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朝日杯優勝馬アルフレードの半妹プリンセスフローラ

  • 2012年10月24日(水) 12時00分
●アサクサベルーガ(牡 美浦・加藤征弘 父シンボリクリスエス、母マチカネハツシマダ)
 半兄にダークシャドウ(11年毎日王冠-GII、11年エプソムC-GIII)、チョイワルグランパ(10年シリウスS-GIII・3着)、ユノナゲット(OP)、ダノンブライアン(準OP)などがいる。母は繁殖牝馬としての能力が高いので何を付けてもそこそこ走ってしまう。シンボリクリスエスとの組み合わせは、サンデー系を交配した際のHalo≒Sir Ivorのニックスが無くなるものの、その代わりにRobertoとDanzigのニックスが生じる。グラスワンダーやArchをはじめ多くの活躍馬が出ているパターンだ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●プリンセスフローラ(牝 栗東・野中賢二 父キングカメハメハ、母プリンセスカメリア)
 朝日杯フューチュリティS(GI)を勝ったアルフレード(父シンボリクリスエス)の半妹。2代母ラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹で、母の4分の3妹は府中牝馬S(GIII)4着のリビアーモ、という活力あるファミリーだ。芝では大きいところを取れなかったシンボリクリスエスに、初めてG1タイトルをもたらした母の能力は高く評価できる。サクラハゴロモの牝系とキングカメハメハの組み合わせからはミッキードリーム(11年朝日チャレンジC−GIII)が出ており、同馬と本馬は血統構成の8分の7まで同一なので期待できそうだ。

●アルテミシア(牝 栗東・藤沢則雄 父クロフネ、母エイシンアイノウタ)
 半兄マイネルシーガル(父ゼンノエルシド)は富士S(GIII)を勝ち、スプリングS(GII)2着、京成杯オータムH(GIII)3着などの成績を残した好マイラーで、半姉エイシンアモーレ(父エイシンワシントン)はフィリーズレビュー(GII)3着という成績がある。「クロフネ×サンデーサイレンス」で、母方の奥には豊かなスピード血脈が配置されているので、手堅く走ってきそうだ。芝・ダート兼用でマイル以下の短い距離を得意とするだろう。

●アンブレスド(牝 栗東・昆貢 父Mineshaft、母Plenty of Grace)
 母Plenty of Graceは、イエローリボンS(米G1・芝10f)、ダイアナH(米G1・芝9f)など5つの重賞を制した名牝。その4分の3妹Soaring SoftlyもBCフィリー&メアターフ(G1)、フラワーボウル招待H(米G1)を制している。アメリカの名門ダービーダンファームお得意のRoberto系×Ribot系という配合パターンで、スタミナと底力に秀でた本格配合だ。本馬の父は米年度代表馬Mineshaft。同馬の日本における代表産駒には、ピーターパンS(米G2)を勝ちフェブラリーS(GI)で2着となったカジノドライブがいる。母が23歳時の産駒で、日本で走るには重厚すぎるきらいがなきにしもあらずだが、ダートの中距離型として大成する可能性がある。

●エーシンマイェスタ(牡 栗東・田所秀孝 父スペシャルウィーク、母エイシンシンシアナ)
 母方にStorm Catを持つスペシャルウィーク産駒は成功しており、ファイアーフロート、オースミダイドウ、ガンマーバースト、バイタルスタイル、ダイレクトキャッチ、ラナンキュラス、タガノエリザベート、モズ、クロワラモーなど多数の活躍馬が出ている。スペシャルウィークの母の父マルゼンスキーとStorm Catが互いによく似た血統構成であることが好相性の理由だろう。母エイシンシンシアナは「Storm Cat×Sauce Boat」なのでタバスコキャットと同じ組み合わせ。「スペシャルウィーク×タバスコキャット」といえば、少ないサンプルからファイアーフロート、クロワラモーが出ているニックス。本馬にも大いに期待できる。

●プレイリースター(牝 栗東・安達昭夫 父マヤノトップガン、母カーロッサ)
 チャクラ(03年ステイヤーズS-GII、04年目黒記念-GII)の全妹にあたる。この配合の鍵はRed GodとNijinskyのニックスにあり、母カーロッサが持つニックスを父方のRed Godで継続している。本馬は牝馬なので、兄ほどの長距離適性はなく、2000mあたりで本領を発揮するのではないかと思われる。本格化のピークも早まるはずなので、POGでも楽しめるのではないか。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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