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キングカメハメハ近親シャガールバローズ、京都芝でデビュー

  • 2012年10月29日(月) 18時00分
  • 14
【栗東】
◆オツウ(牝、父ハーツクライ、母デライトポイント、栗東・須貝尚介厩舎)
じっくりと調整されたオツウ

じっくりと調整されたオツウ

 伯父トウカイポイントは2002年マイルCSを優勝。近親には今年の函館記念、新潟記念を連勝したトランスワープがいる血統でもある。本馬は2010年セレクトセール当歳にて1000万円で落札されている。

 夏前からノーザンFしがらきで調整されており、いつでも栗東へ入厩できる態勢は整っていたが、須貝尚介調教師は「成長を促すため」ということで、暑い夏場は無理をせず、ゆったりと調教が進められた。その結果「もともと線の細い馬だったので、あのまま入厩させるよりも、じっくり待って正解でした」と同師。強い調教にもしっかりと耐えることができる体力ができた状態で入厩となった。

 10月24日の坂路ではコレクターアイテムと併せて同入、時計の出ない馬場で4F55.6~1F13.4秒をマーク。「いかにも瞬発力がありそうな柔らかい動きをする馬。実戦に行けば、より楽しみですね」と同師の期待は大きい。11月3日(土)京都芝1600m(牝)を福永祐一騎手でデビューする予定。

◆シャガールバローズ(セン、父アグネスタキオン、母ハンターズマーク、栗東・中竹和也厩舎)
キンカメ近親シャガールバローズ

キンカメ近親シャガールバローズ

 半兄ターゲットマシンは新馬、寒竹賞を連勝し、サダムパテックの勝った弥生賞では2番人気の支持を受けた(11着)。そして近親には2004年にNHKマイルC、ダービーを優勝し、現在は種牡馬として大活躍しているキングカメハメハがいる血統。なお本馬は2011年セレクトセール1歳にて2000万円で落札されている。

 6月30日に函館競馬場に入厩し、ゲート試験にも無事合格。そのまま札幌競馬でのデビューを検討されていたが、気性の悪さが目立ったため、去勢手術を行うことに。それから栗東入厩という手順になったが「去勢して良かったですね」と中竹和也調教師。10月25日の坂路ではハギノグラミーに2馬身先着して、4F56.8~1F13.9秒を楽な手応えでマークしており、動きの良さは目立っていた。デビュー戦は11月4日(日)京都芝1800mが予定されている。

◆バアゼルザウバー(牝、父シンボリクリスエス、母ダイヤモンドピサ、栗東・安達昭夫厩舎)
京都芝1600mデビューのバアゼルザウバー

京都芝1600mデビューのバアゼルザウバー

 同厩舎で管理されている半姉ピサノベッテルは芝1200m、ダート1200mでそれぞれ1勝を挙げているが「タイプが違いますね」と安達昭夫調教師。父がシンボリクリスエスということで、むしろ福島牝馬Sを勝ったオールザットジャズに似ているのかも知れない。

 10月25日はレースでも騎乗が予定されている川田将雅騎手が跨って、CWでの単走追い。前半をゆったり進めた分、6F86.3秒と全体の時計は遅くなったが、ラスト1Fは11.8秒としっかりした伸び。新馬の場合、1頭だと集中して走れない馬も多いが、この馬はしっかりと前向きに走れていた。「動きは良かったですね。態勢は整ったと思います」と同師。デビューは11月3日(土)京都芝1600m(牝)を予定。

◆ロココキャンドル(牝、父ステイゴールド、母スターキャンドル栗東・須貝尚介厩舎)
ロココキャンドル、調教前向き

ロココキャンドル、調教前向き

 祖母サマーキャンドルは2001年、クロフネが優勝したNHKマイルCで3着。そして近親には2005年かしわ記念を優勝したストロングブラッドがいる血統。

 中間の調教ではオツウと併せていたため、追い切りで遅れることが多かったが、2歳1勝馬ローブティサージュとの坂路での併せ馬は同入。「普段はやんちゃな馬ですが、調教ではかなり前向きに走ってくれます。長い直線が合うと思うので、東京競馬場でのデビューを選択しました」と須貝尚介調教師。11月4日(日)東京芝1600mを浜中俊騎手でデビューする予定。

