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ジャパンCの外国人騎手

  • 2012年11月20日(火) 12時00分
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 ジャパンカップはすっかり日本馬が強くなってしまい、外国馬を買う楽しみが昔に比べて無くなってしまった。今年は凱旋門賞馬の参戦という話題性はあるが、過去の凱旋門賞馬の成績を考えると無邪気に支持はしづらい。昭和の昔、謎の外国人強豪レスラーを迎えるようなノリで毎年ときめいていた時代が懐かしくもある。

 馬のほうはそんな具合に日本がかなりレベルアップしたが、対照的に騎手のほうは外国人が旋風を巻き起こしている。各国のトップクラスばかりが来るのだから当然といえば当然だが、「迷ったら外国人騎手」という買い方が可能なほど、多くのレースで馬券に絡んでいる。ヨーロッパがシーズンオフになっているいまの時期は特にそうだ。

 では、こんな考え方はどうだろう? ジャパンカップを日本馬対外国馬ではなく、日本人騎手対外国人騎手として捉えてみるのだ。といっても、「外国馬に乗る外国人騎手」は馬の力が足りずに成績が伸びないという面はあるので、「日本馬に乗る外国人騎手」と「日本馬に乗る日本人騎手」の比較である。

 ジャパンカップの歴史上、日本調教馬に外国人騎手が乗ったケースの成績は(4.5.4.13)で、勝率15.4%、連対率34.6%、複勝率50.0%。日本調教馬に日本人騎手が乗ったケースは(11.12.13.163)で勝率5.5%、連対率11.6%、複勝率18.1%。外国人騎手のほうが人気上位馬に乗っている比率が高いのでこの成績差はある程度仕方ないが、外国人騎手は回収率でも単198%・複121%と高い水準にある(日本人は単41%・複48%)。これはスクリーンヒーローの寄与する割合が高いが、同馬を除いても複勝回収率は98%(単はさすがにぐっと下がって42%)。

 今回はオルフェーヴルが池添騎手に戻る。「オルフェーヴルvs外国人騎手が乗る日本馬全部」の対決と考えると、簡単にどちらが上とは言えなくなるだろう。そこを考えることに、昔と違う馬券上の楽しみは見いだせると思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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