まずは東京の1800m芝コースの形態について触れたい。2角の奥が発馬地点。つまり2角を経由して向こう正面に入ることになる。このカーブはかなり緩やかで、流れるようにバックストレッチに向かう形になっている。
コーナーは3角と4角のふたつと考えてもいいだろう。それだけ紛れは少なく地力勝負になりやすい。1600m戦よりは流れが落ち着きやすいことで持久力も必要になる。とりわけ開幕週はスピードとしぶとさの双方がうまく溶け合っていないと結果を出すのは難しい。地力が求められるうえ近年は瞬発力勝負がより目を引くようになってきた。枠順が明暗を分けるケースが増えている点も頭に入れておきたい。
臨戦過程の主流はGIに参戦した直後に休養に入り秋の始動戦としてこの舞台を踏むケースだ。天皇賞・秋→ジャパンCと歩む王道組とマイル路線の有力勢がぶつかり合う。質の高いメンバーが集結するうえ目指す場所が違う。力関係はもとより混在する面々の持ち味を把握することが大切になってくる。
前記したように近年はスピード化と瞬発力勝負が増えている。開幕週ということも重なり先行型が合うのだ。枠順が重要になってくるのもそのためで真ん中より内の枠がより有利になってきた。あとは世代によるレベルの違いに注目する必要がある。一昨年は3歳馬でのワンツー。春の段階から能力の高さを誇示していた世代だ。
カレンブラックヒルを推す。先行力があり柔軟性あふれる立ち回りを見せる。豊かなスピードを持ちながら折り合い面の不安もない。速力を継続することにおいても優れておりコース形態も合う。
前々で流れに乗りながら追われて差し馬のような脚を使うことができる。初めての9F戦も妨げになるとは思えない。4番枠に恵まれた利点を生かして持ち味をフルに発揮できるだろう。現3歳世代はレベルが高い。古馬陣に対する気後れもない。
ジャスタウェイはマイル路線で楽しみな素材。ダービーでは行きたがる面を見せながら粘り強く伸びている。左回りの1800mなら十分に対応できる。一発の魅力でいえばサンライズプリンスだ。長期休養を使われての2戦目。失速したが前走では行きっぷりの良さを見せた。潜在能力は相当に高い。一変に期待してみる。