【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・秋華賞(GI)
・ハナズゴール
札幌記念後に栗東入りし、順調に進んでいた前走ローズSの中間だが、出走間際になって熱発で出走回避。ローズSを使えなかったこと以上に、順調さを欠いたという点が今回に影響しそう。中間の調教本数は3本なので、気になるところはない。ただ最終追い切りの動きがあまり良く見えない。楽に走りながら速い時計が出る印象のある馬だが、今朝はかなり力強く走っているように見えて4F53.7〜3F39.2〜2F26.2〜1F13.7秒。特にラスト1Fで時計を要したあたり、やはり中身が出来ていないということなのではないだろうか。
・トーセンベニザクラ
桜花賞時に続いての栗東滞在となったこの中間。1頭で調教する時間が多い馬だが、非常に落ち着いた様子で、すでに栗東には馴染んでいるように見受けられる。休養明けで調教本数の少なかった前走と比較すると、今回の仕上げはかなり入念。坂路、栗B、CWといろんな調教馬場を使って時計を出している。そして最終追い切りはCW。レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨って単走追い。6F82.3〜5F67.2〜4F52.6〜3F38.1〜1F12.0秒を馬なりでマーク。攻め駆けするので、数字自体はこのくらいだと思うが、躍動感のある動きは前走以上に調子を上げている証拠。前回栗東滞在の桜花賞時より走れそうな雰囲気はある。
・アロマティコ
白百合Sで7着になり、陣営は目標を秋のG1に切り替えて、夏は充電のため放牧。休み明けの西海賞を快勝し、前走ムーンライトHも勝って連勝で挑むはずだった秋華賞だが、後方からのレースで能力を発揮することができず3着に敗れた。悔いの残るレースだったことは間違いないが、そのうっぷんを晴らすようにこの中間の調教はハード。中2週にも関わらず、CWと坂路を併用して4本の追い切りを消化している。最終追い切りは佐藤哲三騎手が跨って単走。3F目に12.0秒という自己最速ラップをマークして少しヨレ加減になるが、ジョッキーのステッキが入ると体勢を立て直してゴール。牝馬ながら飼葉をしっかり食べていることが、苦しくなるところでもへこたれない精神力につながっているのだろう。最高の状態で初G1出走を迎えることができそうだ。
◆土曜東京11R・府中牝馬S(GII)
・ドナウブルー
関屋記念後はすぐに放牧に出されて、目標をこのレースに設定。今回は中8週でのレースになるが、関屋記念が中9週で1着、ヴィクトリアMが中8週で2着という成績から、間隔を空けると確実に好走する下地がある。実質的な追い切りは10月8日に坂路4F51.8〜1F12.4秒で消化。最終追い切りは15-15より少し速くなる程度といった感じで、坂路4F57.3〜1F13.2秒でまとめた。この中間も多すぎず少なすぎずの調教量。ほどよく仕上がっている印象を受けるだけに、力を発揮できる状態にあることは間違いない。
・マルセリーナ
安田記念17着の大敗で休養。9月8日にノーザンFしがらきより帰厩して、じっくりと調教を積んでいるのがこの中間。CWで単走中心だが、10月4日には6F82.4〜1F11.8秒と速い時計をマークしており、時間をかけて乗り込んだことで馬にゆとりがありながら、仕上がっているという印象。最終追い切りもCWで単走だったが、全体時計は控えめで、数字は6F90.0〜5F73.3〜4F57.6〜3F42.4〜1F12.9秒と目立たない。しかし直線に向いてからの走りは自らハミをとって、行きたがるというよりも一歩一歩を確かめるような気合乗りで見ていて気持ち良くなるくらい。前走成績は度外視して、この馬の走りに注目してみたい。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・秋華賞(GI)
・アイスフォーリス
紫苑Sは大外のため終始外々を回される結果が、末脚を余す形で5着。バテない強みがあるだけに、好位に取り付いて、直線早めに抜け出す策がベストなだけに、これでは持ち味半減も納得。今回は同じ2000の戦いでも、馬場が広い京都コース。内回りとはいえバラけるケースが多く、展開面も味方となるはず。10日追い切りは実に落ち着いた姿勢で、ウッドコースに入り単走追い。ラスト1F強めに追い5F68.3〜3F39.2〜1F12.9秒は、外めを回ったことを考えると優秀なタイムで、末脚の乱れもまったくなかった好内容。一瞬の決め手比べだとどうしても強い馬が1頭いるが、長くいい脚を使うことに関してならヒケをとらない。前半でマイポジションが確保できればビッグチャンスだ。
◆土曜東京11R・府中牝馬S(GII)
・ホエールキャプチャ
8月中旬から乗り始めたが、暑かったせいか最初の頃は調整程度の乗り込み。本格的に追ったのは2週前のコース追いからだったが、夏場無理しなかったのが功を奏して、いきなり上々の動き。意欲的に追った先週がスピード感満点で、今週も格下のルシャンベルタンが相手とはいえ、問題にしない素軽さ。目標はエリザベス女王杯としても。9分以上の仕上がりと思える。牝馬限定戦なら、貫禄の違いを見せてくれそうだ。
◆土曜東京10R・白秋S(1600万下)
・イチオクノホシ
新潟・阪神と長距離輸送が続いたが、反動・疲れは一切なく、中1週で調教を再開。今週はポリトラっクで半マイル53.7秒と、いつもどおりに終い重点の調整。直線は追うところなく、軽く流してきた感じでラスト1ハロンを11.5秒。走る気満々、鋭さ満点の動きで、絶好調をアピールしてきた。前々走はスローペースの前残り、前走は勝ち馬に外から被され、馬込みを縫う羽日になり、全力で追えず終いの競馬。東京は3戦して2勝、残り1戦はクイーンCでヴィルシーナの2着と、相性抜群のコース。状態・条件ともにそろい、勝ち負けの競馬になる。
◆土曜東京12R・3歳上1000万下
・ローマンエンブレム
「他馬を気にする」ということで、プリンカー着用で臨んだ前走の中山戦。すんなり2番手につけると、直線ではアッサリと抜け出して、2着以下には3馬身半差をつける快勝劇。クラスが上がっても十分に通用する内容としていい。その後は東京の2週目=ダート2100mに照準を合わせて熱心な調整。この距離なら再度先手がとれるはずで、平場戦なら目が離せない存在としていい。直前は水曜に3頭併せで追われて、52.4〜38.1秒を馬なりでマーク。上がり馬らしい素晴らしい動きを披露して、申し分のない状態に仕上がっている。
◆日曜東京10R・秋嶺S(1600万下)
・ディーエスコンドル
昇級戦の前走ながつきS。気性が強く仕上がりの早いタイプにしても明らかな急仕上げ。後方で折り合いをつけ、直線は馬群をさばいて伸びてはきたが、息が続かず長くいい脚を使ないで6着。しかし、デキがいまいちだったことを考えれば次走へ…の期待を持たせた内容。今回のレースは中2週のため5F72.6〜上がり41.2秒とセーブしたが、最後の1Fで敏感に反応し押さえ切れない手応えで12.5秒を計示。脚質転換した今なら東京の長い直線でこそ本領。