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前走条件戦組が強いアルゼンチン共和国杯

  • 2012年10月30日(火) 12時00分
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 昭和の時代にはデータは手作業で処理するしかなく、五里霧中のような状態でファンは馬券を買っていた。いまでいう回収率系のデータなどは算出が難しかったし、勝利度数ひとつとってもたいへんな手間がかかったものである。

 現在は、たいていの集計があっとう間にできてしまい、それをもとにした原稿等も出回る。というか、私もしょっちゅう書いている。そうなると、馬券に関する新常識も広まりやすい。

 アルゼンチン共和国杯における前走条件戦組狙いというのは、その典型だ。

 おそらく昔のファンも「格か勢いか」の悩みは抱えていたのだと思われるが、当時は確認する術がなかったので、その場の雰囲気というか、気分的にしっくりくるほうを買っていたのだろう。

 しかし現在では、前走条件戦組の優位は明らかだ。一般のハンデ戦では「背負う組」のほうが強い傾向にあるのだが、なぜかこのレースだけはそうなっていない。

 過去10年、前走準オープンを走っていた馬の成績は[2-2-2-23]。これだけ見るとたいして良くもないが、前走連対組に限ると[2-2-1-8]。アルゼンチン共和国杯5番人気以内に限ると[2-2-0-6]だ。ちなみに、前走連対組のうち1着馬は[0-2-1-7]なのに2着馬は[2-0-0-1]。寸止め的にハンデを増やさないことの有効性が見て取れる。

 さらに、前走1000万条件組でも通用する。該当馬は過去10年[2-1-2-5]。オープン定住組を仕分けるよりよほど話は早い。

 今年の登録馬には、前走準オープン組が2頭と1000万条件組が1頭(いずれも前走勝ち馬)。このグループを狙うというのはもはやバレバレの作戦だが、それでも現時点ではこの馬たちを無視できない。「裏の裏」を狙うにはまだ早いと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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