◆ロジータ記念(11月7日 川崎 サラ3歳牝馬 定量54キロ 南関東SI 2100m)
ロジータ記念は平成2年新設。ロジータ引退の翌年、間髪を入れず創られた3歳牝馬重賞で、今年第23回目を迎える。南関東限定、しかも1着賞金2000万円(戸塚記念などと同額)にもかかわらず、“SI”格は、正直違和感がないでもないが、まあそのあたり、彼女の名牝伝説、南関東競馬への貢献度(繁殖成績も含め)が、いかに強烈だったかという象徴でもあるだろう。
実績、年齢、収得賞金に関係なく、全馬定量54キロ。有力(人気)馬のレベル、体調さえしっかりしていれば、本来波乱の要素はあまりない。昨年はクラーベセクレタ→ハルサンサン→ナターレと1~3番人気の決着で、3連複=3.1倍。クラーベとほぼ互角の実績(南関東重賞5勝)を持つアスカリーブル登場の今年も、基本線は“順当”と考えたい。
(1)…近年堅め。1人気[3-3-0-4]、2人気[3-0-5-2]、3人気[1-2-1-6]。前述通り、世代レベルが水準以上の年は堅く収まる。あえて馬券的妙味といえば、1人気から4~6人気あたりへの薄目流し。
(2)…4場脈あり。船橋=5勝、2着5回とリードするが、川崎=2勝、2着4回、大井=2勝、2着1回、さらに浦和も18年マキノチーフが1勝(2冠馬チャームアスリープを逆転)している。4場ともチャンス十分。
(3)…中~長距離実績。関東オークス、黒潮盃、戸塚記念など、千八以上の経験、良積があれば心強い。最も関連が深いのは戸塚記念(川崎二千百)で、過去10年連対20頭中7頭が、直前に同レースを使っている。
(4)…逃げ=4、先行=6、差し=9、追込み=1。ペースはおおむねスローで、好位~中団からの差しが主流。ジョッキーでは過去10年、的場文騎手の2勝が目立つが、戸崎、御神本、町田、張田Jも1勝している。
※データ推奨馬
◎シラヤマヒメ…出走頭数のわりに好走確率が高い大井所属馬。春後半から一貫重賞ロードで戦い、オークス3着、黒潮盃5着、戸塚記念2着だから実績もヒケをとらない。中~長距離向きサクラローレル産駒。早めに仕掛けていい脚が長く使える。御神本Jは一昨年ショウリダバンザイで優勝。
☆ ☆
◎アスカリーブル 今野
○エミーズパラダイス 戸崎
▲グレコ 坂井
△シラヤマヒメ 御神本
△グラッドクライ 森
△プロハンター 本橋
△コテキタイ 的場文
レディソルジャー 真島
クリック 町田
ジュディソング 張田
アスカリーブルに死角なしの一戦だろう。交流GII関東オークスを含む堂々たる牝馬二冠。牡馬相手の前2走、黒潮盃→戸塚記念も、3~4コーナーから得意のロングスパートで余裕十分に押し切った。一見細身に映る馬体だが、どうしてレースぶりはパワーにあふれ、何より実戦向きのしぶとい気性が頼もしい。
父ブラックタキシードはセントライト記念を勝った中~長距離型。SS系としてはある意味やや泥臭く、逆にそこが地方ダート向きとイメージする。いずれにせよ、勝負付けが終わっている南関3歳牝馬同士で別定54キロはきわめて有利。持ち駒豊富な川島正行厩舎としても、あらゆる条件を考慮した上で適材適所、今回彼女にすべてを託した。絶対の自信で臨む。
エミーズパラダイスは同じく川島厩舎、本来世代牝馬?1の存在で、現実に羽田盃2着、東京ダービー3着。遡ってマリーンC4着も古馬相手のGIIIだけに絶大な価値がある。以後アスカリーブルの驚異的な成長力に押され気味だが、ごく冷静には互角以上の評価も可能だ。秋初戦をA2下2着なら無難な発進。自ら逃げ、あるいは4コーナー先頭の形でライバルを待つ。
▲グレコは、父ハーツクライ、デビュー4連勝の逸材。5月プリンセス賞こそ大敗に終わったが、そこはキャリア不足と度外視できる。充電後の前走サルビア賞(ロジータ記念TR)圧勝。当時15キロ増の馬体にも地力強化がみてとれた。以下、データ欄推奨シラヤマヒメは、一貫強敵相手の挑戦を重ね、着々と力をつけてきた本格派ステイヤー。上昇馬グラッドクライ、切れ味光るプロハンターにも食指が動くが、今回実績上位馬と同斤はやはり厳しい。あえて大穴なら、記者印は回らなかったが、プリンセス3着、オークス5着、血統的にも長距離向きと思えるレディソルジャー。