【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・ジャパンC(GI)
・オルフェーヴル
　帰国後、ノーザンFしがらきを経由して栗東へ入厩しているが、すぐに調教を開始できているように、見た目の疲れは感じない調整過程。1週前追い切りもしっかりと消化しており、調教内容からは特に気になるような点はない。

　最終追い切りも1週前と同じバトードールが併せ馬のパートナーだったが、内容はほぼ同じ。違ったのはゴール直前での斜行。ラスト1F12.9秒だったので、これから推測するに、少し苦しくなると斜行するという癖があるのかも知れない。道中の行きっぷりなど、いい感じに見えていたが、最後は余力がない感じだったのだとすれば、やはり絶好調というわけではないだろう。ただ状態ひと息だった宝塚記念であのパフォーマンスなのだから、その評価が難しいところ。

・ジェンティルドンナ
　桜花賞から4連勝中だが、レース毎ごとに馬体が逞しく、精神的にも落ち着きを感じる3歳牝馬。普段の調教で坂路を2本乗っている効果が確実に出ている印象で、とにかく魅力的な馬体を維持している。

　最終追い切りは坂路で単走だったが、馬の混雑した時間帯。怯むようなシーンがあっても不思議なかったが、この馬にとっては逆に闘争心に火が付いたかも知れない。水分を含んで重い馬場も関係なく、力強い走りで4F53.0〜1F12.8秒。終い失速するようなラップではなく、最後まで余力は十分。現状なら古馬牡馬を相手にしても面白い、そう思わせてくれる絶好調な印象を受けた。

・ローズキングダム
　昨年とは違うローテーションでの出走となったが「使って良くなるタイプでもないので、間を空けたが、この中間は飼葉食いもいいね」と橋口弘次郎調教師。ノーザンFしがらきへ放牧へ出ていたが、その効果も大きいようだ。

　最終追い切りはナイスミーチューとの併せ馬。あまり攻め駆けしない相手だが、それでも併せて先着した内容は評価できるし、なにより一頭になってから真っ直ぐ右手前で走れていたのは、東京競馬場の直線での好走のイメージに繋がる。状態だけなら、間違いなく昨年以上。あとは現状の力でどこまでやれるかだろう。

◆土曜京都11R・京阪杯(GIII)
・パドトロワ
　前走後は放牧に出されて、グリーンウッドから10月25日に帰厩。すぐに坂路での調教を開始し、ここまで調教本数は十分に積まれてきた。

　3週続けて安藤勝己騎手が追い切りに跨っているが、その動きは週を追うごとに良化。最終追い切りも遥か前方にいたタガノトネールをラスト1F付近で捕まえると、並ぶことなく突き放す形。時計こそ1F13.6秒と掛かっていたが、動きは力強く、数字以上に速く見えたくらい。仕上がり状態としては、ほぼ万全といってよいだろう。

◆土曜京都9R・京都2歳S(OP)
・エピファネイア
　母シーザリオという良血に加えて、前走のデビュー戦が衝撃的な勝ち方を見せたことで、一躍、2歳牡馬の主役に名乗りを挙げた。ただ1週前追い切りでは3頭併せになるはずのところを、引っ掛かり気味に進めたため、単走になるなど、まだまだ若さのあるところを見せていた。

　今週の最終追い切りは3頭併せを最後方から進めて、直線は最内。抜群の手応えで抜けてくるかと思ったが、そこまで魅力的な動きというわけではなかった。時計的にも大して速いわけではなく、追い切りだけの感触だと、主役に抜擢するほど素晴らしい内容ではなかったように思う。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・ジャパンC(GI)
・ダークシャドウ
　21日の最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨ってウッド入り。1000万のシャドウパーティーを5Fで7馬身追い駆け、ラスト1Fではまだ3馬身あったが、そこからゴーサインが入って一気に反応し、ゴールでは逆に1馬身先着。たった200mで0.8秒も挽回する力はさすが。1週前追いでは多少切れ味を欠いた内容だったが、この動きを見る限り不安はなし。5F67秒7〜3F38秒1〜1F12秒7の時計にも不足はなく、天皇賞を叩いてからの変り身は十分だ。今まで2200mまでしか経験していないが、ラスト3Fの決定力比べになりやすいJC特有のペースなら、特に心配はなし。デキの良さから十分に克服できるはず。

◆日曜東京8R・マーヴェラスJT(1000万下)
・アメリカンウィナー
　5か月ぶりで臨んだ前走の1000万下。調教本数は足りていたが、手加減した稽古ばかりで太め残り。そのため勝負どころで反応できず終い力強く伸びたものの脚を余した感じで4着。次走への期待を持たせた内容。今回は中1週のレースで直前の追い切りは障害馬ナドレを5Fから3馬身追走して70秒8〜上がり40秒1。今度も終いセーブした調教でもの足りなさを感じさせるようだが、筋肉が締まって体の切れ、気合共に前走とは雲泥の差だ。気合が変わり前走とは行きっぷりが違うはず。好位から抜け出す。

◆土曜東京12R・3歳上1000万下
・エアイグアス
　もともとが硬さが目立ち、使い込めない体質の馬。ということで、前走の札幌戦のあとは、放牧に出されてリフレッシュ。トレセンに戻ってからは、この東京の最終週を目標に熱心に乗り込まれてきた。水曜の追い切りは、3頭併せで6Fから。およそ1秒追いかける形から、大外を回して余力たっぷりに併入。81秒3〜65秒1〜50秒4〜37秒5を馬なりで出せるのだから、すでに態勢は十分に整っている。東京の1400m戦で勝っている馬で、すんなりと先手を取れれば能力発揮というタイプ。1000万下では2着の実績もあり、ここで一発があっても驚かない。

◆土曜東京10R・オリエンタル賞(1000万下)
・ステラウインド
　同格セニョリータを追走する形。追いつくまでに多少仕掛けたが、直線は持ったままの手応えで11秒台。稽古駆けタイプとはいえ鋭い動きを見せた。前走は勝ち馬にマンマと逃げ切られたが、2番手で競馬ができたことが収穫だし、1F32秒台の決め手は特筆もの。青葉賞でフェノーメノの3着した能力は、このクラスでは断然上位。同型の少ない今回は、スンナリ先行して気分良く走れそうだ。

・ミエノキセキ
　570キロ台の大型馬。2度の長期休養で出世が遅れているが、確実にもっと上が狙える素質馬で、この中間も元気な姿を見せている。今週はウッドチップで66秒9〜38秒4、馬場の外々を軽く流した感じで、楽々とこの時計をマーク。大きなストライドが繰り出される走りは迫力満点、今回も状態に関しての不安は全くない。行った行ったの決着で、インで追えず完全に脚を余した前走は、全くの参考外。このクラスで足踏みをする馬ではなく、今後に繋がる勝ちっぷりに注目したい。