京都の外回りコースの下り坂は高低差にして約4.3m。内回りのそれと比較すると1m以上違う。それも残り800m以上を残す位置から下っていく。当然のように加速しやすくスピードを持続する力に長けた馬にとっては有利な設定といっていい。直線は平たんで距離によっては切れ味を要求される割合も高まる。
エリザベス女王杯が行われる芝の2200mはスピードの持続力と瞬発力のバランスのいいタイプに向く。コース形態を踏まえて脚質がどこまでフィットするのかを考慮するのがいいように思う。
異なる世代がぶつかり合う。大まかにいえば3歳と古馬の力量の違いに目を向ける必要がある。三冠牝馬のジェンティルドンナが不在だ。核のいない3歳勢の中心になるのはヴィルシーナということになる。良質のディープインパクトの産駒としては珍しい部類だろう。粗削りな面を伝えてこない。幅広い選択肢を持って実戦に挑める優等生。能力はまぎれもなく高いのだがまとまりすぎているのだ。
秋華賞はコースの特性と枠順を存分に生かしている。前哨戦で本命馬をマークする競馬に徹した内容も肥やしにして逆に自身が積極的な形を取った。すべてを出し切りでハナ差で敗れた内容から、やはり3歳の牝馬はジェンティルドンナ1頭が突出しているのではないだろうか。
フミノイマージンを推す。
昨年の当レースでは勝負どころから外々を回りながら確かな伸び脚を披露。コース取りの差が明暗を分けて8着に敗退したが好勝負可能な力量をすでに証明している。明らかに本番を見据えた仕上げに映った前走の内容もいい。
前走は牡馬のあいだに入って追い比べを演じてわずかに後れをとっただけの4着だ。中間の気配や身体を見ても上昇度は極めて高い。今年のメンバーでは一枚上の存在だと考えている。
スマートシルエットの先行力は奥が深い。緩みのないラップを刻む格好であろうがスローペースに落とした形でも最後まで踏ん張りが利く。外回りコースでの2200m戦となれば持ち味をフルに発揮できる。
前々で戦える利をもつ馬ではレジェンドブルーも不気味に映る。持久戦に強く枠順もいい。二枚腰に期待したい。
ヴィルシーナにとって2キロ軽い負担重量は後押しになる。立ち回りがうまい。あとは京都の外回りコースへの対応がカギを握る。
適性距離よりは長いが休み明け2走目だと折り合いがつくホエールキャプチャ。昨年よりマイル色が強まっている点は気になるがGIでは崩れない点が魅力だ。
レインボーダリアの末脚に注目する。15番枠だが前走のようなスローペースになる可能性は低い。コース形態から大きなマイナス材料にはならないだろう。つなぎが気持ち短めで立っている。道悪への対応力は高いと思われ降雨を浴びた馬場でも踏ん張りが利くはずだ。