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菊花賞、富士S追い切り診断

  • 2012年10月18日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・菊花賞(GI)
・ユウキソルジャー
 2か月半の間隔が空いた前走は1週前に併せ馬を行い、レース週は単走という仕上げ。今回は中3週ということで、中間には併せ馬をせず、すべて単走の追い切りという内容になった。最終追い切りはCWで秋山真一郎騎手が跨って単走追い。道中ゆったりしたペースで進めて、直線に向くと自ら手前を替えて、鞍上の指示を待つ形。ジョッキーが促すと、じわりじわりと加速して最後まで力強い伸び。この動きを見るだけでも距離が延びて持ち味が活きるのはよく分かる。ただ中間の追い切りに併せ馬がなかった時の成績が今ひとつ。気になるのはそこだけだろう。

・スカイディグニティ
 セントライト記念は14番人気という低評価だったにも関わらず、後方から鋭い脚を使って2着。菊花賞への優先出走権を手に入れて、一躍脚光を浴びる存在となった。この中間は坂路とCWを併用し、併せ馬も3本。レース間隔を考えても、非常にハードな内容だが、それだけ攻めてもまったく馬体減りの心配がないのもこの馬の特徴。その分、併せ馬をすると、先着できない前向きさに少し欠けるところはあるが、それが「距離は延びれば延びるほどいい」という友道康夫調教師のコメントを裏付けるところだろう。最終追い切りも手応えでは断然ダノンフィーバーだったが、これだけやれたことを評価すべきだ。

・ロードアクレイム
 約3か月ぶりとなった神戸新聞杯はラジオNIKKEI賞8着という成績からも人気薄。ただ中間の調教内容は非常に良く、併せ馬を行えば常に先着するという前向きな仕上がりを見せていただけに、2着という結果には納得できる。この中間はCWを使わずに坂路中心の調教。最終追い切りも前走のCWから坂路に切り替わったわけだが、その動きは相変わらず軽快。ネオヴァンドームを追走する内容で、追い出してからはあっさりと交わして先着。4F53.1〜1F12.8秒という数字は決して目立つ時計ではないが、見た目には抜群の動き。ただ最終追い切りが坂路というのは今回が初めてのパターン。これだけが気になるところ。

◆日曜阪神11R・富士S(GIII)
・フラガラッハ
 中京記念快勝後は関屋記念への出走も検討されたが、レース間隔や気候を考慮して自重。早々に秋へ向けてのローテーションに切り替えられた。休養明けは4戦2勝なので、むしろ得意にしているのかも知れない。ただ追い切りの動きを見ている限りでは、まだ本来の鋭い切れが戻っていないように見える。1週前追い切りでは併せ馬先着したが、ラスト1F13.2秒。かなり時計を要した。そして最終追い切りは1F12.6秒と及第点な数字は出たが、併せた相手には遅れ。2週続けてジョッキーが騎乗してこの内容では、決して連勝時ほどの勢いがあるは言えない。

・コスモセンサー
 昨年のパラダイスS以降、掲示板を外さない堅実なレースぶりを見せているが、重賞では健闘はするものの、勝ち負けにはわずかに及ばないというレースも続いている。前走京成杯AHは休養明けで調教本数が少なかったものの、この馬らしい仕上げだったので、調教不足ということはないだろう。今回は安田記念3着時と同じローテーションだけに、当時の調教内容と比較してみると、調教本数は同じ3本。すべて単走という点も同じで、最終追い切りの4F時計が今回の方が断然速い。その分、終い最速のラップを踏むことはできなかったが、2F24.3〜1F12.3秒なら全く問題はない。斤量面から見ても、まず崩れることはないだろう。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・菊花賞(GI)
・フェデラルホール
 奥手血統が春後半から一気に開花。デビュー後4戦はいずれも重い馬場状態に苦しみ3、5、7、2着。それが4月の福島良馬場で、3コーナーから一気にマクって勝利。その後は500万、1000万特別を連覇して目下3連勝。デビュー時から距離を意識して使っていただけに、ことスタミナに関してはまったく心配なし。長くいい脚を使えるタイプだけに、直線の長い京都外回り3000m戦は真価発揮の場。前走後中3週のレース間隔も絶好で、中間は4本の追い切りを消化し、今までになく十分な調教を消化。17日の最終追い切りも1600万ドレミファドンを1.4秒も追走し、ゴール前軽く仕掛けた程度で逆に1馬身先着。時計は平凡だったが、とにかく動きがシャープで、さらに成長を示す文句なしの内容。初の強敵相手となるが、ここは一発大駆けに期待したい。

◆日曜東京11R・富士S(GIII)
・セイクレットレーヴ
 2週前に坂路で速い時計を出し、先週は本馬場でスピード感満点の動き。最終追い切りとなった今回も、軽く仕掛けた程度で素軽い伸ぴ脚。動きに重さがないし、気性的にも鉄砲が効くタイプ。いきなりでも力を出せる状態と思える。ニュージーランドT、NHKマイルCで、毎日王冠勝ちのカレンブラックヒルと差のない競馬をしたように、決め手を活かせるマイルが条件ベスト。古馬相手でもひけはとらない。

◆日曜東京10R・甲斐路S(1600万下)
・サトノアポロ
 上がり33秒台の数字どおり、他馬とはワンランク違う瞬発力で2連勝。休養前とは雰囲気が変わり、本格化気配を見せている。今週はウッドチップで85.4〜68.8〜39.7秒、長めから外々を回ってきたが、軽く流した感じで楽々とこの時計をマーク。張ち切れんばかりの体に、黒光りさせた毛づや。動き・馬体ともに、文句なしの絶好調をアピールしている。今なら重賞でもと思わせるほど、勢いに乗っている馬。切れ味がフルに活かせる東京コースは大歓迎、3連勝で一気に突破、強い勝ち方を期待する。

◆土曜東京9R・いちょうS(OP)
・フラムドグロワール
 前走の芙蓉Sは、3か月ぶりのうえ、いきなりのオープン戦。さらにスタートで出遅れて後方から。それでも直線はしっかり伸びて2着と、素質の高さを示した。今回は中2週のため、ハードに追われた稽古はないが、順調に乗られ、直前の追い切りはポリトラックで5F69.0〜上がり40.5秒。時計は遅くても、バネを利かせたダイナミックなフットワークで、さらに気迫アップを感じさせた。東京コースで1Fの距離延長も好材料。


◆日曜新潟10R・咲花特別(500万下)
・トウショウギフト
 放牧に出されてリフレッシュ。トレセンに戻ってからは、9月下旬から急ピッチに乗り込み、文句なしの仕上がりを見せている。毎週のように併せ馬で先着して、1週前には2歳を子供扱い。直前は単走で息を整える程度だったが(72.3〜56.4〜42.2秒=馬なり)、時計以上のスピード感を示して軽快そのもの。休養前と比べると、心身ともに大きく成長しているのが見てとれる。福島での未勝利戦をワンサイドで勝った馬で、本来の素質は500万でも互角の評価。新潟の比較的手薄なメンバーなら、いきなり好勝負可能だろう。単調な先行型ではなく、折り合って差せるのが何よりの強み。大きく狙って面白い。

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