【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋(GI)
・ジャスタウェイ
この秋は「調教後のメンテナンスが楽になった。成長力が凄い」と須貝尚介調教師がゴールドシップ以上にその成長力を評価していたが、それを証明する結果となった毎日王冠。しかしその成長はまだまだ続いている。この中間も坂路で本数多く乗り込まれており、前走の疲れは皆無。最終追い切りはゴールデンムーンに先行する形だったが、攻め駆けする相手を最後は楽に突き放す力強い走りを見せた。春に比べてフットワークが一段の大きくなり、距離が延びることにはまったく心配はない。追い切りでも追い出されてから父ハーツクライのような豪快なフットワークを見せるようになっているので、今なら一発大きな仕事をやってのけるポテンシャルは持っている。
・カレンブラックヒル
調教本数は多くないものの、早い段階から調教を開始し、毎日王冠に備えていた。休養明けとはいえ、力を出せる状況であったことは間違いないが、それにしても強いレースぶりで古馬を一蹴した。この中間はどの程度の上積みがあるか、期待していた部分は大きいが、結論から言えば、想像以上の最終追い切りの動き。CWで秋山真一郎騎手が跨っての内容だったが、道中からある程度速いラップを刻んで、最後まで脚色は衰えず。重心の低いフットワークで、とにかく文句ない動きを見せた。中間の調教本数も文句なく、現状で気になる点はまったくない。
◆土曜京都11R・スワンS(GII)
・ダノンシャーク
間隔が詰まっていても、休養明けでも、常に調教本数はしっかりしている馬で、今回も中2週とはいえ、坂路でローテーションの倍ほどの調教本数を乗っている。そういった状況から、前走時の疲労などは一切心配することはなさそう。最終追い切りは坂路で併せ馬。前半からゆったり入って最後まで馬なり。本来は速い4F時計をマークした方が好走するタイプだが、今週の馬場だと仕方ない。それでも4F57.3秒は遅いが、気になったのは併せた相手との手応え差。同入したとはいえ、相手ツルオカハチマンの方がかなり手応えが楽だっただけに、そのあたりが気になる最終追い切りとなった。
・オリービン
異常に時計の掛かる坂路馬場から、雨の影響を受けていないDPに最終追い切り場所を切り替えた。ニュージーランドT4着時以来のDPとなるが、アーリントンC2着時にはCWで追い切られており、追い切り場所が坂路でない点はまったく問題ない。むしろ軽い馬場で、この馬のスピードを殺さない調教が出来たことはプラス。軽く自己ベストを更新し、6F73.8秒ととんでもなく速い時計をマークしたが、距離が1400mに短縮されることを考慮すれば結果オーライかも知れない。ただこの追い切りで極端にテンションが上がってしまい、当日の気配が異様に煩いようだと、今回の最終追い切りがマイナスに作用したという可能性はある。
◆土曜京都9R・萩S(OP)
・トーセンパワフル
強い新馬勝ちを思えば、拍子抜けした札幌2歳Sだったが、500キロを超える大型馬だけに、じっくりと調教を積むことができず、中身が出来ていなかったと判断すれば、前走は度外視してよいのかも知れない。今回は新馬時同様に栗東で坂路とCWを併用しての調教内容。本数的には目立って多くないが、動きは決して悪くない。特に最終追い切りのルーラーシップとの併せ馬では手応え良く先着。いくら相手が追走したからといっても、超格上を相手に馬なりで先着できた追い切りは内容が濃い。逆に今回の追い切り内容で結果を出してくれないことには、今後の楽しみも持てないのではないだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋(GI)
・ダークシャドウ
25日の最終追い切りは先週に引き続き福永騎手が跨ってポリトラックコース入り。調教パートナーも再度ジャガーメイルで、5F標から2馬身程追走の形。直線残り1Fで2馬身差あったが、福永騎手が少しだけゴーサインをうながすと一気に加速し、最後は両馬とも余裕の脚どりで併入。先週の時点では重さが残って1F12.6秒もかかったが、今回は重心が沈んで11.5秒。前走札幌記念が85点ぐらいの内容だったのに対し、今回100点に近いデキにまで近づいていることは確かだ。あとは、輸送と当日の気配だけで、昨年と違うステップで挑むことになった心配は皆無。一瞬のキレ味勝負は大歓迎で、直線残り300から馬群が捌ければチャンス濃厚。
◆日曜東京10R・紅葉S(1600万下)
・ミトラ
速い時計を出し始めたのは今月に入ってからだが、先週がスピード感満点の動き。多少太めに見えていた馬体も、今週はかなりスッキリした感がある。気性的にも鉄砲が効くタイプで、いきなり力を出せそうだ。東京1400で現級をレコード勝ちした馬だが、出足が悪くなったことと、大飛びの走法から、1600のほうが競馬をしやすいはず。実力馬にスミヨン騎乗なら、狙わない手はない。
◆日曜東京8R・くるみ賞(500万下)
・レオハイタッチ
初戦はウッドチップでの69.0秒が最高時計、さらに直前は15〜15の軽めの調整と、パドックで見ても、やはり余裕残しの体つき。それでいて直線ごぼう抜きの圧勝劇、素質の高さを見せつけてきた。今週はポリトラックでレオアクティブと併せて63.1〜36.8秒、さすがに2馬身遅れる形になったが、まだ余力を残しのゴールイン。重賞で人気になるオープン馬が相手にこの内容は、2歳馬とすれば破格の動き。追い不足の初戦とは動きが一変してきた。初戦の末脚から東京コースは大歓迎、状態面の上積みも大きく、昇級戦でも壁にはならない。
◆日曜東京12R・三峰山特別(1000万下)
・ブライアンズオーラ
3か月ぶりで臨んだ前走の多摩川特別。調教駆けする馬で直前ダートで5F63.6秒と早い時計を出したが、レース当日は体が立派に映り中身が伴っていないように感じた。この中間はパワーアップを図り、すべてウッドコースで乗られ、直前の追い切りは同格ラッシュザワークを5Fから1馬身追走して69.8〜上がり39.5秒。全体の時計は速いとは言えないが、最後の1Fは抜群の手応えで12.6秒と鋭敏に反応。今度は体の切れが一変し、叩いた効果の大きさをアピール。秘める能力は間違いなくオープン級の器。
◆日曜新潟11R・魚沼S(1600万下)
・プティプランセス
格上挑戦(GII)となった前走。それでも負け過ぎという印象だったが、ブランクの長かった馬ということで、まだまだ本調子に戻っていなかったことも事実。しかしながら、この中間は身のこなしがだいぶ軽くなって、確実に復調ムード。水曜の追い切りでも、単走で71.7〜56.2〜41.4秒。間隔が詰まっており、終始馬なりの稽古だったが、追えば弾けそうな勢いがあった。今回は得意とする新潟遠征で、メンバーも弱化(自己条件)。しかも外回りの2000mなら大きく変わって当然だろう。自慢の末脚を生かしたい。