マイルCS、東京スポーツ杯2歳S、福島記念追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイルCS(GI)
・ドナウブルー
変則日程ということもあり、最終追い切りを軽く済ませて出走となった前走府中牝馬S。間隔が空いていたので、少し緩い攻めと懸念していたが、それでも3着するあたり、今年の安定感を示している。今回は輸送距離の短い京都、しかも通常通りの調教日程ということもあり、しっかりと最終追い切り。その動きは文句なく、4F52.9〜1F12.4秒と全体もラスト1Fも数字として十分なもの。週末は天気が崩れる予報も出ているが、不良馬場の京都芝外回りで快勝している実績もあり、そういった点に心配がないのも強み。
・グランプリボス
前走スワンSをきっちりと勝ち、勢いをつけての出走となる今年のマイルCS。海外遠征帰国2走目だった昨年とは状態が違うのは明らかだ。ただ前走の1400mを勝った影響なのか、中間の坂路ではこれまで以上に引っ掛かり気味に時計になっているケースが目立つ。そのあたりを考慮されてなのか、最終追い切りは併せ馬で追走する形。相手が攻め駆けするグランプリエンゼルだったということもあり、最後遅れたのは仕方ないだろう。ただこの動きを見せられてしまうと、どうも実戦でのいいイメージが沸いてこない。
・サダムパテック
予定通り休養明けのレースとなった前走天皇賞秋は直線での進路差もあり8着。ただ「最後の200mで脚が止まりかけていた」と西園正都調教師が話すように、距離が2F短縮される方が能力を発揮できるのかも知れない。ここはお釣りのない仕上げ、そんな印象を受けた最終追い切り。14日の坂路一番時計となる4F51.0秒をマーク。これは自己ベストを0.2秒縮める数字でもあり、ラスト1Fをかろうじて12秒台で我慢したあたりも評価できる。ここでなんとか結果を出したいという陣営の思いがこもった最終追い切りだけに、差し届く展開になれば面白い存在であることは間違いない。
◆土曜東京11R・東京スポーツ杯2歳S(GIII)
・サトノノブレス
前走いちょうSと同じ東京競馬場への遠征になるが、最終追い切り場所がCWから坂路へ替わったのが今回。1週前追い切りはCWで行われており、この変化に関しては特に気にする必要はないだろう。むしろその内容に注目すべきなのだが、併せた相手メテオロロジストは決して攻め駆けしない馬ではない。それを相手に終始手応え優勢、ゴール前では完全に煽って大きく先着。追えば追うほど伸びるという動きは久しぶりだった前走時より上。強力メンバーが相手になる重賞だが、自分の能力はしっかりと発揮できそうだ。
◆日曜福島11R・福島記念(GIII)
・ダコール
中7週と間隔が空いていることもあり、調教本数としては少ない印象。それでも1週前にはDPで5F61秒台の速い時計を出しており、出走態勢は次第に整ってきた。今回の最終追い切りはDPではなく坂路。これは烏丸Sや釜山Sを勝った時と同じ調教場所であり、勝つためにはこの選択は評価すべき。時計はやや遅い4F55.3秒だが、この数字は釜山Sと変わらないため、これで評価を落とすことはない。ただラスト1Fが13秒掛かったことはマイナス。実際の動きも少し止まり気味に映っただけに、まだ中身がしっかりと出来ていないのではないだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイルCS(GI)
・フィフスペトル
秋初戦のスプリンターズSは直線に入ってから、残り300mは内に包まれっぱなし。結果脚を余して11着と大敗したが、レースをしていないことも事実。その後は、ここ目標に入念な調整ぶりで、10月中旬からは速い時計を出し始めて計4本の追い切りを消化。1週前追いの8日は2歳馬を1.4秒追いかけて互角併入。14日の最終追いは6Fから加速してラスト1Fを絶好の伸び脚。6F81.0〜3F37.1〜1F12.1秒っは多少内めを回ったとしても、最近では目立って速いタイム。ということは、秋2戦目で体調面がガラリ一変しているということで、昨年2着時よりさらに上のデキにあることの証。シルポートの大逃げで、2・3番手の絶好位が取れる展開は確か。上手く流れに乗れれば残り200mで先頭に出ても競りきれるはず。
◆日曜東京9R・からまつ賞(500万下)
・レオハイタッチ
成長を考えても、中3週で18キロの体重増は想定外。今は絞るため1こ、ハードトレーニングを消化してきた。前走時と同じくポリトラックで、レオアクティブと併せて、64.7〜36.2秒。前走時は余力を残して2馬身遅れで入線してきたがヽ今回はそれを許さず直線目一杯に追い、遅れることなくゴ―ルイン。相手はGIでも人気になる馬、2歳馬にしては相当タフな稽古だが、状態アップとともに、この厳しい経験はキャリアの浅い2歳戦で、大きな武器になる。並ぶ間もな突き抜けた新馬戦どおり、兄に負けない素質馬。人気も落ちる今回は、絶好の狙い目になる。
◆土曜東京10R・銀嶺S(1600万下)
・カフェシュプリーム
今週で速い時計が6本目になるが、稽古駆けとはいえ抜群のスピード感。動きの良さが目立っている。間隔があいた不安はまったくなく、万全状態と思える。右回り、特に中山に良績が集中しているが、左回りの新潟でも大崩しなかった馬。この回りだと行きっぷりが悪くなるぶん、直線の長い東京なら、好結果を期待できそうだ。とにかく、攻め馬だけ見ていたら、オープン級の馬。
・サトノデートナ
前走の1000万下は、直前の追い切りで5F70.1〜上がり39.6秒で末一杯となったように、当日の馬体重も+8キロと太め。しかし実戦では楽にハナを切り、直線を向いても引っ張り切れない手応え。最後は後続を突き放し地力の違いを見せた。この中間は順調に乗られ、直前の追い切りでは精力的に追われて、6F83.4〜上がり38.6秒。馬体を絞ることとスタミナ強化を図った。これだけ中身の濃い調教は過去になく、最高のデキでの出走。昇級戦でもベストの東京1400mダート[3-1-0-1]なら好勝負必至。
◆土曜東京9R・西湖特別(1000万下)
・トキノエクセレント
気性的に乗り難しい馬だが、前走の東京戦でも苦しい位置取りからキッチリと2着を確保。その決め手はひとクラス上のものがあり、ベストの東京ダート1400mなら、いつでも勝ち上がれる実力の持ち主といえる。疲れが出ると硬さが目立ってしまうが、この中間はそんな面も見せずに順調そのもの。角馬場でじっくりとほぐしてからコースを乗っているが、落ち着きとともに風格を増した印象もある。水曜の併せ馬でも、稽古駆けらしい豪快な動きを披露(66.5〜51.6〜38.1秒=馬なり)。得意の東京で走れるのは今年はこれが最後。キッチリと決めておきたいところだろう。