●ウォーターロビン(牡 栗東・河内洋 父デュランダル、母ノゾミカナエタマエ)
6代母ワールドハヤブサ(1967年生)以来、千代田牧場に根付いている名門牝系。本馬とワールドハヤブサを繋ぐラインの間に、名繁殖牝馬チヨダマサコ、その娘でエリザベス女王杯(GI)を勝ったタレンティドガールがいる。本馬はヴィクトリアマイル(GI)を勝ったホエールキャプチャと同じくタレンティドガールの曾孫にあたる。父デュランダルはエリンコート(11年オークス-GI)、フラガラッハ(12年中京記念-GIII)などの父で、成長力のあるサンデー系種牡馬。本馬は母方にタイキシャトル、ダンシングブレーヴと、サンデー系と相性のいい血を抱えているので頼もしい。芝向きのマイラー。
●ラストインパクト(牡 栗東・松田博資 父ディープインパクト、母スペリオルパール)
半兄タガノボーディング(父ブライアンズタイム)は芝3勝。母スペリオルパールは不出走だが、四冠を制覇し年度代表馬に輝いたナリタブライアン、同じく年度代表馬のビワハヤヒデの半妹にあたる良血。近親にはファレノプシス(98年桜花賞-GI、98年秋華賞-GI、00年エリザベス女王杯-GI)がいる。パシフィックプリンセスの牝系にディープインパクトといえば、先日の京都新馬戦(芝1800m)を快勝し将来を嘱望されているキズナと同じ。本馬は母の父がパワー型のティンバーカントリーだが、ブライアンズタイムを父に持つ半兄タガノボーディングですら芝向きだったので、芝適性に関しては問題ないだろう。芝向きの中距離タイプ。
●サダムダイジョウブ(牡 栗東・松田博資 父ダイワメジャー、母ブリアンダ)
兄姉3頭はすべて未勝利馬で、掲示板にも載ったことがないという酷い成績。それでも取り上げるのは配合的に見どころがあるから。父ダイワメジャーはHalo≒La Menina 2×4なので、これを継続するDroneやSir Ivorを母方に持つ配合が成功している。母の父AlzaoはSir Ivorを持っているのでダイワメジャーとは相性が良さそうだ。それに加えて、2代母Gracious LineはSir Ivorと似たところのある配合構成なので、上記のクロスを強化する働きが期待できる。芝向きのマイラー。
●シュヴァルツローゼ(牡 栗東・佐々木晶三 父ブラックタイド、母カメリアローズ)
半兄ダローネガ(父ダイワメジャー)はデイリー杯2歳S(GII)で2着となるなど重賞で再三好走している。父がブラックタイドに替わった本馬は、Alzao≒ダンシングブレーヴ3×3、Busted 4×4という強いクロスを持つ。後者のクロスは父の全弟ディープインパクトで実績があるので、ブラックタイドでも成功する可能性は高いだろう。ハマれば飛距離が出る配合。芝向きの中距離タイプ。
●フューチャステップ(牡 栗東・池江泰寿 父アドマイヤムーン、母シンコウラブリイ)
マイルCS(GI)を含めて重賞を6勝したシンコウラブリイは繁殖牝馬としても優秀。これまでにロードクロノス(01年中京記念-GIII)、レディミューズ(00年チューリップ賞-GIII・2着)、トレジャー(04年目黒記念-GII・2着)、ピサノグラフ(05年フローラS-GII・4着)などを送り出している。突き抜けるような大物はいないが、コンスタントに重賞クラスまで行く産駒を出している。ここ数年は高齢のため産駒が小粒になってきている印象はあるものの、父アドマイヤムーンはシンコウラブリイのヨーロッパ血統を活かすことができるタイプなので将来性は十分だろう。芝向きのマイラー。
●ポートマイスター(牡 栗東・安田隆行 父キングカメハメハ、母ホーマンルージュ)
父がキングカメハメハで、母の父がDeputy Minister系といえば名牝アパパネと同じ。母の父デヒアは「Northern Dancer+Secretariat」で、このパターンの血と父キングカメハメハの組み合わせは、ローズキングダムやロードカナロアなどを筆頭に好相性を示している。同時にMr.Prospectorのクロスがあり、キングカメハメハ産駒のこのクロスはパワー型に出る傾向があるので、ダートのほうが良さそうだ。5月27日生まれなのでその点が気がかりだが、うまく行けばダートの重賞戦線に加わっていける馬だろう。