『教えて、和田さん！』第2弾。先週に引き続き、テイエムオペラオーにまつわる質問からスタートです。抜け出すと気を抜く癖があったという同馬との戦いの苦悩や、ファンからの抗議の手紙に戦々恐々とした日々など、和田騎手が当時の心境を赤裸々に語ってくれました。

■「仕掛けが早いんだよ！」みたいな抗議の手紙がきて…
優作　オペラオーのお話をもう少しお聞きしたいんですけど、徹底的に自分を律してレースに勝って、普通に“嬉しい”っていう気持ちになるものなんですか？

和田　いや、ホッとするだけやったなぁ。俺の場合、調教師のために勝つような気持ちやったから。自分が嬉しいとか、そんなのはなかった。

松山　1戦1戦が恩返しのような感じだったんですね。オペラオーはいつも僅差での勝利で、冷や冷やしたんじゃないですか？

和田　そりゃあもう、ナリタブライアンみたいな馬のほうが楽やで。4コーナーでブン回しても突き放してくれるんやから。そんな馬じゃなかったからな。ちょっとした誤差で負けるから。

──だからこそ、勝負強さが光りました。ホントに強かった。

和田　うん、まぁ…。

松山　当時って、強い馬がいっぱいいましたよね。ナリタトップロード、アドマイヤベガ、マンハッタンカフェ…。

和田　マンハッタンカフェには負けた。最後の有馬記念でね。

松山　僅差で連勝し続けるって、相当難しいんでしょうね…。

和田　違うねん！　それ以上、突き放してくれへんのやから。俺はいつも、もっと楽勝してほしかったんやけど、前に出ると止まるから。

高倉　へぇ〜、そういう馬だったんですか。

恭介　やる気をなくしてしまうということですか？

和田　そう。そのかわり、絶対につかまえるけどね。

松山　じゃあ早めに抜け出してしまうと、差されてしまう可能性があったんですね。

和田　そうやねん。だから、ジャングルポケットみたいな馬には差されんねん(01年ジャパンC)。アグネスデジタルにも大外からガーッと差されたしな(01年天皇賞・秋)。

松山　残り100mくらいでスッと差さないといけないということですね。それって、めっちゃ難しい…。

和田　天皇賞・秋、ジャパンCと、最後の最後に差されて負けたときは、ファンから「お前の仕掛けが早いんだよ！」みたいな抗議の手紙がガンガンきて。

優作　えっ!?　そういう手紙って、どこにくるんですか？

和田　調整ルームとか。そんなんきたら、怖いでぇ〜。ああいう馬に乗ると、敵がいっぱいできる(笑)。そりゃあ白髪も生えるわ。

高倉　生えたんですか!?

和田　生えた気になった(笑)。それくらいやったっていうこと。ホンマに廃人のようやったわ。あの数年のせいで、俺、早死にするんちゃうかと思うもん。そう考えると、あんな馬ばっかり乗ってきたユタカさんはすごいな。考えられへん。普通は、一生に一度、めぐり合えるかどうかやからね。みんなも一度は、そういう出会いがあるといいね。

若手一同　そうですねぇ。

恭介　次の質問いいですか？

和田　どうぞ！

恭介　毎週の競馬の前に、これは絶対にするとか、これは絶対に食べるとか、ゲン担ぎのようなことはしていますか？

和田　ん〜、俺はあんまり担がんほうやけどね。でも、あんまりにも調子が悪いときは、お祓いに行くようにしてる。

恭介　へぇ〜。特定の神社とかお寺があるんですか？

和田　うん。なんかね、ちょっと良くなるような気がする。シャリン！　シャリン！　ってやられると、祓われたような気になる(笑)。でもそれくらいかなぁ。

恭介　たとえば、「必ず何時には寝る」とか、そういうのは決めてないんですか？

和田　何時に寝る!?　そんなの眠たくなったら寝るだけや。あ、昔は、睡眠時間は6時間がいいとか、レム睡眠とかノンレム睡眠とか、そんな本を読んでたわ。体調が良くなるって言われることはいろいろやったけど、あんまり関係ないね。

優作　和田さんは、いろいろ試してそうですよね。

和田　でもホンマに関係ない。結局は、走るのは馬やからね。聞いてくるっていうことは、恭介はゲン担ぎしてるの？

恭介　いやぁ…、なんかしたほうがいいのかなと思いまして。

和田　そんなんで勝てるほど、この世界は簡単じゃないで。

松山　僕もゲン担ぎはしてませんけど、和田さんと同じで、落馬が続いたときにはお祓いに行きました。

和田　それよりお前はさ、もう少し滑舌よくというか早く喋れるように、お願いしに行ったほうがいいで(笑)。

松山　(急に早口で)はい！　気を付けます！　なかなか難しいんですけど。

恭介　まっちゃんが早口だと、なんか変…(笑)。

──和田さんは、彼らそれぞれにどんな印象を持っていますか？　松山くんについては、なんとなくわかりましたけど(笑)。

和田　この4人？　ん〜、右からジャリ、ジャリ、ジャリ、ジャリで、ジャリーズ(笑)。そうやなぁ、「高倉はチャラい」。

高倉　チャラくないですって！

和田　国分優作は“超天然”。“天然”は話を理解してくれへんから困る(笑)。

優作　いえいえ、天然じゃないです…。恭介は天然じゃないんですか!?

和田　恭介は真面目すぎるかなぁ。どうやってイジってやろうかと、いつも考えてんねん。

恭介　和田さんも真面目だと思いますけど。

和田　俺は真面目じゃないねん。悪いことができひんだけ。根性がないねんな。

【次回のキシュトーークは!?】
『教えて、和田さん！』第3弾。今年、活躍が際立つ松山騎手に「お前、急に一皮向けたけど、なにがあったん？」と、和田騎手がまさかの逆質問！　さらに、和田騎手がなぜ、宴会部長を積極的に買って出るのか、その意外な真相が明らかに!?