今年最も難解なGIと称されるマイルCS。展開の鍵を握りそうなのが、短距離王国・西園厩舎が送り込む“3本の矢”。個性豊かな管理馬3頭・シルポート、サダムパテック、コスモセンサーを送り込む西園正都調教師に、マイルCSに向けた戦略をうかがった。(取材・文:井内利彰)
常に“逃げ”にこだわり、ファンを大いに沸かせるシルポート。前走の天皇賞秋でもいつも通りの競馬に徹して、4コーナーでは後続を大きく引き離して直線に。大きな歓声が上がる中、西園正都調教師はその状況をどのように見ていたのだろうか。
「一緒にレースを見ていた調教師からは『逃げ切るんじゃないか』と言われたんですが、意外と冷静でしたね。東京の直線は長いし、ましてはメンバーは超一流。最後は失速してしまいましたが、自分の競馬に徹することができたという点では納得しています」
マイルCS3頭出しの西園正都調教師
6歳の京都金杯で初重賞制覇となったシルポートだが、3歳のデビュー時から大きく変わった点を聞くと、
「変わったというよりも、逃げるという自分の型でレースできるようになったことが、ここまで好成績を残している要因でしょう。ただそれ以上に“丈夫”というのがこの馬の武器。どこが痛いといったこともなく、順調に使い続けてこれたことが今の結果に繋がっているんだと思います。正直