配合のレベル高いメイショウサムソンの半妹メイショウキズナ
●オウケンシスター(牝 栗東・音無秀孝 父ジャングルポケット、母シルバージョイ)
菊花賞(GI)と京都大賞典(GII)を勝ち、ジャパンC(GI)でもウオッカのハナ差2着と健闘したオウケンブルースリの全妹にあたる。同馬が3歳時に活躍したことから翌年春に母シルバージョイと父ジャングルポケットをもう一度交配し、翌年誕生したのが本馬。全兄はまだ現役でバリバリ活躍している。父ジャングルポケットは息の長い活躍をする産駒を多く出しており、そのなかでもオウケンブルースリは長持ちしている。全妹の本馬も高齢まで頑張れるタイプだろう。母方にRibotが入るので底力やスタミナは十分。1800m以上で本領を発揮するタイプだ。
●メイショウキズナ(牝 栗東・岡田稲男 父チチカステナンゴ、母マイヴィヴィアン)
半兄メイショウサムソン(父オペラハウス)は皐月賞(GI)、ダービー(GI)の二冠に加え、春秋の天皇賞を制した名馬。このほか中央で走ったベルタリド(父クロコルージュ)、メイショウタクミ(父シンボリクリスエス)はいずれも1000万条件まで出世している。母マイヴィヴィアンは優秀なポテンシャルを秘めている。父チチカステナンゴは現役時代にリュパン賞(仏G1)とパリ大賞典(仏G1)を制し、種牡馬としてはVision d'Eta(08年仏ダービー-G1、09年プリンスオブウェールズS-英G1などG1を4勝)、Saonois(12年仏ダービー-G1)などを出して成功している。切れる脚はないもののスタミナ豊富で晩成タイプだ。父の母にSir Gaylord=Swansea 3×5があるので、本馬のようにSir Gaylordを継続した配合は合うはず。芝向きの中長距離タイプ。
●クロンブリオント(牡 栗東・今野貞一 父Mizzen Mast、母プリモディーネ)
母は99年の桜花賞馬プリモディーネ。アメリカへ渡って繁殖生活を送っており、これまで産駒が外国産馬として5頭輸入され、2頭が勝ち上がっている。期待の大きさからするともうひとつ、といった印象だが、本馬は配合的に期待できるので楽しみがある。母プリモディーネの配合の核心部分はTom Fool≒Spring Run 4×5・5。本馬はそれを継続して「4×5・6・6」としている。軽快なスピードを伝えるCozzene系の種牡馬が交配されている点も好感が持てる。芝・ダート兼用のマイラーだろう。
●サンマルグレース(牝 栗東・山内研二 父ジャングルポケット、母グレースマリヤ)
半姉にコスモフォーチュン(父マイネルラヴ/06年北九州記念ーGIII)、コスモプラチナ(父ステイゴールド/09年マーメイドS-GIII)がいる良血。本馬の父ジャングルポケットは力強い中長距離血統だが、母方のスピード値が高く、おそらく小回りコースの芝1600〜2000mを得意とするタイプになるだろう。仕上がりも早そうだ。
●タケショウナデシコ(牝 美浦・相沢郁 父スペシャルウィーク、母スーティー)
母スーティーは父Caerleon、母アグサンという血統。つまり名繁殖牝馬ビワハイジの全姉にあたる。GIを勝ったビワハイジと違い、現役時代はイギリスで7戦して未勝利に終わった。繁殖牝馬としての成績もビワハイジとは似ても似つかず、これといった活躍馬は出していない。本馬は父がスペシャルウィークなので、女傑ブエナビスタと同血の関係にある(父が同じで母が全姉妹)。配合的には申し分ないので、それによって母同士のポテンシャルの差をどこまで埋められるかだろう。
●マジカルドラゴン(牡 美浦・久保田貴士 父ブライアンズタイム、母マジカルウーマン)
ユニコーンS(GIII)を勝ったナイキアースワーク、シリウスS(GIII)を勝ったドラゴンファイヤーの全弟。ナイキアースワークが馬名登録された7年前に当欄で取り上げて褒めたように、母方にブレイヴェストローマンを持つブライアンズタイム産駒は、ブライアンズロマン(地方競馬で重賞19勝)、スリーローマン(01年の府中牝馬S-GIII・3着馬で、菊花賞馬スリーロールスの母)、エミネントシチー(ダート王エスポワールシチーの母)などが出ており成功している。ひとつ上の全姉アファーブルは走らなかったが、本馬は牡馬なのでナイキアースワーク、ドラゴンファイヤー級の活躍を期待できる。