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牝馬の世代間格差

  • 2012年11月06日(火) 12時00分
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 ヴィルシーナ悲願のG1制覇成るかが注目のエリザベス女王杯。登録馬を見渡しても成績面で絶対敵わないという相手がいるわけではなく、古馬のアドバンテージがどの程度なのかということ、また世代のレベル差がどの程度なのかということがテーマだろう。

 そもそも、よく言われる「今年の○歳世代はレベルが高い」という話からして、そのような事実があるのかどうか考えなくてはならない。そこで今回は試みとして、古牝馬重賞における世代別成績を調べてみた。あいにく3歳馬はまだサンプル不足になるが、概念としての世代格差を裏付ける、あるいは否定するものにはなるはずだ。

 現4~13世代について、古牝馬重賞における成績を示すと以下の通り。

世代  出走数 1着数 勝率 1走賞金
現 4歳 64 7 10.9% 863万円
現 5歳 153 8 5.2% 583万円
現 6歳 106 8 7.5% 693万円
現 7歳 169 7 4.1% 408万円
現 8歳 169 10 5.9% 669万円
現 9歳 136 10 7.4% 697万円
現10歳 165 9 5.5% 506万円
現11歳 150 13 8.7% 722万円
現12歳 152 13 8.6% 789万円
現13歳 113 4 3.5% 424万円

 こうしてみるとムラがあるもので、世代の差というのは確かにあるのかもしれない。もっと古い世代だと、現16歳世代(トゥザヴィクトリーなど)、現22歳世代(ノースフライトなど)の賞金が高い。勝ち星は1頭強い馬がいるだけでグンと上がってしまう可能性があるが、1走あたり賞金で見てもやはり世代の差はある。

 問題は、現4歳世代のパフォーマンスが良いことだ。7勝はいずれも別々な馬があげたもので、特定の馬が強いというのではなく層が厚いという状況である。

 3歳世代はまだ古牝馬重賞には3頭しか出走していないが、その内容が[1-0-1-1]なので、丸っきり弱いということはないはず。その世代のナンバーツーであるヴィルシーナが古馬に全く通用しないということもないだろう。

 ただ、4歳世代を侮りすぎるのも考え物だ。先にあげた世代としての充実ぶりも念頭置いて予想を組み立てたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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