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中山芝2200m→東京芝2000m

  • 2012年10月23日(火) 12時00分
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 今年の天皇賞は絶対的な存在がいない一方で馬券に絡みそうに見える馬はたくさんいるという状況。ある程度思い切りよく切っていかないと、買い目がずるずると増えてしまう。

 私個人としてはデータ派なので、データに合わない馬は迷わず切り、来たら諦めるという構えでいる。その一例が、オールカマー組。過去10年で(0.1.0.20)、5番人気以内に支持された5頭も3着以内なし(2着したのは7番人気スウィフトカレント)なので、ナカヤマナイトは自分個人としては迷わず無印にできる。

 問題は同じコースのセントライト記念からきたフェノーメノの扱いだ。セントライト記念→天皇賞秋は過去10年で見てもキングストレイルしか該当例しかなく、同馬の10番人気16着という結果だけでは判断のしようがない。

 そこで中山芝2200m→東京芝2000mというコース替わりに目を向けてみよう。東京の改修以降、この使われ方をした馬は下級条件も含め167頭いる。その成績は

 着度数 9-20-13-125
 勝率5.4%・連対率17.4%
 単回収率66%・複65%

 ファンの期待度と結果を照らし合わせるという意味では回収率を見るのが良いと思うが、60%台の低調な数字になっている。

 もうひとつ、このコース替わりのリスクを示すのが、前走好走馬の成績の悪さだ。

 クラス変動がなかった場合に限定して前走着順別成績をとると、

 前走1~3着馬 0-7-6-30
 単回収率0%・複回収率50%
 前走4着以下 4-10-6-77
 単回収率32%・複回収率56%

 と、前走馬券に絡んだ馬が43頭もいて1頭も勝っていないのだ。これは両コースで要求される資質が違うものと推測できる。

 ただややこしいのは、フェノーメノは東京実績に優れ、前走時にむしろ中山で大丈夫かと言われていた馬だということである。もともとの東京適性が今回もモノを言うのか、それとも前走で中山芝2200mを使われたことがマイナスに働くのか、どちらと判断するかが馬券上悩ましいところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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