【美浦】
◆オスカルアンドラス(牡、父ネオユニヴァース、母ルヴァンクレール、美浦・加藤征弘厩舎)
 祖母の半妹にディープインパクトの母として知られるウインドインハーヘア。この牝系からはディープインパクトの他、ゴルトブリッツやウインクリューガーなど数多くの活躍馬が出ている。

10月24日はウッドチップコースで長めから追い切られ、同じく今週末のデビュー(11月3日、東京の芝1400m)を予定しているワンダフル(牡、父チチカステナンゴ、母ノットユアビジネス)に優勢の手応えで先着。柔軟なフットワークが素質の高さを感じさせる。「血統馬らしく、すごくいい動きをする。気持ちも前向きだし、終いに切れる脚を使えそうなタイプ。初戦から楽しみだね」と加藤征弘調教師。11月3日、東京の芝1800mを浜中俊騎手で予定している。

◆ダイワボルドー(牡、父チチカステナンゴ、母ダイワオンディーヌ、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 クロフネ産駒の母は通算4勝、TCK女王盃2着の戦歴。近親には2006年のダイヤモンドSをレコード勝ちしたマッキーマックスがいる。目立って速い時計は出していないが、坂路とコースを併用してコンスタントに乗り込まれてきた。「500キロを越す大型馬でズブいところもあるけど、体が絞れるに連れ、段々と良くなってきた。芝も考えたけど、しぶとさを生かせるダートのほうが良さそう」と鹿戸雄一調教師。11月4日、東京のダート1600mを横山典弘騎手で予定する。

 鹿戸雄一厩舎からはソンヨン(牝、父ティンバーカントリー、母ワールドマジック)もスタンバイ。4歳上の全兄エジソンは通算4勝を挙げた。「まだ少し頼りないところがあるけど、女の子でスッキリとしたタイプ。現状では軽い芝のほうが良さそう」とのこと。こちらは11月4日、東京の芝1600m(牝馬)をオドノヒュー騎手で予定する。

◆ボディーダンシング(牝、父ホワイトマズル、母ダンシングサンデー、美浦・畠山吉宏厩舎)
 エアダブリン、ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの姪っ子にあたる血統馬。4歳上の半姉ポルカマズルカは同じく畠山吉宏厩舎で管理され、通算5勝を挙げた。

 10月25日の追い切りには横山典弘騎手が跨がり、坂路で4F52秒5―37秒0―12秒1をマーク。仕掛けられると鋭く反応し、併せた2頭を豪快に突き放した。「お姉ちゃんのポルカマズルカよりも体つきは小さめだけど、そのぶん、脚捌きが軽い。気性的にもコントロールが利くし、反応よく動けるタイプ。いいモノを持っているし、先々まで楽しみにしています」と畠山吉宏調教師。11月3日、東京の芝1800mを横山典弘騎手で予定する。

◆フォレノワール(牝、父アグネスタキオン、母ネームヴァリュー、美浦・藤沢和雄厩舎)
 母は2003年の帝王賞を制した他、TCK女王盃、大井記念、東京記念などを勝っている。先週の更新でも取り上げたが、もう1週待って牝馬限定戦の適鞍に照準を定めてきた。普段の調教に騎乗している杉原誠人騎手をはじめ、厩舎サイドは「いい動きをするし、走りそうな雰囲気がある」と口を揃える。坂路とコースを併用して入念に乗り込まれ、10月28日には坂路で4F51秒4―36秒7―12秒4の好タイムを楽に計時した。牝馬にしては馬格があり、血統的にも奥深さを感じさせる好素材だ。11月4日、東京の芝1600m(牝馬)を内田博幸騎手で予定する。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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