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元乗馬選手のコラム 岩田乗り3

  • 2013年08月04日(日) 00時44分
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岩田乗りが有効な馬・ダメな馬について解説していきましょう。

コラム1で触れている通り、岩田乗りは馬の背中を騎手のお尻で推し戻して馬の重心移動を深く・速くする事を狙いとしています。なので、普通乗りでも十分重心が低く沈むような馬にはそれ程意味が無いと言えます。よく、岩田乗りはディープインパクトにやってもあまり意味が無い等と表現されます(坂井千明元騎手のブログとか)。反面、(当然乗った事が無いから何とも言えませんが)ゴールドシップやヒシミラクルなど、重心がフワッと高めに浮いてしまう馬に対して岩田乗りをすると、重心を下げる手助けとなり、速く走る事が出来る場合があると言えます。

又、背中が頑健な馬である事が望ましいでしょう。背中を刺激される事への反応は馬によってかなり開きがあります。許容範囲を大きく超える衝撃が加われば、馬が背中を痛める上に、筋肉が硬直してしまったり(人間で言えば突然後ろから声をかけられる等してビクッとなるような具合で)、馬が驚いてパニックになってしまい却って動かなくなってしまいます。特に以前相馬眼のコラムで触れた「ヘッドの高い馬」は背中の筋肉が弛緩しているので、強くお尻を当ててしまうとロクな事がありません。
一般論として背中が頑健な馬は馬格の良い馬に多く、華奢な馬は弱い傾向があります。

そこで馬の許容値に応じて、お尻の当て方の強弱を調節して乗ります。
許容値は、実際に軽く岩田乗りをすれば大体判断がつきます(少しやれば、「これぐらいまでなら耐えられそう」と言うのが感覚的に理解できる。というより、背中の強さは跨った瞬間に何となく理解できる)。

岩田騎手や川田騎手もレースではそういった部分も意識して乗っているようで、馬によってお尻の当て方が強かったり弱かったりします。又、脚勢の無くなった馬には無闇にお尻を当ててません。

続く

アラシ
アラシ
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元馬術の選手です。ネットケイバでは主に競走馬掲示板にて活動しています。2016.11.11記諸般の事情により、当面はブログで活動いたします。追い切り所見・レース回顧を中心に、内容そ...

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