW馬場に入り、向正面でいったんダグ。再度キャンターに入って、追い切られたのは5F。その分、速い時計を出すことができ、5F64.3〜1F11.8秒。もちろん先行していたメイショウクロオビをあっさりと交わして先着しており、この馬らしい機敏な動きが見られたので、特に心配することはなさそうだ。
・トーセンレーヴ
9月11日にノーザンFしがらきから帰厩。翌々日にはCWでフォゲッタブルと併せて、馬なりで2馬身近く先着しているように、しがらきでもしっかりと調整されてから栗東へ入厩しているのだろう。翌週のCWでもゴールスキーを相手に楽々先着しており、とにかくこの中間は追い切りの動きが目立っている。最終追い切りは先週に引き続いて、N.ピンナ騎手が跨っての追い切り。先行するバトードールを追走して、直線ではインへ。唸るような手応えで相手に並びかけると、あとは突き放す一方。6Fは85.9秒と遅かったが、ラスト1Fは11.6秒の伸び。注文をつけるなら6F時計が遅い点だが、この先G1で好勝負を期待されていることを考えれば、休養明けのここは時計はこんなものだろう。とにかく動ける態勢であることは間違いない。
・シルポート
豪華メンバーの揃ったレースだが、ペースの主導権を握りそうなのはこの馬。実際、昨年の毎日王冠でもハナを切って、流れをつくって8着。勝ち馬から0.5秒差という着差を考えれば、今年も流れ次第で、という印象がある。ただ昨年に比べて、追い切りの内容が芳しくない。昨年は1週前追い切りで坂路4F50.5秒をマークしていたが、今年は1週前追い切りが4F52.3秒。ラスト1Fも今年の方が時計を要している。また最終追い切りも4F52.2〜1F13.1秒。馬場が重かったことを考慮すれば、4F時計はこんなものだったとして、ラスト1Fがせめて12秒台が理想。今年はカレンブラックヒルにマークされることになるだろうし、非常に厳しいレースになりそうだ。
◆月曜京都11R・京都大賞典(GII)
・ビートブラック
京都芝外回りは天皇賞春を勝った舞台でもあり、昨年の同レースは同じ休養明けで2着。高い適性があることは実績から証明済みだが、しかしこの中間の追い切りを見ていると、本来の力を発揮できるかどうか疑問なところ。2週前追い切りでは新馬に先着を許し、1週前追い切りは行わず、10月1日の追い切り。この調教過程が気になっていたし、最終追い切りも時計の要する馬場とはいえ、4F53.2〜3F38.9〜2F25.4〜1F12.6秒。天皇賞春にせよ、昨年の京都大賞典にせよ、最終追い切りでは抜群の動きを見せていただけに、動かなかった今回の調教内容は高く評価できない。
◆土曜京都11R・デイリー杯2歳S(GII)
・メイケイペガスター
前が壁になって、そのまま追えずに終わってしまうと思ったところを、一瞬の隙を突いて馬群を割った新馬戦。推定上がり33.0秒という鬼脚で一瞬にして、2着馬に0.3秒の着差をつけたあたり、ポテンシャルの高さだろう。重賞ウイナーも出走するこのレースだが、それでも遜色ないと思わせてくれるのが中間の調教の動き。最終追い切りは単走になったが、川須栄彦騎手が跨って、CW6F81.1〜5F65.7〜4F51.9〜3F38.0〜1F12.0秒とラップの踏み方は文句なく、終いの伸びも秀逸。ここで結果を出すことができれば、一躍スター候補として脚光を浴びることになりそうだ。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京9R・六社特別(1000万下)
・サトノギャラント
青葉賞以来の競馬になるが、8月末には帰厩して、この東京開催までじっくりと乗り込んできた。直前はウッドチップで日曜日に66.6〜37.7秒、水曜日に、も66.8〜38.4秒をマーク。いずれも押さえるのに苦労するほどの手応えで、余力たっぷりにゴールイン。動き・気合のりともに久々感はまったくなく、文句なしの状態が整っている。スプリングS4着、皐月賞6着と、1000万クラスでは抜けた実績。青葉賞は折り合いに苦労したが、マイルに戻した今回に不安材料はなく、勝ち方に注目する。
・マイヨール
本数こそ少ないが、先週は坂路で49秒台、南ダートで63秒台という猛稽古を消化。稽古駆タイプとはいえスピード感満点の動きを見せた。輸送でテンションが上がることを考慮してか、今週は少し控えぎみだが、多少余裕残しといった馬体で、輸送すればキチンと絞れそうだ。気性の勝った馬で、休み明けは苦にしないタイプ。強力な同型馬が不在なだけに、思い切って逃げを打てば一発大駆も…。
◆土曜東京10R・サフラン賞(500万下)
・シーブリーズライフ
前走のオープン戦カンナSは、勝ち馬に短距離向きのスピードの違いで楽々逃げ切られたが、差してきた馬では1頭だけひと際目立った伸びを見せた2着。相手が悪かったとこもあるが、終いの切れ味は東京でこそ感じさせた。今回は牝馬の中2週でキツいローテーションになるが、きっちり併せ馬で追われ4F52.3〜上がり38.3秒を前項の手応えでマーク。それもウッドで外目を回ってのタイムで勝ち十分
◆月曜東京10R・本栖湖特別(1000万下)
・クリールカイザー
格上挑戦となった前2走でも、勝ち馬との差は0.5秒、0.7秒。レース上がりに関してなら、いずれも34.7秒、34.1秒で特に前走はメンバー中最速の上がり時計。小回りコースのため末脚を余した感が強く、直線が長い東京コースに替われば持ち味が活かせることは確か。4日の最終追い切りは同格タマブラックホールを4馬身追走から、直線で外に併せ最後は持ったままの手応えで3馬身突き放す絶好の動き。動き・馬体とも大きく見せてデキ自体も今春時を上回っており、自己条件で戦えることを考えるとここは負けられない一戦。ハンデ53キロも大きな味方で直意一気の可能性大。。レースセンスの良さ、1F距離が延長されての東京コース。持ち味を発揮する舞台。
◆日曜東京12R・3歳上1000万下
・トキノエクセレント
夏場は放牧に出されてリフレッシュ。9月にトレセンに戻ってからは順調に乗り込まれて、得意の東京目標に万全といえる仕上げ。水曜の最終追い切りでは、併走馬2頭を5ハロンで1秒以上追いかけて軽く先着。しかも手綱は最後まで動かぬままだった(65.2〜50.1〜37.4)。実績どおりのサウスポーで、東京の1300〜 1400mがベストの条件。鞍上には乗り慣れた福永騎手を早々と確保して、ここは必勝態勢で臨んでくる。