エリザベス女王杯、京王杯2歳S、ファンタジーS、武蔵野S追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・エリザベス女王杯(GI)
・オールザットジャズ
福島牝馬Sを制して勢いよく挑戦したヴィクトリアマイルで惨敗。それから2戦は着差こそ悪くないが、上位争いというレース内容ではなく、実力を出し切っていない印象が強い。しかしこの中間は調教内容が良化。1週前追い切りの段階で、活気ある動きが目についていたが、最終追い切りはそれに輪をかけるような魅力的な動き。川田将雅騎手が跨ったということもあるだろうが、3頭併せの最内から追走して直線は持ったままで前に追いついて、あとは突き放す内容。これで時計が遅ければ、これまでと大差ないのだが、その時計が6F79.0秒はかなり速い。もちろん自身のCW6F時計の自己ベストを更新しているが、それを無理なく出せたあたりに期待が持てる。
・スマートシルエット
レースまでの調整過程が変則日程だった前走も自分のペースを崩さずに調教して2着。馬体重の大きな変動もなかったあたり、使い続けても疲れがないということなのだろう。なによりここ3戦は推定上がりがすべて33秒台。競馬っぷりも非常に安定している。この中間も目立って速い時計が出ているわけではないが、その分、しっかりと本数をこなした調教内容。1週前追い切りをウインプリメーラ(アルテミスS3着)と併せて負荷を掛け、今週は結果的に単走の形になって、4F53.7秒でまとめた。ラスト1Fが最速になるラップも踏めており、ここ一連から大きく上積みはないものの、安定して走れそうな体調にはある。
◆土曜東京11R・京王杯2歳S(GII)
・エーシントップ
前走後は早々にこのレースを目標に放牧。その間も順調に過ごしており、栗東へ帰厩してからの調教も至って順調。1週前追い切りは浜中俊騎手が跨って、4F50.0秒をマークしており、この時点で十分に仕上がった動きを見せていた。最終追い切りは単走だったが、4F50.2〜1F12.2秒。追い出されてから少し嫌々するような仕草を見せるあたり、まだまだ若い証拠なのだろうが、それでこの時計が出るのだから、エンジン性能は素晴らしい。左回りのDPで軽く時計も出しており、今回のレースへ向けてほぼ万全の仕上がりにあると見てよい。
◆土曜京都11R・ファンタジーS(GIII)
・ディアマイベイビー
デビューから3戦、すべて1番人気に支持されているように、ファンの注目度の高い馬。勝ち上がるまでに時間を要したように思えるが、負けた相手もオープンクラスや500万下で好走していることを考えると、相手が悪かったのかも知れない。少し間隔の空いた今回。調教内容はこの厩舎らしくCW中心。最終追い切りは単走だったが、かなり時計が速く、6F79.3〜1F13.2秒。最後まで舌を越したままゴールしているあたり、まだまだ真面目に走っていない印象が強い。レースでも幼い面が出ているだけに、今回は結果以上にその内容も重視されるレースとなりそうだが、その結果と内容次第では今後のG1レースでも期待できるものになるのではないだろうか。
◆日曜東京11R・武蔵野S(GIII)
・ナムラビクター
前走ブラジルCは初めての距離、芝で大敗後、東京への初輸送など、心配なところもあったはずだが、まったく関係なく圧勝。あらためてダート路線ではトップクラスの能力があることを示した。中2週と間隔が詰まっているにも関わらず、最終追い切りはしっかり。CWで自己ベストを2秒近く更新する6F81.1秒をマーク。終いは14秒要しているが、これは前走時も同じ。止まっているというよりは、やめているという感じで、調子が落ちたという点は一切ない。むしろ心配なのは、距離が短縮される点、スタート地点が芝という点。これさえクリアできれば、重賞制覇の最大のチャンスではないだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜東京11R・京王杯2歳S(GII)
・ヴァンフレーシュ
1週前にコースで凄い伸ぴ脚を見せたが、今週は坂路でメンディザパル騎手が跨ってキビキビした動き。間隔があいた不安はなく、さらに良化した感がある。新馬戦は多少急仕上げぎみだったが、叩き2戦目が鋭い差し切り。特別挑戦の前回は、打って変わった逃げ切りと、短距離にかんしては、並々ならぬ能力とセンスの良さを見せている。パクシンオー産駒だけに、距離延びて? だが、千六までなら、かなり活躍できそうだ。
◆日曜東京11R・武蔵野S(GIII)
・イジゲン
前走は前半3Fを35.6秒、後半3Fが35.5秒と、ほぼイーブンペースでの逃げ切り勝ち。スタート難を克服し、1600万の壁も難なく突破した底力はまだ無限の可能性を秘めている表れ。今回はレース間隔が中3週と詰まっている中で、中間の追い切り本数も4本消化しており、体質面の強化も目立っている。7日の最終追い切りは500万プレミアムテーストを2馬身追走から、直線持ったままの手応えで軽く1馬身先着。5F67.6〜3F39.0〜1F13.2秒の時計は平凡でも、脚取りの確かさは際立っていた。これは成長力を示していることの現れでもあり、前走時よりさらにデキ自体が上向いてもいるはず。初の古豪相手でも底力は互角以上。前回のようにスンナリ先手か好位追走の競馬が取れればビッグチャンス。
◆日曜東京10R・ノベンバーS(1600万下)
・サトノギャラント
出遅れから離れ殿を追走、直線だけでまとめて差し切った前走は、久しぶりにこの馬の強さを見せてくれた。その後の反動はなく、坂路とウっドチっプで豊富な乗り込みを消化。今週はウッドチっプで67.5〜38.2秒、4馬身先行させていたポールアックスを、ゴール前で捕まえてゴールイン。軽くうながしただけでも一気に加速、走る気満々に鋭い脚さぱきと、文句なしの絶好調をアピールしてきた。外々回っても伸びてきた皐月賞6着が、この馬のベストパフォーマンス。距離も2000までなら心配なし、東京コースなら思う存分に能力を発揮できる。
◆日曜東京9R・tvk賞(1000万下)
(1600万下)
・マイネルシュライ
前走の魚野川特別。昇級戦だったが、中団の外目でスムーズに折り合い、直線は追い出しを待つ余裕。しかし、いざ追い出すと難しい面を出して、精神面で成長の余地を残してい2着。軌道に乗ればもっと上を狙える内容。強い稽古を必要としないタイプで、この中間もハードと思える日程でじっくり乗り込まれ、直前の追い切りは本馬場で5F69.9〜上がり40.1秒。時計こそもの足りなさはあるが、四肢のさばきはダイナミックで、前走以上の迫力を感じさせた。外国人騎手が終い遊ばせることなく追う。
◆土曜東京9R・錦秋S(1600万下)
・ナイトフッド
まったくエンジンの違うイジゲンには3馬身差をつけられた前走の秋嶺Sだったが、それでもまったく危なげのない2着。東京ダートのマイル戦をもっとも得意とする用で、準オープン卒業は「時間の問題」といえるところまで力をつけている。ゲートこ課題を残し、時として出負けするポカもあるが、位置どりに関係なくラストまキッチリと脚を使えるタイプ。たとえ時計勝負になっても、まったく問題はない。この中間も坂路主体に北馬場でも十分に乗り込まれて、まずは万全といえる仕上げ。ハンデの56キロも妥当なところで、もちろん好勝負必至とみる。