●トゥザレジェンド(牝 栗東・池江泰寿 父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)
母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(GI)など重賞4勝、ドバイワールドC(G1)2着などの戦績がある。国内外を問わずタフに頑張った馬だが、産駒は丈夫さに欠けるのか競走馬として仕上がらないケースが目に付く。トゥザグローリーは仕上がったほうの1頭で、日経賞(GII)、京都記念(GII)など6つの重賞を制した。本馬はその全妹。血統的なポテンシャルは素晴らしいので、無事に仕上がれば高確率で上級クラスまで出世するのではないかと思われる。
●リヤンドファミユ(牡 栗東・池江泰寿 父ステイゴールド、母オリエンタルアート)
ドリームジャーニー(09年有馬記念-GI、09年宝塚記念-GI、06年朝日杯FS-GI)、オルフェーヴル(三冠、11年有馬記念-GI、12年宝塚記念-GI、12年凱旋門賞-G1・2着)の全弟にあたる超良血。「ステイゴールド×メジロマックイーン」のニックスは、この兄弟のほかにゴールドシップ(12年皐月賞-GI、12年菊花賞-GI)、フェイトフルウォー(11年セントライト記念-GII、11年京成杯-GII)などを誕生させており、現代で最も注目に値する配合パターンといえるだろう。血統背景は申し分ないのであとは馬のデキと気性。このあたりをクリアできればG1ロードの視界が開ける。
●アメリ(牝 栗東・池江泰寿 父Distorted Humor、母アゼリ)
母アゼリは現役時代アメリカで24戦17勝、ブリーダーズCディスタフ(米G1)などG1を11勝した女傑で、米年度代表馬に選ばれただけでなく、すでに名誉の殿堂入りも果たしている。09年に米キーンランドのセールで吉田勝己氏が225万ドル(約2億225万円)で落札。そのときお腹に入っていた仔が本馬だ。父Distorted Humorは競走馬としてはさほど目立つ存在ではなかったが、種牡馬として成功し、Drosselmeyer(11年ブリーダーズCクラシック-米G1)、ファニーサイド(03年ケンタッキーダービー-米G1、03年プリークネスS-米G1)、本邦輸入種牡馬フォーティナイナーズサンなどを出している。11年には米リーディングサイアーに輝いた。日本で走った産駒はダート向きが多い。アゼリはヨーロッパ血脈も豊富に含んでいるので配合次第では芝向きの産駒も出てくるはずだが、本馬はどちらかといえばダートのほうが良さそう。
●スズカファイター(牡 栗東・橋田満 父ディープインパクト、母スプリングマンボ)
2代母キーフライヤーは希代の名繁殖牝馬ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)の全妹にあたる。その良血の流れを汲む母スプリングマンボは繁殖成績が優秀。スズカマンボ(父サンデーサイレンス/05年天皇賞・春-GI)、スプリングサンダー(父クロフネ/12年CBC賞-GIII・2着)と2頭の活躍馬を出している。本馬の父はディープインパクト。全兄スズカチャンプは現在ダート1勝馬だが、ハマれば重賞級の活躍馬となってもおかしくない。
●ノブオズボーン(牡 栗東・昆貢 父マンハッタンカフェ、母ピュアフレグランス)
名門牝系から出た2代母スキムは、「Nijinsky×Buckpasser」なのでマルゼンスキー、ヤマニンスキー、ラシアンルーブルなどと同じ組み合わせ。母ピュアフレグランスは未勝利馬ながらLa Troienne牝系をしっかり固定した配合なので楽しみが大きい。父マンハッタンカフェはMr.ProspectorとNijinskyを双方持つ繁殖牝馬とも相性がよく、このパターンからイコピコ、レッドアゲート、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、エーシンモアオバーなどが出ている。本馬はこのパターン。芝向きの中距離タイプだろう。