府中地方は、午後から「弱雨」の予報に変わった。絶好の芝コンディションが保たれているから、予報どおりに午後からの弱雨だと、馬場コンディションにはあまり影響はないだろうと思える。発表(稍重)にはならず、少し滑ったりする程度か。
内枠を引いたシルポートの逃げは見えている。昨年は自身がちょっと行く気になりすぎ、結果、1分56秒1(56秒5-59秒6)という猛ペースから快時計の主役になってしまったが、もう7歳秋、どういうペースでも行けるこの馬、昨年のような乱ペースはまずないと考えたい。
スローに落としてはまるで意味ない逃げ馬であることはコンビの小牧騎手(4勝している)は百も承知だが、シルポートを追いかける馬はまず不在。前回の毎日王冠、1000m通過「57秒8」で行って14着まで沈んだから、単騎で飛ばすといっても前半1000m通過58秒0前後か。前走、カレンブラックヒルはシルポートの逃げには関係なく(3角手前から3番手まで下げ)、自身の推定は(47秒2-11秒8-46秒0)。1000m通過は推定59秒0のスローにも近い平均ペースに持ち込んでいる。
カレンブラックヒルは、シルポートの逃げにまず左右されない。ここも自身は前半59秒前後で行けるだろう。(シルポートはノーマークになるが…)。カレンブラックヒルはNHKマイルCでも「後半の800mの方が速い」逃げ切りを決めている。飛ばして粘る馬ではない。仮に59秒0前後で行けたら、後半ピッチを上げ、1分57秒5前後が可能ではないかと考えたい。外枠不利のカレンブラックヒルだが、他の先行馬はまずシルポートを追いかけない。なら、カレンブラックヒルは、展開面では(多少目標になっても)、恵まれた2000mとなる可能性が高い。展開有利は、シルポートがいるからこそ、カレンブラックヒルとしたい。
昨年、猛ペースのシルポートに早めに接近、一度は先頭に立って1分56秒8で、6着のエイシンフラッシュは、昨年のようには乗らないだろうから、速い脚の長続きしない中山コース向きの馬だが、古馬陣ではエイシンフラッシュが、ペースが落ち着いての注目馬。
ほかの出方は読みにくく、ルーラーシップ、フェノーメノなどの有力馬も変にタメすぎない限り有力だが、カレンブラックヒルの「先行力」を基準に置くなら、注目は同じ3歳のジャスタウェイ(父ハーツクライ)である。
毎日王冠を(推定59秒0-上がり46秒0-34秒3)=1分45秒0で快勝したカレンブラックヒルを、離れた中団から上がり「33秒0」の脚を使ってクビ差同タイムまで追い詰めている。2キロ軽い54キロだったが、馬格のある男馬の54と56キロは、50と52キロとか、57と59キロの「2キロ差」と違い、あまり関係ないと思われる。
ジャスタウェイの前回は、先行の人気馬カレンブラックヒルを目標にできた位置どりの利はあったが、流れは明らかに不利なスローにも近いペース。決して恵まれたクビ差ではない。
先週、JRAだけで7勝もして、秋の中央開催場所になっての種牡馬ハーツクライは、その産駒の成績がフルに上がっている。
フェノーメノの出方、エイシンフラッシュの出方など、早めにスパートできる馬の位置を推測することは不可能だが、毎日王冠を古馬相手に完勝したカレンブラックヒルを「目安」の馬とすると、ジャスタウェイの狙いは無理筋ではない。
相手本線は、先行カレンブラックヒルとこの枠順だからタメないと思えるフェノーメノ。古馬ではルーラーシップ、エイシンフラッシュ。この4頭をジャスタウェイの相手としたい。
ダークシャドウ、トランスワープがその次のランク。ナカヤマナイトは雨量しだい。実質良馬場では押さえだろう。人気の3歳馬の中で、もっとも軽視されているジャスタウェイを狙った。