京都の内回りコースには向こう正面半ばから下り坂がある。外回りコースほど傾斜はきつくないが高低差は約3m。それ以外は平たんな設定になっており全体的には特徴に乏しい舞台といっていい。
秋華賞が行われる2000mは正面スタンドの前が発馬地点で回るコーナーは4つ。息を入れやすい形態で外回りのような瞬発力勝負になりにくい。基本的には内枠に入った先行馬の活躍が目を引く。コースの形状を理解すればそれも納得がいく。
秋華賞に限れば枠順やペースの傾向があてはまらない。昨年のように当コースのスタンダードな流れでそれに応じた決着もあれば3角から激しい攻防が続く年もある。おおむね1分58秒台前半の勝ち時計で上がり3Fの数字は35秒台。極端なスローペースは考えづらく切れ味比べにはまずならないと考えるといいと思う。難所には違いないが有力馬の脚質や枠順に沿った結末が多い。自然体で向き合うのが得策だろう。
ポイントがひとつ。力量が明らかに上の馬にとってはコースそのものは対処しやすいという点である。癖のない舞台の内回り戦。比較的イージーなコースとも言えるのだ。一枚上の力を持った馬は内枠よりは外枠の方がスムーズに流れに乗りやすい。そうなると伏兵陣が内枠に入った場合に警戒が必要になる。
ジェンティルドンナを素直に信頼する手だろう。前哨戦で前々の競馬を敢行したことが本番の今回につながってくる。1角への入りや道中のリズムも良くなることは間違いない。引き締まった馬体が示すように上積みも大きい。
ヴィルシーナはジェンティルドンナを徹底的にマークしたローズSの内容がいい。1番枠の今回は積極策を含めて幅広い攻め方ができる。
上昇度と潜在能力の高さならミッドサマーフェア。トーセンベニザクラは馬群でも我慢が利き、追い比べになれば怖い存在だ。
アロマティコは発馬でロスがあった前走でよく差を詰めた。行きっぷりが良く当コースが合う。
一発ならアイスフォーリス。いい脚を持続できるタイプ。枠順も程よく京都の2000mに向いている印象がある。